「家族」というチームのつくり方

共感してるようでバカにしてる? 共感夫に妻がキレる正しすぎるワケ(後編)

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意見を言い合える家庭にする方法

ここで夫婦間の問題に立ち戻りますが、これって夫婦にも当てはまると思いませんか?
ごはんを作ってもらって「今日のお味噌汁もおいしいね」とか「このジャガイモが特においしいよ」とか、掃除をしてもらったら「すごく気持ちいいよ、ありがとう」とか、子供の送り迎えをしたら「ありがとう、助かったよ」とか、そういったポジティブなフィードバックをお互いにし合う。
すべての行動に、ポジティブなフィードバックを返せているという、フィードバック濃度の高い家庭になっていなければ、ギャップフィードバックはするべきではない。

もちろん、家庭内でフィードバック濃度の高い状況をつくれることは普通ではありません。もしつくれているのなら心から尊敬します。
私の家庭でもポジティブフィードバック濃度が高かったなら、私が妻の叱り方に対して何か言ったときにも、妻の反応は違っていたはずです。

いまからでもすぐに、家庭内のフィードバック濃度を上げなければいけません。かつては「夫は黙って妻の話を聞いていればいい」と言われていましたが、そうした時代は終わったのです。
黙って聞くのではなく、もちろんエセ共感で聞き流すのではなく、しっかりと、はっきりと、ポジティブフィードバックをこまめに、丁寧に、誠実に、積み重ねて、フィードバック濃度を高めることが必要なのです。

今日、あなたは自分の奥さんに、何回ポジティブフィードバックをしましたか?
もしあまりしていない自覚があるのなら、いまからで構いませんから、すべての奥さんのアクションに、ポジティブフィードバックをしてみませんか。それだけで、奥さんもポジティブフィードバックを返してくれるようになるかもしれません。
とくに「いつも否定してくる」と言われたことのある人、ぜひ一緒にチャレンジしましょう。

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
2020年よりYouTubeチャンネル『タカ社長のチームD大学』を開設。2023年6月現在、チャンネル登録者約3万5000人、総再生回数380万回。
2021年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「上司1年目は“仕組み”を使え!」をスタート。改題・改稿を経て、このたび出版化。
著書に『その仕事、部下に任せなさい。』(アルファポリス)がある。

著書

チームづくりの教科書

高野俊一 /
成績が振るわない。メンバーが互いに無関心で、いっさい協力し合わない。仕事を...

その仕事、部下に任せなさい。

高野俊一 /
通算100万PVオーバーを記録した、アルファポリス・ビジネスのビジネスWeb連載の...
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