メイドは全員65歳以上…群馬県「冥土喫茶」に全国から客が来る理由

 筆者の周りでは定年退職や子どもの大学卒業を機に、生きがいを失ったという高齢者の話をよく聞く。健康寿命が延び続ける昨今、高齢者が働いたり、サービスを提供したりする場所が求められている。

福祉施設への出張も

 高齢者が働くメイド喫茶は全国でも珍しい。ビジネスとして興味があり、事業化してみたいという客が遠方から見学に来たこともあったという。若くない店員が接客するメイド喫茶は、確かに一定の需要がありそうだ。都内で数店舗ほどやっていけそうな気がしないでもない。

 だがキッズバレイは社会福祉の一環として進めていく予定だ。客単価600円、客数40人と仮定すると、月の収入はわずか2万4000円である。あくまでも収入源は協賛金と補助金などとしている。

「一度イベントで、飲食店に出張開店をしたことがあります。そして現在では、冥土喫茶が高齢者の居場所づくりを目的としている関係で、福祉施設から出張の依頼があります。インフルエンザが落ち着いた春頃に出張する予定です」(同)

 高齢者の居場所づくりのために今後も運営する方針だ。高齢者が高齢者のためにサービスを提供し、双方が加齢を楽しめる活動になっている。メイド喫茶という形式でなくても、同様の場は必要だ。ポジティブエイジングに貢献する活動の輪は広がっていくだろうか。

(文=山口伸/ライター)