トヨタ、営業益5兆円=日本企業で初、HV好調―円安も追い風・24年3月期

 トヨタ自動車が8日発表した2024年3月期連結決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が96.4%増の5兆3529億円と、日本企業で初めて5兆円を超えた。北米や欧州を中心にハイブリッド車(HV)の販売が好調だったほか、年度を通じて為替レートが円安基調で推移したことも追い風となった。

 純利益は約2倍の4兆9449億円と、22年3月期の2兆8501億円を大きく上回って過去最高を更新。ソフトバンクグループが21年3月期に記録した日本企業の過去最高益4兆9879億円に迫った。売上高に当たる営業収益も21.4%増の45兆953億円と過去最高だった。

 佐藤恒治社長は記者会見で「これまで積み上げてきた事業基盤が実を結んだ」と、好業績となったことを総括。その上で、ダイハツ工業などグループ企業で相次いだ認証不正を踏まえて「不正に正面から取り組み、足場を固めることが最優先だ」と述べ、25年3月期は仕入れ先や販売店も含めた人材育成などの「人への投資」に3800億円を投じると明らかにした。

 ダイハツ、日野自動車を含むグループ全体の世界販売台数は5.0%増の1109万台。ダイハツによる認証不正や中国の販売競争激化などを背景に、年度当初の計画(1138万台)を下回った。

 同時に発表した25年3月期の連結業績予想は、営業利益が19.7%減の4兆3000億円、純利益が27.8%減の3兆5700億円、営業収益が2.0%増の46兆円と増収減益を見込んだ。 

 今期のグループ世界販売台数は1.3%減の1095万台を計画。想定為替レートは1ドル=145円(24年3月期は145円)、1ユーロ=160円(同157円)と予想した。

◇トヨタ自動車の連結決算
       2024年3月期    25年3月期予想
          (前期比)       (前期比)
営業収益    450,953      460,000
         ( 21.4)      (  2.0)
営業利益     53,529       43,000
         ( 96.4)      (▲19.7)
純利益      49,449       35,700
         ( 2.0倍)      (▲27.8)
(注)単位億円、億円未満切り捨て。カッコ内は増減率%または倍率、▲はマイナス。営業収益は売上高に相当
(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/05/08-16:53)