「不安なのに何もできない人」が陥っている状態

この半年間あなたは何をやっていましたか?(写真:アン・デオール/PIXTA)
未曾有の社会情勢の中、「このままではまずい。でも動けていない……」という人が多いのではないでしょうか。オリンピック選手をはじめ、1万5000人以上の目標実現をサポートしてきたメンタルコーチの大平信孝氏は、最新刊『「すぐ動ける人」の週1ノート術』で、「仮決め仮行動で素早く動き出す秘訣」を紹介しています。本稿では、「失敗したらどうしよう」と考えすぎてなかなか前に進めない人が一歩踏み出すのにはどうしたらいいか指南します。

まずこの半年のことを振り返ってみよう

「この半年、どんな不安を抱えながら、どんなふうに過ごしてきましたか?」突然ですが、本稿を読むのをちょっとだけ中断して、この半年のことを振り返ってみてください。おそらく、刻々と状況が変化する中で、

・変化の波についていくのがやっとで、「これ!」といったことはしていないのに毎日疲れきっている
・状況が好転する兆しを待っていたら、あっという間に半年も過ぎてしまった
・ある程度状況が落ち着くまで新しいことに挑戦するのは延期しようと思っていたら、ほぼ何もできずに半年も過ぎてしまった 
・誰かが打開策を見つけてくれるのではないかと期待していたら、ずるずるとここまできてしまった

といった方も少なくないでしょう。

不安なときや考えても調べても正解にたどり着けないというとき、一度立ち止まることは大事です。でも、正解が見つかるのを待っていたり、不安が解消されるのを待っているだけでは、不安はなくならず時間だけが過ぎてしまいます。

「失敗したらどうしよう」「絶対に失敗できないから、ちゃんと正解を見つけてから行動しよう」と考えすぎてしまうと、足が止まってしまい、誰でも動けなくなります。そして、「不安だから、行動しない」という思考パターンから抜け出せず、状況待ち、指示待ち、正解待ち、条件待ちをしていると、それだけで半年、1年とあっという間に時間が過ぎてしまいます。

これからの時代は、たとえ不安でも、正解が見えなくても、ある程度の方向性を見つけて行動していくことが本当に大事です。

正解が見えなくても、先が見通せなくても、状況が刻々と変化していく中でも、仮決め仮行動・軌道修正していける力を「グレー力」と私は呼んでいます。いま必要なのは、絶対的な正解が見えなくても、仮に決めて、動ける「グレー力」です。

もしかしたら、試しに自分で行動してみて思うような結果が出ないと、「失敗した」と思って、そこで足が止まってしまう方もいるかもしれません。

実は、ちょっと行動してみて思うような結果が出ないのは、失敗ではありません。それは、行動したことで得た「成果」です。期待や予想と違った成果が出た場合は、軌道修正をすればいいだけです。

不安だからこそ、まず動いてみる

本当の失敗とは、「不安を理由に行動しない」ことです。気がついた時点で行動すれば対処できたはずの不安でも、放置すると悪化します。

そして、不安を感じているのに対処せずにスルーし続けると、さらに不安になり、思考停止、行動停止、感情停止となり、まったく動けなくなってしまいます。本当は不安を感じているのに何ら対策を取らないのは、問題を先送りしているだけです。
 
ですから、不安に対処するには、「不安だから、行動しない」を「不安だからこそ、まず動いてみる」に変えることです。そのためにもグレー力が必要なのです。

今、時代が激変しています。それは、2020年のことを思い出してみるだけでも実感できることでしょう。年初は東京オリンピックイヤーということで、なんとなくワクワクしていた方が多かったのではないでしょうか。