サイゼリヤ「究極の後出しジャンケン」が優秀すぎる理由…カギはシステム導入前

 システムはより最先端の技術を取り入れたほうがよいと思われがちですが、ちょっと様子見しておいて、あえて遅れて導入・投資をするというのは、実はよくあることなんです。アップルのiPodも携帯音楽プレイヤー市場でみれば後発組です」

システム導入前に内部の仕組みを見直す

 小林氏によれば、サイゼリヤが優れているところは、デジタル化する前に内部の仕組みを見直しシンプルにしていることだという。

「モバイルオーダー導入の拡大を見据えて、メニューを整理してシンプルな仕組みにして、単純にすぐに機械化するのではなくて、まず企業の仕組みを見直しているという点は、多くの企業にとって非常に参考になります。仕組みを見直してからデジタル化を行っているところがサイゼリヤの優れたところだと思います。

 あえて後発でシステムを導入するメリットとしては、先発企業の失敗事例を十分に観察できるという点と、無駄な投資を抑えることでコストを抑えることができるという点が挙げられます。技術の普及に伴い導入コストがある程度コストが下がってきたところで採用できるというメリットです。

 また、モバイルオーダーに関していえば、飲食店で使用されているモバイルオーダーの方式は、すべてのプロセスをデジタル化している形態が一般的ですが、サイゼリヤの場合はメニューは紙のメニュー表で見て、オーダーはスマホからというかたちです。例えばファミリーレストランのジョナサンなども同様の方式ですが、サイゼリヤはメニューをシンプルにして、店舗全体のオペレーションをトータルに考えていろいろな準備をしています。ただ単にデジタル化するのではなく、仕組みを根本から変えているところが大きな特徴になります」

(文=Business Journal編集部、協力=小林敬明/TransRecog代表)