コロナ禍で“潰れる”アイドルも出現か…混迷を極める女性アイドルグループライブ対応策

「ライブを中止・延期するケースもあれば、そのまま開催することも多い。開催するか否かの基準が特にあるわけではなく、基本的に主催者の判断に委ねられている状況ですね。また、3月上旬の段階ではライブハウス公演を実施していましたが、政府の2度目の自粛要請を受けて、中止するようになったというアイドルグループもいます」(大塚氏)

 とはいえ、ライブを開催するにしても、感染予防の対策は実行しているようだ。

「来場者に対して非接触型の体温計を使って検温し、平熱であれば入場可能、熱があれば入場不可能、といった予防策をとるアイドルグループもいます。また、入場時に手のアルコール消毒を義務付けたり、マスクを着用していない人の入場を断ったりするケースもありますね。特典会では、握手はやめて、チェキ撮影のみというパターンも多い。このあたりの対応は運営によってかなり異なります」(大塚氏)

「九州女子翼」公式サイトより

観客定員1名のライブを決行

 そんななか、大胆な感染予防策のもとライブを開催するグループもいる。福岡市を拠点とするアイドルグループ「九州女子翼」は、3月14日から15日に“超小規模”イベントを開催した。1公演あたりの定員を1名、もしくは最大3名に設定、ライブと特典会を合わせて15~30分程度の公演を1日に20回以上実施するというもの。会場の人口密度が低いので、感染予防になるというわけだ。

「アイドルの運営にとってライブやイベントこそが主な収入源なので、中止になると活動ができなくなってしまうわけです。だからこそ、いろいろと工夫してライブを開催しているんです。

 でも、自分たちが主催するライブであればそれでいいのですが、主催者が別にいるイベントだと、そちらから中止と判断されることも多い。あるいは、会場サイドから中止を求められることもあります。正直、ライブハウスで活動する女性アイドルにとっては、本当に危機的な状況であるといえます」(大塚氏)

小規模アイドルは立ち行かなくなる

 困難な事態を乗り越えるべく、クラウドファンディングや動画配信における“投げ銭”によるファンからのサポートを模索するアイドル運営も少なくない。

 たとえば、アップアップガールズ(仮)や吉川友、元アンジュルムの和田彩花らが所属する「YU-Mエンターテインメント」は、所属タレントが総出演する番組『25時間半テレビ ~アイドルと未来へ向かう場所~ #愛で山田を救ってくれ』を3月13日から14日にニコニコ生放送で配信した。所属アイドルたちの過去のライブ映像を配信したほか、ライブハウスからの生パフォーマンスやトーク企画などを放送。番組内ではニコニコ生放送のギフト機能による投げ銭やクラウンドファンディングの立ち上げを告知した。

「番組内でYU-Mエンターテインメントの山田昌治社長は、ライブが中止になったことでタレントに4月分の給料が払えなくなるかもしれないなどと話していましたが、あながち冗談でもないと思います。YU-Mエンターテインメントは比較的規模の大きい事務所ではありますが、自転車操業に近い状態のアイドル運営は多い。このままライブができない状況が続けば、小規模な運営はどんどん潰れていくでしょう」(芸能事務所関係者)

「YU-Mエンターテインメント」公式サイトより

ライブを無料配信することの“悪影響”

 また、大手事務所のアイドルやアーティストが無料で生配信をすることの悪影響を指摘する声もある。

「ライブが中止になったことに対するお詫びや、ファンサービスという意味合いでライブを無料配信するのは悪くはないと思います。しかし、いろいろなアイドルやアーティストが無料配信をした結果、“ライブはただで見られるもの”という感覚が当たり前になってしまいそうな空気があるのも事実。ライブこそを収入源としているアイドルたちにしてみれば、飯の種を奪われることなんですよね。