「暑い夏は服が売れない」は間違い?トレファク営業益21.5%増が示すリユース業の強み

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トレファクの店舗(「Wikipedia」より)

●この記事のポイント
トレジャー・ファクトリーの2026年3〜8月期は、売上高が15.3%増、営業利益が21.5%増、純利益が21.0%増でした。衣料(14.5%増)と家電(12.5%増)の販売に加え、店頭の持込買取(11.1%増)など仕入れの伸びが寄与しています。記事では、セカンドリテイリング(旧ゲオHD)とブックオフGHDの直近決算とも比べながら、猛暑と物価高がリユース市場と衣料消費に与えた影響を読み解きます。

 猛暑は衣料品店にとって逆風――。小売の現場では長くそう言われてきた。客足が鈍り、秋物の立ち上がりが遅れ、売れ残った夏物は値引きで処分する。ところが2026年の夏、リユース(中古品)大手の決算には、その常識とは違う数字が並んだ。

 トレジャー・ファクトリー(以下、トレファク)が10月14日に発表した2027年2月期中間決算(2026年3〜8月)は、売上高258億9100万円(前年同期比15.3%増)、営業利益23億3000万円(同21.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益14億9700万円(同21.0%増)。6〜8月の第2四半期単独の営業利益4億7500万円は、第2四半期として過去最高だった。単体の既存店売上高は、2021年9月から60カ月連続で前年同月を上回っている。

 新品はどうだったか。日本百貨店協会によると、8月の全国百貨店売上高は2.6%増だったが、衣料品は0.8%増にとどまった。紳士服・洋品は0.8%減、婦人服・洋品は0.1%減。7月は接触冷感やUVカットといった機能性商品が好調だった一方、8月は「地域ごとの天候差」で盛夏商材の動きにばらつきが出たという。新品が負けたわけではない。ただ、伸び率の桁が違う。

 この差はどこから来るのか。リユース大手3社の開示資料を読み比べると、「暑かったから」だけでは説明しきれない構造が見えてくる。

●目次

衣料と家電、二つの夏需要を同じ店で受ける

 トレファクの中間期のカテゴリー別販売高を見ると、衣料は前年同期比14.5%増で、販売高全体の47.4%を占める。会社は増加の背景に「気温上昇に伴う夏物衣料需要の高まり」を挙げる。電化製品も12.5%増。3〜4月の新生活需要に加え、エアコンや扇風機など夏物家電の販売が伸びた。

 衣料専門店では、暑さの恩恵を受けるのは衣料売り場だけだ。総合リユース店は、同じ気温上昇を衣料と家電の二つの売り場で受け止められる。電化製品の構成比は9.6%と衣料ほど大きくはない。それでも、天候による振れを複数の売り場で分け合う形にはなっている。

 店頭での「ついで買い」がどれほど起きているか、同社は数値を開示していない。ただ、家電を見に来た客が衣料売り場をのぞく、衣料を売りに来た客が買取金で生活用品を買う、といった回遊は、総合型という業態がもともと狙っているものだ。決算説明資料でも、8月は「店舗回遊施策が奏功」したと説明している。

「総合型の強みは、天候や流行でひとつのカテゴリーが崩れても、ほかで補えることにあります。今年は衣料と家電がたまたま同じ向きに振れました。それがそのまま数字に出たとみています」(流通コンサルタント・永田由紀氏)

 もっとも、増益の理由は天候だけではない。連結売上総利益率は60.2%と0.2ポイント改善し、単体既存店に限れば65.9%と1.0ポイント上昇した。会社は、前期第3四半期に買取クーポンの運用を見直し、値入れが改善したと説明する。暑さが売上を押し上げ、粗利の改善が利益を押し上げた。この二つは分けて見たほうがいい。