怒りっぽい人ほど「人生破綻リスクが高い」理由

私もかつては政治や社会問題についてツイッターで怒ることはあったが、自発的な発信をやめてからは冷静に見られるようになった。もうツイッターで意見を戦わせる気持ちはない。

結局のところ、顔も知らない人間とかかわるから怒るのだ。だったら怒らないためにどうするかといえば、「どうでもいい人間との接点を減らす」というのが最も簡潔な手段である。

今回のコロナ禍でリモートワークで仕事ができることがわかった人は、まさに怒りを手放すチャンスである。

たとえば定時出勤をする会社員がいたとしよう。朝、マンションのエレベーターは同じく定時出勤する住民でぎっしり。しかも中には無遠慮にせきやくしゃみをする輩も。駅に着けばホームは人であふれ、電車内もコロナ以前のような混み具合。

会社に着けば、好きでもない上司の顔色をうかがわなければいけない。無事にその日の仕事を終わらせて、駅前で牛丼でも食べて行こうかと思ったら、キャバクラやガールズバーのしつこい客引きがわずらわしい。

疲れた自分をねぎらおうと牛丼屋に入ったら、食券機にはサークル帰りの大学生8人が列を作る。喋りながら食券を選ぶので、なかなか自分の番が来ない。結局、牛丼を食べている間も彼らのおしゃべり声がうるさくて味に集中できなかった。

マンションに戻れば、再び仏頂面をした住民とともにエレベーターに乗り込み「オレの人生、なんでこんなに不快なことばかりなんだよ……」と意気消沈する。

あえて極端に描いたが、外に出るだけで怒るきっかけが多数存在することはわかっていただけたのではないか。怒りを手放したければ、できるだけリモートワークを続けたほうがいい。

「激しい運動」が怒りを吹き飛ばす

どうしても怒りを手放せないという人は、「6秒我慢する」「ツイッターをやめる」「人との接点を減らす」以外に、私が実践している習慣が参考になるかもしれない。それは「体を思いっきり動かす」ことだ。

外で怒りを感じたら、全速力で道を走る。息をぜーぜー吐くまで走る。家であれば、自分の力で持ち上げられるギリギリの重さのベンチプレスを10回持ち上げる。激しい運動を実践すれば、自然とストレスと怒りが雲散霧消する。

ベンチプレスや運動のメリットは多い(写真:つむぎ/PIXTA)

ベンチプレスは本当におすすめだ。先日も無礼なメールが送られ、プッツンしてしまったとき、「ウギャ―ッ!」と大声を発しながらベンチプレスを持ち上げたら、ストレスが完全に吹っ飛んでしまった。

さらにこれをやり続けると、ストレスを解消できるだけじゃなく、筋肉が鍛えられる。太りにくくもなるし、健康管理やダイエットに励む人なら一石二鳥だ。もしベンチプレスを置くスペースがない場合は、ダンベルや腹筋ローラーで運動してもいい。

喜怒哀楽4つの感情のうち、最もコントロールが難しいのが「怒」だ。喜と楽はとにかくポジティブだし、「哀」も人生の成長のためには時に必要なもの。「怒」については、なんらかの表現活動に従事する人であれば役立つかもしれないが、それ以外の人にとってはむしろ害をなす存在かもしれない。

「6秒我慢する」「ツイッターをやめる」「人との接点を減らす「激しい運動をする」。怒りにとらわれない、穏やかな人生を送りたい人は、ぜひ一度試してみてほしい。