Googleフォト無制限撤廃、どう対応?プライム会員はAmazonフォトへ移行?

 そして、Googleフォトや類似する画像保管サービスを使っている人に聞きたいが、「データをきちんと管理している人」はどれほどいるだろうか? 多くの場合、とりあえずアップロードして放置しているケースが多いだろう。イベントごとにフォルダ分けし、しっかり整理整頓している人は少数派だと思われる。また、子供の七五三や海外の旅行などの単位では整理していても、レストランで撮った料理やペットの画像など、何気ない日常の光景は管理が行き届いていないことも多い。

 結局のところ、ほとんど管理されないまま、とりあえずクラウドサービスにデータを“ぶっ込んでいる”ケースが多いのだ。整理整頓していれば他のサービスへ移行もしやすいが、後の祭りの人は多いのではないか。

Googleによる囲い込み?

 また、仮にとりあえずアップロードしておいた大量のデータをダウンロードして、他のサービスにアップロードするとしても、移行先が無料で使えるとは限らない。主要なクラウドサービスは、一定の容量を超えると有料になる。

「だったら、無料枠の範疇でデータを分散すればいいのでは?」

 いや、ただでさえ管理できていない画像や動画を分散するのは、もっと大きな手間になる。そんな手間をかけなくても、Googleの追加のストレージは「100GB」なら月額250円、200GBなら月額380円で利用できる。大切なデータを保管し、面倒くさい移行作業が不要となれば、財布の紐も緩くなってしまうものだ。

 というわけで、Googleフォトをヘビーに使っているユーザーほど、このサービスから逃れられることができない。すでに、Googleによって見事に囲い込まれているのだから。

 そして、Googleが戦略的に囲い込みに走っていると思うのは、スマホ内から画像や動画のデータを削除させる仕掛けがところどころに設置されていること。

 例えば、スマホでGoogleフォトのアプリを使用すると、スマホ内の画像が自動でバックアップしやすいようになっている。それだけでなく、「このデバイスから○○○○個のファイルを削除できます」と、“スマホの容量の削減”を提案される。もちろん、限られたスマホ容量の節約には有効だが、これを行うと大切な画像や動画のデータが手元(スマホ)からなくなってしまう。そして、Googleフォト上にだけに保存された状態になると、他のサービスへの乗り換えがさらに面倒くさくなる。そして、今回の無制限終了のような状況になると、課金一直線になるのだ。

 同じような戦略を取るのは、Googleだけではない。Appleも似たようなことを行っており、Appleの場合は無制限ではないが、iCloudへのバックアップやデータのアップロードを何度も促してくる。iCloudの無料分は5GBで、それ以上は課金が必要。たくさんのデータをアップロードした後に追加で課金が必要となると課金へのハードルが一気に下る。Google同様、iCloudも「ストレージを節約する」という提案は行われる。

Amazon Photosに注目

 まとめると、

・画像や動画はユーザーにとってかけがえのない存在

・スマホの普及によって撮影しやすくなった

・膨大な量になるので、管理を後回しにする

・スマホやパソコンの容量も食うので、とりあえず無料のクラウドサービスにアップロードする

・クラウドには大量の大切なデータが管理されずに保存されているので、他のサービスに乗り換えづらい

・そのときに無料や無制限のサービスが終了しても、仕方なく課金するユーザーが続出

という流れになるのだ。この状況を一言で表せばこうなるだろう。