「他人から受ける批判」に疲弊していませんか

柔軟性を高め、意見の違いを認め合う

コロナ前も、もちろん個々人の価値観はさまざまだったと思いますが、それが顕著に感じられるようになったことも確かです。今までは、付き合いやすいと思っていた相手でも、感覚や価値観が違ったと多くの人が実感しています。だからこそ、自分がどう考えてどうしたいのかを伝え、相手がどう思っているのかを認識することが、これまでよりもっと重要になってきます。是非を求めずに感覚を大切にしてほしいと思います。

そして、相手と自分の意見が違うからといって、否定するのはNGです。「私はこうしたいけれど、どう?」と、あくまでもお互いの意見を認め合うスタンスを意識しましょう。とくに同じ職場で長年やり取りのあった人や親しい間柄ほど、「感覚が同じ」と思い込みがちです。考え方の違いがあって当然、ということを忘れないように心掛けられたらと思います。仕事だとなかなか難しい部分もありますが、自分軸をしっかりと持って、相手に振り回されないようにすることが大切です。

また、高齢の両親や妊婦の妻がいるというだけでテレワークを許可されるのは納得いかない、独身の自分だって混雑した電車に乗って出勤するのは怖いといった声や、正社員は在宅OKだが、派遣はNGなどと暗黙の了解があるなどの不平等さや不公平さを訴えるケースも増えてきています。

子どもがいるからOKなどのルール作りをしてしまうと、どうしても不平等感が生まれてしまいます。職場やコミュニティにおいて、平等感はとても大切で、誰かが自分よりも優遇されている、ひいきされているといった日々の感情は、不満感を持ってしまうだけでなく、対象者への攻撃やモチベーションの低下につながります。より一層、個々への対応が必須です。

直接会わないからコミュニケーションが取れないわけではなく、見えているから安心なのでもなく、今まで見ないようにしていた部分を今一度問い直す時期に来ているのではないでしょうか。「○○すべき」という固定観念に固執せずに柔軟性を高めていくことで、自分自身にも、そして他者に対しても優しくなれるのでは、と思います。

(文=大野 萌子:日本メンタルアップ支援機構 代表理事)