国内外の複合リスク
セブンは北米事業でもガソリン販売の減少により減速しており、国内外で収益の柱が揺らいでいる。 国内では「できたてカウンター商品(店内調理)」への再投資で客足回復を急ぐが、人手不足の中での現場負担増というジレンマも抱えている。
コンビニ市場全体は飽和状態にあり、今後は「単なる物販店」から「社会インフラ」への進化が生存条件となる。
「店舗のメディア化」: ファミリーマートが先行するデジタルサイネージ(1万店超導入)は、広告収益という第二の収益源を確立した。 来店客を「視聴者」に変えるこのモデルは、小売業の定義を塗り替えつつある。
防災・支援拠点としての役割: ローソンが提唱する「災害支援コンビニ」は、太陽光発電やEVによる物資輸送網を備え、地域インフラとしての価値を高めている。 これは単なるCSRではなく、行政や他業種との連携を強める「攻め」の戦略だ。
業態の境界消滅: 生鮮食品を強化したミニスーパー業態(Lミニマート等)の台頭により、コンビニはドラッグストアや食品スーパーから客を奪い返すフェーズに入っている。
今回の決算データが突きつけたのは、「客単価に頼った成長は長続きしない」という冷徹な事実だ。セブンとファミマが客数減を客単価で補う中、唯一客数を伸ばし、加盟店利益を最大化させているローソンのモデルは、他業界のビジネスパーソンにとっても極めて示唆に富んでいる。
ローソンの次の一手:通信データ×AI発注をさらに深化させ、セブンの牙城である「日販トップ」を奪取できるか。
セブンの反転条件:プライドを捨てた価格戦略の徹底と、加盟店との信頼関係の再構築。
2026年度、セブンが王者のプライドをかけて巻き返すのか、それともローソンがその差をさらに詰め、「3強」の定義を書き換えるのか。コンビニの棚の数センチの攻防に、日本経済の縮図が詰まっている。
「客数増はブランドへの信頼票であり、客単価増は商品力の反映です。今のローソンはその両輪が回っている。セブンが再び輝きを取り戻すには、商品開発の精度以上に、加盟店という『パートナー』との利益配分の見直しが必要になるでしょう」(高野氏)
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=高野輝/戦略コンサルタント)