リモートワーク「向く人、向かない人」3大分岐点

こうした「規律」は、「会社や上司のため」に存在するのではないあくまでも、「自分で自分を律するため」のルールなのである。このルールを管理できるかどうかが、大きな分岐点になる。

【分岐点②】「指示なし」でも動けるか

これまでは、言われたことをまじめにコツコツこなし、みんなと仲良くやっていければ、それなりに評価された。しかし、時代は大きく変わった。 

いま求められている人材は、「新たなレールを敷ける人」「新たな車両を造ることができる人」である。自らの意見を持ち、積極的にアイデアを出せる人でなければ、高い評価は得られない。

日本電産の永守重信会長兼CEOは、こう語っている。「私は、テレワークは日本人に向いていないと思っていました。というのも、日本人には指示待ち型が多いからです。

子どもの頃から親や先生に言われたことに従うのを是とし、自ら何かを始めようとしない。会社員になってからも、大部屋に机を並べて、何かあれば、すぐ上司にうかがいを立てる。でも、テレワークなら上司の顔色を見て仕事をすることもなくなるので、指示待ちから変わるかもしれない」。

リモートワークでは自分の意志や意見を持ち、それを自分の言葉と行動で表現できる人間が求められているのである。リモートワークで成果を出せるかどうかの2つ目のの分岐点は「上司の指示待ちのまま」「自己主張できるか」である。

大半がリモートワークでできる仕事でも、すべての業務がリモートワークで対応できるわけではない。なかにはリモートには不向きだったり、不可能だったりするものもある。これからは「オンライン」と「オフライン」の賢い使い分けが必要になってくる。

【分岐点③】「オンライン」と「オフライン」の使い分けができるか

これまでは「オフィスに行くこと」「対面で仕事をする」、いわゆる「オフラインでの仕事」というのが唯一絶対の選択肢であり、それが当たり前だった。しかし、そこにオンライン、リモートワークという「新たな選択肢」が加わった。

オンラインは機能的な業務やコミュニケーションをサクサクとこなすのに適している。日常的なオペレーションの多くは、「オンライン」「リモート」で効率的にさばくことができる

しかしその一方で、自由に意見を述べ合う「ワイガヤ的な会議」は、議論が深まらないのでオンラインは向いていない全体の雰囲気を感じ取りながら、方向性を見出していくファジーな議論や新たなものを生み出すためのクリエイティブな議論は、対面のほうが効果的だ。

これからは、仕事に応じて「出社するのか、在宅でいいのか」「オフラインで行うべきか、オンラインで済ますか」と、時と場合によって、賢く使い分けていくことが求められている。この臨機応変な対応が分岐点になるだろう。

「コロナ後の新しい働き方」を身に付けた人が成功する

コロナ禍の中でも、オンライン化やリモートワークがまったく進んでいない会社も依然として多い。また、リモートワークを補助的なものとして、緊急事態宣言解除後、以前のスタイルに戻った会社もある。

画像をクリックすると政治、経済、企業、教育、また個人はどう乗り切っていけばいいか、それぞれの「コロナ後」を追った記事の一覧にジャンプします

あるいは、これまではオフライン一辺倒だったので、「オンラインには向いていない」と、いままでの殻に入ったままで、自分で「可能性」を潰してしまっている人も多い。

しかし、たとえ今回のコロナが収まったとしても、今後また同じようなことが起きる可能性は高い。

これからは、オンラインやリモートワークを賢く使いこなすのを「デフォルト」(定番)と位置づけ、それらが不向きな場合にのみ、出社したり対面で行うという「新たな働き方」を私たちは身につけなければならない。

オンライン化やリモートワークを単なる仕事の方法論の話として片付けてはいけないその本質はもっと深いところにある。

つまり、「自己管理力」を高め、「自律した仕事のやり方」を確立し、「創造的なアウトプット」を生み出すことができる人材に変わることができるかどうかが試されているのだ。「コロナ後の新しい働き方」を身につけた人だけが生き残り、稼ぎ続けることができる世の中になっていくのは間違いない。