テスラ首位陥落、EV覇権は中国へ…BYD・シャオミが示した「量産×AI」の過酷な現実

 安全性への信頼が最重要となるロボタクシー市場で、「安価だが不安」という評価は致命的になる。

株価と販売台数の「デカップリング」が示す危うさ

 2025年、テスラ株は大きく様相を変えた。

 ・前半:160ドル台まで急落
  販売減少と廉価版「モデル2」中止報道が直撃。
 ・後半:実需なきリバウンド
  ロボタクシー期待のみで株価が反発。

 現在の株価(約450ドル前後)は、「2026年ロボタクシー成功」を100%織り込んだ水準ともいえる。

 ある金融アナリストは「これは成長株ではなく、“技術イベント株”の値動きだ。一度失望が出れば、下げも速い」と警鐘を鳴らす。

 テスラを巡る最大の変化は、ブランドの意味そのものだ。かつては「環境意識が高い、知的エリートの象徴」だったテスラが、いまや政治的シンボルになりつつある。

 ・欧州、カリフォルニアでの「テスラ離れ」
 ・トランプ政権との蜜月とEV補助金撤廃
 ・全米ショールームでの抗議デモ

「消費者が車を選ぶ理由に“政治的立場”が入り込んだ瞬間、市場は一気に狭くなる」(同)

 テスラが2025年に首位を失った理由は、単なる技術力不足ではない。

 ハード:中国勢にスペック・価格で完敗
 ソフト:不確実な未来(ロボタクシー)への過度な依存
 ブランド:マスク氏の言動による分断

「未来」という物語だけで株価と期待を支えるフェーズは、明らかに終わりを迎えつつある。2026年中にサイバーキャブの実用化という“誰の目にもわかる成果”を示せなければ、「EVの革命児」テスラは「中国勢に敗れた先駆者」となり得る。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)