リユース業は、売る商品がなければ始まらない。新品小売のように発注すれば届くわけではなく、売り手から買い取った量がそのまま売上の天井になる。
トレファクの中間期の商品仕入高は14.6%増。チャネル別(単体)では、店頭への持込買取が11.1%増、宅配買取が22.2%増、出張買取が20.5%増だった。ブックオフグループホールディングス(GHD)も、国内ブックオフ事業の既存店仕入高が第1四半期(2026年6〜8月)に前年同期比122.8%に達した。アパレルの仕入高も114.5%と、販売(104.7%)を上回るペースで伸びている。
ブックオフの数字は、もう一歩踏み込んで読める。既存店の仕入客数は102.3%で、仕入高(122.8%)ほどは伸びていない。売りに来る人が大きく増えたというより、一人あたりの持ち込み量か買取単価が上がった計算になる。
各社がその背景として共通して挙げるのが、物価上昇に伴う生活防衛意識だ。不要品を現金に換えたい人が増えれば、買取の母数そのものが広がる。
ここでフリマアプリとの関係にも触れておきたい。フリマアプリは自分で値段を決められるぶん、高く売れる可能性がある。そのかわり、撮影、出品、購入者とのやり取り、梱包、発送までを自分でこなし、販売手数料と送料も負担する。数百円から千円台で取引される夏物のTシャツのような商品だと、手間に見合う分が手元に残りにくい。
「単価の高いものはフリマアプリ、細かいものや急ぎのものは店頭へ。売り手の使い分けは年々はっきりしてきています。店頭ならその日のうちに現金になるし、数が多くてもまとめて持ち込めるので、値段の差より手間を重く見る人は少なくありません」(同)
ただし、各社の開示から「フリマアプリの利用者が店頭に移った」とまでは言えない。店頭の買取が伸びていることと、それがどこから流れてきたのかは別の問題だ。両者は競合しながらも、中古品を手放す人の裾野を一緒に広げている。そう見るほうが実態に近いだろう。
決算期が異なるため単純比較はできない。それでも直近の四半期を並べると、3社が伸びている理由はそれぞれ違う。
・トレジャー・ファクトリー(対象期間:2026年3〜8月)
連結売上高 258.9億円(+15.3%)
連結営業利益 23.3億円(+21.5%)
伸びを引っ張った分野 衣料+14.5%、服飾雑貨+18.5%、家電+12.5%
・セカンドリテイリング(旧ゲオホールディングス 2026年4〜6月)
連結売上高 1250.0億円(+19.7%)
連結営業利益 53.0億円(+32.8%)
伸びを引っ張った分野 セカンドストリート事業(衣料・服飾雑貨・家具・家電等)+23.6%
・ブックオフGHD(2026年6〜8月)
連結売上高 326.2億円(+10.5%)
連結営業利益 8.7億円(+80.6%)
伸びを引っ張った分野 既存店でトレカ・ホビー+15.2%、家電・携帯+17.0%、アパレル+4.7%
出典:各社の決算短信・決算説明資料。ブックオフの分野別は国内ブックオフ事業の直営既存店。
セカンドリテイリングは、創業40年の節目となる2026年10月にゲオホールディングスから商号を変えた。国内の「2nd STREET」は6月末時点で949店(FC含む)。衣料と服飾雑貨を軸にした専門型の店舗網を国内外で広げ、規模と出店の速さで流通量を押さえる戦略だ。
同社は第1四半期について、リユース衣料・服飾雑貨が国内外とも堅調だったと説明している。ゲームやスマートフォンなどのリユース売上も16.8%増えた一方、新品の売上高は3.4%減だった。社名に「セカンド」を掲げたことも含め、グループの重心が中古に移っていることが数字からも読み取れる。