損保ジャパン、ビッグモーター不正を黙認・利用し契約増の利益享受か…問題体質が露呈

「通常、不祥事を起こした企業は、しばらくの間はHPの目立つところに謝罪やユーザーへの説明の文章、問い合わせ窓口の連絡先などを掲載するものだが、現在もビッグモーターHPのトップページ上には不祥事に関する記述は見当たらず、大きく『クルマを売るならビッグモーター』『6年連続買取台数日本一』『安心BIG車検は年間26万台の車検実績』などの宣伝文句が踊っている。さらに驚くのは、インフォメーションページをみると、今月5日に『特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ』をリリースして以降も続々と新規出店やチラシ公開を告知する宣伝リリースを出している点。昨年に問題が発覚して以降、経営陣が会見などを開いて釈明することもなく、ここまで徹底的に『完全スルー』戦術を取る例は珍しい」(全国紙記者)

 15日付「テレ朝news」の報道によれば、第三者委員会の調査を受けた社員の4人に1人が不正行為に関与していたといい、組織的な関与が疑われている。そんななか、前出「東洋経済」記事で報じられたとおり、損保ジャパンが問題を認識しつつ黙認することで、自社商品の契約増という利益を得ていた疑いも指摘され始めている。ディーラーと損保会社の関係とは、どのようなものなのか。前出・桑野氏はいう。

「自動車保険の契約数や自賠責保険の販売額などの面で、保険会社にとってお得意様となるディーラーや大手中古車販売会社との関係は、それなりに深いといえるでしょう。例えば、小さな町工場が不正行為を繰り返していると、保険会社のブラックリストに挙げられて契約解除になる、という話は多々聞かれますが、大手に対してはそこまでの制裁が与えられているかは知るよしもありません。

 しかし、今回のビッグモーターのような、保険修理に対する故意の悪質な不正が横行するというのは異常だと思います。ここまで常態化した事実が発覚すると、ビッグモーターという企業が不正な利益によって経営されてきたということになります。保険会社から騙し取ったお金で、社員の給与を支払っていたという見方にもなりますよね。一方で社員は、会社の利益追求に従い、上司から託されたマニュアルに沿って、間違った愛社精神で不正を行ってきたわけです。企業責任という面で非常に重い罪を犯していることになります。

 ASV(先進安全自動車)の技術進歩とともに交通事故が減っているなか、自動車販売店や整備工場にとって『おいしい事故対応の仕事』が減っているのも事実。見積金額を上手につくれば儲けが出る、なんていう昔の話を今でも続けようという浅ましさが、大企業を窮地に追い込んでしまったのかもしれません。流通や燃料のコスト面、物価や通貨のリスクと、利益率が下がる一方の自動車業界は、最近あまり良いニュースが聞かれなくなりました。そんななかでも社会的モラルだけは失うことなく、こうした不祥事にキチンと制裁を施す社会であってほしいと願うばかりです」

 また、ディーラー関係者はいう。

「地味な話なので普段は注目もされないが、実は損保会社と自動車ディーラーは切っても切れない関係にある。車を購入した人は、そのディーラーを窓口にして自賠責保険に入る。つまり、損保会社にとってディーラーは重要な販売チャネルの一つ。また、自動車の修理工場にとっては、損保会社とその代理店は保険契約者の事故車修理を仲介してくれる存在であり、その自動車修理事業も手掛けるビッグモーターと損保会社の関係は自ずと深くなる。もし仮に報道のとおり、不正発覚を受けて他の損保会社がビッグモーターへの事故車修理の紹介を停止しているなかで損保ジャパンだけが抜け駆け的に再開し、それによって自賠責保険の売上を伸ばしていたのだとすれば、保険業界トップクラスの企業として倫理的に明らかに問題といえる。今後、損保ジャパンの関与の有無が焦点となってくるだろうが、不正の責任の一端が損保ジャパンにもあるといわれても仕方ない」(同)