不幸中の幸い

不幸中の幸い

ホラー好きをこじらせて小説書き始めました。 恐怖譚が脳の餌です。 全くのド素人ゆえ、未熟の極みですが、 大目に見てください。
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ホラー 連載中 短編 R18
本作は『弐声の狂―○○さん、いますか?』、特に“転:狂声”と密接に繋がるアナザーストーリーです。 先に前作を読むことで、登場人物と事件の正体、そして“声”の由来がより鮮明になります。 ≪先に読むべき章:弐声の狂ー○○さん、いますか?≪転ー狂声≫ https://www.alphapolis.co.jp/novel/743610183/701958628/episode/9644058 ≪弐声の狂ー○○さん、いますか?初めから読む場合≫ https://www.alphapolis.co.jp/novel/743610183/701958628/episode/9620321 ――茅野ちさとは、ある日ふと“自分の存在”がこの世界から切り取られていることに気付く。 名前を呼ぶ者はいない。視線が交わることもない。卒業アルバムからも、家族写真からも、その姿だけが白く抜け落ちていた。 「……あなた、誰?」 母の声が、最後の砦を粉々に砕いた瞬間から、日常は音もなく反転していく。 そんな中、ちさとのもとに黒電話から奇妙な声が届く。 『返して。名前も、声も。あなたは“わたし”じゃない』 それは彼女自身に酷似した、しかし確かに“もうひとり”のちさとの声だった。 誰が本物で、誰が偽物なのか。 “わたし”は何者だったのか。 失われた記憶の断片を追い、新宿の路地裏、剥がれかけた看板、そして悪意を孕んだ乳首の黒に導かれ、ちさとは深淵へと落ちていく。 声は彼女の内側――子宮の奥深くにまで侵入し、肉体と精神を塗り替えていく。 そして、七度の“消失”が始まった。 一度消えるごとに、彼女は“わたし”から遠ざかり、別の何かへと変貌していく。 最後に残るのは、声か、名か、肉体か―― あるいは、すべてが漆黒に溶けて消えるのか。 『七消の狂』は、存在と同一性、悪意の感染を描く閉鎖空間心理劇であると同時に、 前作『弐声の狂―転:狂声』で提示された“もうひとつの声”の裏面史でもある。 声を辿る者だけが、この狂気の構造に触れられるだろう。 ********************************************* この物語には、性的倒錯、精神崩壊、人体改造、スプラッター等を含む描写があります。 表現上の衝撃性が強いため、苦手な方の閲覧はお控えください。 なお、本作は特定の性的嗜好や暴力行為を推奨・助長するものではありません。 *********************************************
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文字数 552 最終更新日 2025.08.13 登録日 2025.08.13
ホラー 完結 ショートショート
週に一度、金曜の夕方。僕のもとに届けられる謎めいたクール便。それは、真夏の部屋にしんしんと冷気をまとわせる“幸福の儀式”だった。 中には、真空パックされた“彼女”のパーツたち。指、唇、耳、そして──。 箱を開ける手のひらに伝わる冷たさ、開封のたびに満たされる期待と高揚。 届いた部位はすべて台帳に記録し、冷蔵庫の棚へと分類・保存していく。ラベルとポストイット、マスキングテープで仕分けられた“彼女”の断片。そのどれもが、確かに彼女の面影を宿している気がした。 やがて僕は、失われた“彼女”をもう一度この手で組み立てようと決意する。しかし、送られてくるパーツの中には、時折“本物”ではない異物も混じっていた。 その時は、小瓶に詰めた薬剤で静かに溶かす。 真空パックの肉が泡立ち、白い煙とともに消えていく音。僕は本物だけを集め、“彼女”を再構築するためにパーツの到着を待ち続けた。
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文字数 3,640 最終更新日 2025.08.11 登録日 2025.08.11
📘【あらすじ】 南秋大学の女子寮で見つかったひとつの遺体。 それがすべての始まりだった。 “赤い紐”で絞められた挙句惨殺された女性。 彼女の亡骸はなぜか笑っていた。 だが、それは誰かに“選ばれた”証だった。 紅い紐。死の連鎖。そして記録。 絡み合う死と記憶の中で、彼女たちは逃げ真相を追う── 「これは、誰が望んだ連鎖なのか」 紅い死の連鎖が始まる。 最後に生き残るのは、“あなた”か“私”か。 ⚠️【ご注意】 本作品には、自死・絞殺・スプラッター要素に加え、一部に性的描写・倒錯的演出を含むシーンが存在します。 精神的ショックを受けやすい方や、性的表現に不快感を覚える方は、閲覧をお控えください。
