藤原アッソーン

藤原アッソーン

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歴史・時代 連載中 長編 R15
天正二年、長島。 雨が止んだ。それは、織田の鉄砲が再び「火」を噴く合図だった。 周囲を囲むのは、美しくさえある鉄と逆茂木の檻。逃げ場はない。 ​泥濘が兵の足を呪いのように掴み、死臭が混じった風が水路を撫でる。 坊官は、その絶望を冷徹な数字に置き換えていた。 残存兵力、食糧、矢じりの数。そして、これから失われる命の「割合」。 ​「私は、勝つと思っていない」 ​ふなは血に染まった水路を漕ぎ、重蔵は熱を失った炉で矢を打ち、かわは絶望に狂いゆく民を観察する。 英雄もいなければ、救済もない。あるのは、巨大な暴力に摩耗されていく肉の音だけだ。 ​歴史が「根切り」と呼んだ、凄惨な消耗戦の記録。 その最深部で、坊官はひとり筆を執る。 包囲網を、呪わしき理で解体するために。
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文字数 16,700 最終更新日 2026.05.21 登録日 2026.05.12
ファンタジー 連載中 長編
「死体は腐る。コストだ。――生かして返品(帰還)させろ」 ​物流・倉庫管理・建材のプロとして30年。 現場一筋で「最適化」を叩き込んできた男・広橋は、深夜残業中に異世界へ放り出された。 配属先は、3000年前に放置されシステムが暴走した超古代の備蓄基地――通称、魔王城。 規格も単位も動線も崩壊した、物流の地獄だ。 ​そこへ左遷され、壊れかけた騎士団の前に、六本脚の重機『UC-300』と共に広橋が現れる。 ​「……密度過多、動線詰まり。溜め込みすぎだ。これじゃ現場が回らねえ」 ​押し寄せる魔物の群れを前に、広橋は不機嫌に指を突き出す。 ​「在庫流動化……ヨシ!」 ​その一言で、カオスだった戦場は“整列されたコンベア”へと変わる。 魔法は配線不備、誇りは納品不備。 広橋は現場の論理で、異世界を強引に「標準化」していく。 ​「騎士団長、そのマントはクレーンに巻き込まれる。脱げ」 「これは王家の誇り――!」 「現場じゃ誇りで命(納期)は守れねえ。……全員生かして出す。やり方は俺が決める」 ​納得も理解もいらない。 この男の「ヨシ!」に従わなければ、死ぬ。 圧倒的な効率と正論の前で、騎士団は“組織(現場)”へと再編されていく。 ​これは、魔王でも勇者でもない「不機嫌な現場監督」が、 物流で世界を最適化し、滞留在庫(魔物)を片付け、ついでに既得権益というボトルネックを粉砕していく物語である。 ​「……荷崩れナシ。出荷、ヨシ!」
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文字数 24,586 最終更新日 2026.05.20 登録日 2026.05.05
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