カレンダーに予定ではなく「目的」を書く納得理由

スケジュールは予定のメモだと思っていませんか? 限りある時間を無駄にすることなく、効果的に使う方法をご紹介します(写真:kikuo/PIXTA)
コロナ禍を経て、「人生は有限である」ことをより強く意識するようになったと語るのは、放送作家でありPRコンサルタントでもある野呂エイシロウさん。
かつてはズボラだったという野呂さんを「すぐやる人」に変えたコツとは? 野呂さんの最新刊『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』からスケジューリングのポイントを紹介します。

スケジュールは予定のメモじゃない

「いつかやりたいな」と思っていても、「いつか」の時は永遠に訪れません。

人生は取捨選択の連続です。そしてあなたも僕も無限に時間があるわけではありません。

とはいえ、わかっていても「明日でいいか」「また今度」と思ってしまうのが人間です。

自分で言うのもなんですが、若い頃の僕は、ものすごくズボラでした。
やらなきゃいけないけど、つい先延ばしにしてしまう。

原稿がたまっていても、結局締め切りギリギリまでやらない。

痩せようと決めたのに、いつも途中で「また今度」とやめてしまう。

どうすればこの悪いクセは治るのだろう? 性格だから仕方ないのか? そう悩んでいた僕が「ちゃんとやり切れる人」になれたのは、計画の立て方と自分を動かす仕組みを変えたからです。とにかく「やらなきゃ……」と時間に追われるストレスが激減し、サクサク仕事が片付くようになりました。

まずはスケジュールです。

あなたの手帳のスケジュールには、すでに予定がいくつか入っていると思います。では、どうしてその予定があるのでしょうか?

僕はスケジュールには予定だけでなく目的を書きます。

たとえば、明日の10時から12 時まで「会議」と書いてあったとしましょう。決まっているので会議には出ますが、単純に会議の時間をやり過ごせばいいのでしょうか。 それでは、予定の意味はまるでありません。「定例ミーティング」などと書いてあると最悪です。準備は怠り、成果も追わず、「まあ、いいか」で終わる。とんでもなく時間を無駄にしていることに気づきました。

なので僕は「アイディアを2本、この会議で通そう」「役員に能力を認められよう」などと、会議の目的を明確に書きます。

計画として見える化することで、そこに自動的に意識が向かうようになる効果があるのです。

これは会議に限ったことではありません。資料作りには資料作りの、ランチにはランチの目的がそれぞれにあるはずです。

あらゆる予定を目的に変えると、目的達成のために「何をすべきなのか?」「どんな準備をすべきか?」などと、当日までの時間が充実していくのです。

そして予定が終わった後は、スケジュールを見ながら振り返ります。「月曜日の会議は失敗。企画書の書き方が悪かった。今度は、こんな表を入れ込もう」などと、次の会議のところに書き込みます。

次の会議の目的に「前回ダメだった企画を通過させる」と入れると、目的達成のための準備や資料を作る時間も必要だと気づき、予定がどんどん埋まっていくでしょう。

目的を書き込む時間なんて、数十秒か数分。たったそれだけで、スケジュールがPDCAを回すツールに変わります。

正確な言葉が行動を促す

僕がスケジュールを書くときに気をつけているのは、正確な言葉を使うことです。

僕はズボラなのでお風呂に入る時間や寝る時間まで、なるべくスケジュールに入れるようにしています。その中でも特に意識してやることに関しては、書き方にも注意します。

例えば、僕は「歯を磨く」とは書きません。

・電動歯ブラシでプラークを取り除く
・歯間ブラシでプラークを取り除く
・糸ようじを使ってプラークを取り除く