健康寿命を延ばす「無理しない思考法」

「脳が若返る!」簡単だけど効果絶大な方法

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2)マイペースを続ける

もうひとつの考え方に、世間が騒いでいることにさほど興味を持たず、自分のやり方を貫いてしまうという生き方もあります。

新しいことを受け入れるには、かなりの時間を必要としますが、自分に自信があれば、受け入れないという態度も可能です。
それには自分独自の技術や特技を持っている必要があります。

何も新しいことを取り入れていくほうが、脳にいいということではありません。
自分が追求する世界を、とことん追いかけるほうがずっと難しく、脳も使います。
そのほうがずっと若い脳でいられるのではないでしょうか。

3)古いものも大事に

高齢になってくれば、時代に自分を合わせていくのが大変になります。
何も常に新しいものに対応していく必要はありません。
新しいものを拒否し、昔を大事にするという考え方でもいいのです。
新しいことについていけないのが、悪いこと、脳が衰えた証拠のように言うことがおかしいのです。

新しいことに挑戦しなくても、自分の持っている古い記憶、経験に磨きをかけるというやり方もあるはずです。

4)行動、発見、受容は忘れずに

年齢を重ねる、脳が年を取るという感覚は、70歳を過ぎてくるとわかるものです。
思考が遅く、判断に迷い、いろいろな意味で時間がかかります。
だからこそ、やたらにスピードが要求される、新しいことが苦手になります。

しかしだからと言って、新しいことにまったく興味がないというのは、さらに脳の若さを失わせてしまうことになります。 

新しいことに挑戦するかしないかは、個人の自由と能力の問題かもしれませんが、次の3つのことは年齢関係なくやっていくべきことです。

・行動

家の中にいては何も起きないし、だれかに遭遇することもありません。まずは外に出てみるべきです。偶然だれかに会う、何気なく入った店に自分の欲しかったものがあったりと、とにかく外に出て行動することが、努力することなく新しいことを手に入れる方法です。

・発見

ある状況になって、そこで何かを発見する人、面白いと思う人、感じ方は様々ですが、新しい発見をする感性がどうしても必要です。
感性をいまさら磨くわけにはいかないので、自分が面白い、興味が持てることを探してみましょう。
新しい発見などという大げさなことではありません。自分の直感を信じて何かを見つけることです。

・受容

新しく見つけたものを受け入れる姿勢は非常に大切です。
新しいものに対して拒否的になるとしても、自分が面白いと思ったものは受け入れやすいでしょうし、自分の感性を信じて、受け入れる勇気も必要なのです。
若者が面白がっていること、新しい商品など、受け入れなくともいいでしょう。それで脳が衰えるわけでもありません。
自分の判断力で面白いものを探すことができれば、十分なのです。

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プロフィール

米山公啓
米山公啓

1952年、山梨県生まれ。聖マリアンナ大学医学部卒業、医学博士。専門は脳神経内科。超音波を使った脳血流量の測定や、血圧変動からみた自律神経機能の評価などを研究。老人医療・認知症問題にも取り組む。聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職後、執筆開始。現在も週に4日、東京都あきる野市にある米山医院で診療を続けているものの、年間10冊以上のペースで医療エッセイ、医学ミステリー、医学実用書、時代小説などを書き続け、現在までに300冊以上を上梓している。最新刊は『脳が老化した人に見えている世界』(アスコム)。
主なテレビ出演は「クローズアップ現代」「世界で一番受けたい授業」など。
世界中の大型客船に乗って、クルーズの取材を20年以上続けている。
NPO日本サプリメント評議会代表理事。推理作家協会会員。

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