自衛官による大使館侵入事件は中国への最高の“プレゼント”に…「新型軍国主義に突き進む日本」変化する対日ナラティブ、高市首相がすべきこと

2026.04.02 Wedge ONLINE

 そして「国際社会は日本国内の加速する右傾化と自衛隊拡軍の危険な動向に高度な警戒を払うべきだ」と結んでいる。 荒唐無稽に見えた宣伝に強力な援護が与えられた。それを喜んでいるのではないかとも感じられる書きぶりだ。

 この問題に日本政府はどう対応するべきだろうか。謝罪すべきか否かをめぐって議論があるが、本当に問われるべきはそこではない。

 何よりも先に示すべきは、「日本とはいかなる国であり、こうした問題にどう向き合うのか」という姿勢そのものである。日本は戦後国際秩序の維持を基本方針とし、地域に無用な緊張と対立をもたらす意図を持たない国である。

 そして日本国内において、異常な排外主義や嫌中感情が野放しになっているわけではない。そのことを、首相自らが明確に発信するべきではないか。

 今回の一件は中国にとっては最高の「プレゼント」である。村田容疑者が東京地検に送検される際に撮影された顔写真はなんとも印象的である。覚悟を決めたような、印象的な鋭い目つきを見ると、「神の名において」と脅したという話も本当なのではと感じた人が多いようだ。

 事件そのものに加え、この強烈な絵面を塗り替えるようなメッセージを日本政府が発信するのは容易ではない。大使館侵入が一個人の行為だったとしても、その「プレゼント」の代価は高く付くものとなった。

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