東京ディズニーリゾートの“ドン”君臨、85歳・会長退任せず…社長交代人事に驚き走る

 吉田新社長は東京ディズニーシー(TDS)で23年度中に開業予定の新エリアの開発を担当する。オンラインで記者会見した吉田氏は、「足元は非常に厳しい状況が続くが必要な投資は継続する。テーマパークの魅力を向上させ、体験価値を高めたい」と抱負を語った。

 東京ディズニーリゾートが38周年を迎えた21年4月15日、新エリア「ファンタジースプリングス」のイメージ模型を初めて動画で公開した。「ファンタジースプリングス」は3つのエリアとディズニーホテルで構成される8番目のテーマポートだ。ディズニー映画『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』を題材に、乗り物などのアトラクションを展開する。

 新エリアは駐車場だった場所を活用して敷地を拡張し、総面積は14万平方メートル。TDS開業以来、最大の広さでホテルも併設する。投資額2500億円。TDS開業時に投下した3350億円に次ぐ巨大投資になる。

「舞浜地区を、すべてのゲストが楽しむことができる、世界のどこにもないテーマパークに進化させる」

 加賀見会長が、高らかに宣言してスタートしたプロジェクトである。吉田新社長は「ファンタジースプリングス」の開業をテコに新たな成長を実現できるようにするのが「最大の使命」と述べている。加賀見会長は「ファンタジースプリングス」の開業を見届けるまでは辞めるつもりはなさそうだ。これが最高実力者の地位にとどまった理由だとみられている。

(文=編集部)