「期待以上と思われる人」が人知れずしている事

期待以上の仕事をする人が、密かにやっていることとは?(写真:zGel/iStock)
アフターコロナの時代、「働くこと」の変化が加速する中、今後は「自分のキャリアを自分でつくる」ことがより大事になってきています。外資系金融、メガベンチャーを経て、現在日本で人材のプロとして活躍するピョートル氏による「これからのキャリア」について、『CREATE WORK 自分だけのキャリアを作れる人が入社1年目から大切にしていること』よりご紹介します。

リーダーシップは誰でもとれる

「せっかく憧れの会社に入社したけど、ただ言われたことをやるだけになっている」

「経営者に憧れて、自分も世界を変える仕事をするぞ!と入社したけれど、今はそれには程遠い仕事をしていて……。何のために今の会社を選んだのかわからなくなる」

「会社に入って仕事をしているけれど、言われたことをただやるだけ」

そんなことを不満に思っている人もいるのではないでしょうか。 

しかし僕は誰でも、たとえ入ったばかりの新入社員でも、小さなリーダーシップをとって、自分らしく働くことができると思っています。

例えばどんな職場にも、「みんなが気になっているけれど、誰もが忙しくしていて、そのままになっている仕事」があります。みんなの共有の棚が乱雑になっていたり、郵便物を取りにいけていなかったり、プリンターのトナーが片づけられていなかったり。

そんなとき、自主的に動いて片づけていくのも、またリーダーシップなのだと思います。

些細な仕事と思われるかもしれませんが、小さな仕事でも率先してやっていける人は、大きな仕事でも自分から考えて動いていくことができるでしょう。メガベンチャーでは、そういう人に、みんなが目をかけています。

誰に言われるともなく率先してやっていれば、きっと誰かが見ています。「誰も自分に仕事を任せてくれない」と不満に思っているより、自分で仕事を見つけて動いていったほうが、仕事でもよい流れができるはずです。

小さなリーダーシップを発揮できる仕事を、ぜひ自分から見つけにいってください。

「何も言われていないから」と何も貢献しないのでは、そこにいないのと一緒です。

リーダーシップというと、日本では「リーダー職」の人だけが持てばいいもの、と考えられていますが、そんなことはありません。当時のGoogleでは、肩書や権限ではない「影響型」リーダーシップが重視され、すべての人が持つべき主体的な行動と考えられています。

日本では、「何をしていいかわからない」「ろくに仕事を教えてくれない」という不満も多いようですが、はっきりいえば、これは「犠牲者意識」です。

「周りの人が忙しくて放っておかれる。だから自分は仕事ができない」という考え方では、あまりに当事者意識が足りないように思います。給料をもらっているなら、とりあえず、自分にできることを何か探す。ファイルの整理でもなんでも、今できることをやってみる。

すると「あ、きれいにしてくれたんだね。ありがとう」と、認めてくれることだってあるわけです。

ちなみに僕が考える限り、ミレニアル世代の中には自分からどんどん動ける人も多いように思います。どんなアウトプットを出せばよいかを伝えたら、やり方はある程度自由にして仕事をしてもらうようにすると、すごく頑張る。もちろん、失敗もありますが、それも大事なプロセスと考えて、企業の側も、時に仕事の任せ方を再考してもよいのではないでしょうか。

こんなに違う!外資系企業と日本の新入社員

なお、海外の状況をお話ししておくと、僕が在籍したことがあるモルガン・スタンレーもGoogle Japanも大きな会社ですから、新卒も採っているし新入社員の研修もあります。そして、もちろん日本の企業と同じように会社やビジネスの紹介をしたり、プレゼンテーション研修やビジネスマナー研修があります。