ITやAIという言葉の氾濫に、これはもうついていけないと思う人も多いのではないでしょうか。
医学の進歩も想像を絶します。私が医学部で習ったことがすでに常識ではなくなっています。
自分の専門外の分野では、単語の意味さえわからないことが多いのです。
新しい物事に追いついていくのも、ある年齢までのような気がします。
もちろん興味のあることは、新しい情報を手に入れること自体が楽しいので苦にはなりません。
しかし、自分が苦手と感じることは、年齢とともにますます苦手意識が強くなってきます。
そんなとき、どう考えていけばいいのでしょうか。
年齢とともに、使い慣れた機種のスマホから、新しい機種に切り替えるのが面倒になってきます。
使い慣れたということは、脳の中に手順が記憶されているので、いちいち考えなくても使えてしまいます。
慣れという脳の仕組みが、新しいことに挑戦するのを拒否してしまうのです。
もう一度初めから使い方を覚えるのはおっくうになるのが普通ですから、拒否的になるのは当然でしょう。
しかし、それだけ脳が柔軟性を失いつつあるということです。
それはまさに、「老化していく脳」なのです。
私自身は、昔からメカ好きで、いまだに新しいものを探すのが大好きです。
世界で最初にiPhoneがアメリカで売り出されたとき、まだ日本では使えないのがわかっていましたが、アメリカにいる知り合いに頼んで、日本に送ってもらったことがあります。
そのとき、iPhoneをいろいろな人に見せましたが、多くの人がむしろあまり興味を示さなかったのが印象的でした。
キーボードのない携帯電話など、使いにくくてダメだろうと多くの人が思ったのです。
本当に革新的なことは、最初は受け入れられないのです。それは人の脳が、新しいことに対して拒否的にできているからです。
それを超えられるのは、好奇心しかありません。面白がって使っていくうちに、iPhoneの革新性が理解され始めたのです。
最初から受け入れることができないとしても、面白いと思うことが非常に重要なのです。