いよいよ開幕した交流戦――
ここから浮上のきっかけを掴み取る！

リーグ２制覇達成から、２年連続５位に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。怪我人は絶えず、投打ともに大不調にあえぎ、指揮官髙津監督も大いに苦しむこととなった。今シーズン「捲土重来」というスローガンを掲げた髙津監督は、どんなビジョンでチーム再建を図るのか。本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、復活にかける髙津監督のマネジメント術をお届けしていく。

（インタビュアー：長谷川晶一）

――現在、交流戦の真っ只中です。埼玉西武ライオンズ、福岡ソフトバンクホークス、そして北海道日本ハムファイターズとの戦いを終え、ちょうど折り返し地点にさしかかっています。ここまでの手応えを教えてください。

髙津　普段、オープン戦でしか戦わないパ・リーグのチームと、公式戦で真剣勝負ができるというのは非常に楽しいですね。やっぱりセ・リーグにいないタイプのピッチャー、バッターがたくさんいますし。個人的にはパ・リーグ６球団の監督さんと、ひと言ふた言でも会話をするのがすごく楽しみですね。ファンのみなさんも、いろんな目線で交流戦を楽しんでいただけていると思います。

――今後控えているオリックス・バファローズ戦では、かつてスワローズに在籍していた廣岡大志選手が絶好調です。あるいは、東北楽天ゴールデンイーグルスでは小森航大郎選手も躍動しています。

髙津　彼の活躍はすごく嬉しいですよ。僕は、二軍監督時代にくすぶっているときというか、苦労しているときからずっと知っているので。いろいろ思い出しますよ。トレードが決まったときの寂しさとか、移籍先でもなかなか活躍できなかったもどかしさとか。今は３球団目にはなりますけど、こうやってレギュラーを奪ってすごい成績を残しているというのは、本当に心から嬉しいなと思います。

――かつて、ともに同じユニフォームを着た仲間たちとの再会もまた交流戦の楽しみの一つですね。

髙津　楽天では小森も新しい環境で頑張っているし、ロッテには坂本光士郎もいますし、それぞれが、それぞれに努力して頑張っている姿を見るのは、やっぱり嬉しいものですよ。逆に、他球団からスワローズに移籍してきた選手たちにとっても、古巣との試合には期する思いもあるでしょうしね。

――例えば、今年スワローズに移籍してきた茂木栄五郎選手は、来週、古巣イーグルスとの対戦が控えているし、西川遥輝選手はファイターズ、そしてイーグルスにも在籍していましたからね。

髙津　「古巣に恩返しをしたい」という思いもあるでしょうし、「いいところを見せたい」という気持ちもあるはずなので、普段よりもさらに熱い思いで臨んでほしいと思います。