足腰が痛む「新・国民病」簡単にラクにするコツ

“新国民病”とも呼べるような「脊柱管狭窄症」。今回は腰椎のねじれのチェック方法と、寝ながらできるストレッチを紹介します(写真:Ushico/PIXTA)

みなさん、腰痛は気になりませんか? 腰痛持ちの人は、全国で約3000万人(厚生労働省2019年「国民生活基礎調査」)。日本の人口の4分の1に及ぶ数字で、まさに“国民病”です。

しかも、昨今のテレワークや外出自粛による運動不足の影響か、腰痛を訴える人は増加傾向にあります。

“新国民病”の脊柱管狭窄症

私は、大阪市にある西住之江整体院の院長で、白井天道と申します。私は最近、『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』という書籍を刊行しました。

「脊柱管狭窄症」は、和歌山県立医大などの調査によると、日本の推定患者数は580万人という説もあります。“新国民病”とも呼べるような病なのです。

「脊柱管狭窄症」とは、背骨の中にある「脊柱管」が狭くなることで、その中を通る神経を圧迫して、足腰の痛みやシビレを引き起こす病気です。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

患者は60歳代から70歳代に多く、みなさんやその親御さんの中には、病院で「脊柱管狭窄症」と診断された方もいらっしゃるかもしれません。高齢になるほど脊柱管は狭くなりやすく、病院で「脊柱管狭窄症」と診断される確率は高まります。

みなさんの中には「脊柱管狭窄症は高齢者向けの病気だから、自分には関係ない」と思った方もいるかもしれません。でも、まったく関係ない話ではないかもしれません。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

実は、脊柱管狭窄症には本物とニセ物があります。脊柱管が狭くなり神経を圧迫して歩行が困難になったり、痛みやシビレが発症したりするのが「本物」の脊椎管狭窄症です。

そこで私は、脊柱管狭窄症が原因の痛みやシビレを「本物」、それが原因ではない症状を「ニセ物」と提唱しています。

私の整体院に見える方で、圧倒的に多いのは、「ニセ物」の脊柱管狭窄症です。しかも、若い人ほど「ニセ物」の割合が高いのです。

病院での脊柱管狭窄症の診断はMRI(磁気共鳴画像法)やレントゲンを撮り、画像から慎重に判断しています。確かに、画像では脊柱管が狭くなっているのがわかるので、診断は「脊柱管狭窄症」とつきます。

しかし、MRIで脊柱管が狭くなっているのが推測できても、それが痛みやシビレの原因になっているのかまでは不明です。

あなたの腰椎はねじれている

では、ニセ物の腰痛や足のシビレの原因は何かというと……それはズバリ、腰椎のねじれです。

背骨は「頸椎」(首)、「胸椎」(胸)、「腰椎」(腰)からできていて、腰の部分の骨が腰椎です。

腰椎がねじれているといっても、ギュッと雑巾を絞ったみたいになっているわけではありません。

ねじれというのは、腰椎のうしろの部分が10度の傾きにも満たないほどわずかに、左右どちらかにねじれているという状態です。これはレントゲンを撮っても映りません。しかし、私が触診で背骨を両手の中指ではさんで上から下になぞると、腰椎のあたりで背骨が右か左にねじれているのがわかります。

そして、脊柱管狭窄症に限らず、多くの人の腰椎はねじれています(私の場合、腰椎は右にねじれています)。この腰椎が右にねじれていると、左側の腰や足に痛みやシビレの症状が出やすくなり、腰椎が左にねじれていると、右側に症状が出やすくなります。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

次に、腰椎の右ねじれ、左ねじれを診断する方法を紹介します。

あお向けに体全体の向きがまっすぐになるように寝て、両ひざをくっつけて立てます。そのまま、ひざを右と左に倒し、どちらに倒したほうが腰や足に痛みが出るかを調べます。