いきなり!ステーキ社内報が炎上「教育で経営改善&社員に温かい経営」の時代錯誤

いきなり!ステーキ社内報が炎上「教育で経営改善&社員に温かい経営」の時代錯誤の画像1
いきなり!ステーキの店舗(「Wikipedia」より)

いきなり!ステーキ」などを運営するペッパーフードサービスの“社内報”が、物議を醸している。1月に発行されたこの社内報は同社のHP上でも公開されているが、一瀬邦夫社長が社員に向けて綴った「社長から皆さんへ」という文章のなかには、次のように厳しい言葉が並んでいる。

「どうやらこのネガティヴ従業員によって大部分のクレームが起こっているようです。『店舗では作業するだけで給料をもらえると思うのは大間違いです。』」

「ネガティヴな人は、この社長の年初の言葉をきっかけとして『自己改革』してください」

「ポジティブの人の『お客様ファン作りの阻害要因のネガティヴ人間をなくす事です。』」

「お客様に不快な思いをさせたネガティヴな従業員をゆるすことは、到底できません」

(「クレームゼロ憲章」より)「再三にわたるクレームの当事者は、厳重な処分をします」

 ペッパーフードサービスはここ数年、苦境にあえいでいる。2020年12月期決算の売上高は、前期比53.5%減の310億8500万円で、純利益は39億5500万円の赤字と、3期連続の最終赤字。同年度第2四半期(1~6月)は債務超過だったが、第三者割当増資などを行ったことで20年12月期末時点では資産超過に転換している。

 経営再建のため、20年には主力事業の一つだった「ペッパーランチ事業」を売却し、114店閉鎖と200名の希望退職者を募集するなど積極的に手を打っているが、苦しい経営環境が続いている。

 そうした状況を打破するためか、一瀬社長が長文の熱いメッセージで社員に発破をかけているわけだが、Twitter上では次のように賛否の意見が飛び交う事態に発展している。

<これに関しては別におかしなこと言ってないと思うけど。接客サービスも給料分に含まれているという考えなんでしょ?それが嫌なら辞めればよいだけ>(原文ママ、以下同)

<これは当然のこと。これに反論していたりする人は基本仕事できない奴>

<バイトに対してではなく、正規職員に対してって話なら多少はわかる>

<ほんとに…経営者が従業員に甘えすぎだよ…。経営が苦しいところほどこういうこと言う>

<無理に店舗数増やしまくって従業員の質が悪いのは本人のせいっていうのは会社のトップとしてどうなんでしょう>

<顧客からクレームを貰う従業員をネガティブと決めつけるなら浅慮では。その理屈で言うと、今はファンを減らしてる社長が厳罰対象じゃん>

<社内報で上から言わないで、客を満足させられる能力を伸ばすトレーニングをするとかそっち方向でモチベートできないもんかね…>

<社内報に書くのではなく、ネガティブな人材を排除する組織と方策を考えて実行しないとダメでしょうね>

「温かくてダメな経営」

「ネガティヴな従業員をゆるすことは、到底できません」「クレームの当事者は、厳重な処分をします」といった文面が、社員に過度なプレッシャーを与え、パワハラにつながる恐れがあるのではないかという指摘も出ているが、経営コンサルサントで百年コンサルティング代表取締役の鈴木貴博氏は次のように解説する。

セブン-イレブンの伝説の元CEOの鈴木敏文氏が『チェーン店運営は教育事業だ』と語っているように、チェーン店の競争優位には社員力の向上が不可欠です。ペッパーフードサービスの一瀬社長の社内報を読む限り、この原則に沿って力を入れて社員教育に取り組んでいる様子が見られます。

 社内報には、問題となった社員へのメッセージとは別に、クレームの実態が統計的に分析されています。ステーキ肉のおいしさや焼き加減についてのクレームが減少傾向にあるなかで、サービスに対するクレームと、クレンリネス(清潔さ)に関するクレームが上昇していて、かつそれが一部の店舗で起きている。チェーン店全体の評判を上げていくために、その一部の店舗の従業員を教育しなければならないのが、いきなり!ステーキの重要課題であることは経営コンサルタントとしてもよく理解できます。