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文字数 102,231 最終更新日 2025.08.10 登録日 2025.07.06
「あなたが殺したんじゃない。“そう信じた”のよ——最初に。」 記憶、証拠、観測、感情、嘘。そして、真実。 ひとりの少女の死をめぐって、男と女は“過去”を語り合う。 だが、それは裁判ではなく、“物語の編集会議”だった。 観測者の視線は、いつのまにか演者のそれへと変質し、 記憶を信じる者は、他者の記憶に“殺されて”いく。 ——観測とは、罪である。 “見ること”がすべてを裁くと信じていた彼女に、 “見られる側の地獄”が始まる。 【死配人シリーズ:護信の狂 - 錯視された真実】 ——これは、“事実”が殺されていく物語。
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文字数 32,102 最終更新日 2025.07.02 登録日 2025.06.16
ホラー 完結 ショートショート
名札を落とした男、名を問う女、そして“探しもの”を始めたはずの「僕」。 ──だがそのすべてが、誰かの“代わり”だったとしたら? 出張先で終点駅まで乗り過ごした「僕」は、見知らぬ町の公園で“名札を探す男”と出会う。 名の読めないそれは、誰のものかもわからない。けれど男は言う──「ここ、よく落ちてるんです」。 やがて女が現れ、僕も名札を拾い、“誰か”を思い出し始める。 だが会話はすれ違い、名前は曖昧に、過去と現在は歪んでいく。 そして気づけば、“探されていたのは自分”なのかもしれないという違和感が全身を包む。 記憶と名を失った人間たちが集うその公園は、現実か死後か、それすら定かでない。 やがて終幕、名札を拾い上げる者が現れる── 胸に輝く銀の名札には「死人管理局」の文字。 命と記憶を失った者が“自分”を探す物語。 でも、名を返されたとき、あなたは本当に「あなた」でいられるだろうか?
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文字数 4,929 最終更新日 2025.06.10 登録日 2025.06.02
そのマンションでは、やたらと“親切な人”ばかりが暮らしていた。 引っ越してきた川島光莉は、毎日のように“おすそ分け”を受け取る。 手料理、果物、煮物、スープ……誰もが笑顔で「気にしないで」と差し出す。 最初はありがたいと思っていた。だがある日、光莉はある疑念を抱く。 「……私、何か“代わりに渡すもの”を求められてる?」 冷蔵庫の奥に、誰も入れていないはずの何かがある。 鍋の底に沈む、歯。 笑い声が静かな夜に響き、訪問者は絶えず―― そして彼女は気づく。 “親切”とは、引き返せない儀式の第一段階だったことに。 笑顔の住人たちが揃うとき、「渡す側」の顔が完成する。 これは、“親切”という名の制度に取り込まれた女の記録である。 共助プロトコル_0→Terminationまで、全6章構成の儀式的ホラー。 ※若干のグロテスク描写・猟奇的展開あり 苦手な方は閲覧をお控えください。
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文字数 24,859 最終更新日 2025.05.30 登録日 2025.05.19
存在を忘れられる恐怖。 名前を呼ばれない絶望。 そして――“わたし”を壊して、“わたし”になれ。 『弐声の狂―○○さん、いますか?』は、“名前”に宿る人間性と、“記憶”という存在証明が 音もなく剥がれていく様を描いた、終わりなき社会的ホラーの到達点。
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文字数 23,400 最終更新日 2025.05.10 登録日 2025.05.01
ホラー 完結 ショートショート
繁華街の片隅、地図にない映画館で行われる“四部制”の謎の上映会。 招待状は、たった一枚―― そこに集められるのは、選ばれた“観客”たち。 彼らに共通するのは、映画好き?偶然の通りすがり? それとも……? スクリーンが開くたび、誰かが消える。 静寂の中で始まるのは、映画ではない。 それは、“死者たち”による供養の宴《ししゃかい》。 案内人が、今夜も囁く。 「第四部、これで“ししゃかい”が完成します――」
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文字数 2,535 最終更新日 2025.04.02 登録日 2025.04.02
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