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異世界スパルタ義務教育化計画
女神「ドッジボール(公式検定球)送ったわ〜」 →精霊使い「【隣人を贄(にえ)とし魂を奪い合う殺戮の儀】が幕を開けた……!」
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「ねーねーミオちゃん。あんたの担当してる世界、ちょっと元気なくない?」
わたしは天界のモニター(マルチウィンドウ)で、ミオちゃんの担当世界を覗き見していた。 そこは、霧深い森の中に住む『精霊使い』たちの里。 みんなボソボソ喋って、うつむいて歩いてる。まさに陰キャのパラダイス。
「ひぃっ……! す、すみません……! 私に似て、みんな内向的で……」 「争いを好まない、平和な種族なんですぅ……」
ミオちゃんが縮こまる。
「平和なのはいいけどさ~、パッションが足りないのよ、パッションが!」 「若いんだから、もっとこう、汗かいてぶつかり合わないと!」
「青春ってのはね、痛みを知って輝くものなの!(ドヤッ)」
わたしはカタログをめくり、とあるページを指差した。
「てなわけで、今日はセンパイが特別に、あんたの世界に『熱い風』を吹かせてあげる!」 「クラス全員で盛り上がれる、最強のスポーツ用品をプレゼント!」
そこでこれ!
【日本ドッジボール協会公認・公式試合球(3号・青×黄)】
当たっても痛くないよう適度な弾力がありつつ、投げやすさを追求したプロ仕様のボール。 ルールは単純。「当たったらアウト(外野へ)」「捕ったらセーフ(&味方復活)」。
「これマジで盛り上がるから!」 「『ボールは友達』って言うし? キャッチボールで友情深めなよ!」
「えっ……あ、ありがとうございます……!」 「(ボール……? 丸い……怖くない……かも?)」
友情の球体、ミオちゃんの世界へ転送ポチー!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
──霧の谷・精霊使いの里「沈黙の広場」──
「……今日も霧が深いですね」 「ええ……静かですね……」
精霊使いたちは、今日も今日とて小声で挨拶を交わしていた。 大きな音を出せば精霊が驚く。走れば花を踏む。 彼らは極端なまでの事なかれ主義で、数百年もの間、刺激のない日々を送っていた。
その時。 広場の中心に、空から『鮮やかな青と黄色の球体』が落下した。
ボヨヨンッ!
「ひぃっ!?」 「な、なんだ!? 派手な色が落ちてきたぞ!」
住人たちがざわめく。 長老が進み出て、その球体を拾い上げた。
「……柔らかい。だが、弾力がある」 「そして、箱に記されたこの『掟(ルールブック)』……」
長老は付属の説明書(自動翻訳済み)を読み上げ、顔面蒼白になった。
「な、なんという……残酷な儀式だ……!」
「長老? 何が書かれているのですか?」
「聞け、皆の者。これは神が我らに与えた『生存競争の試練』だ」
長老は震える声で解読する。
【ルール1:ボールに当たった者は『死(アウト)』となり、現世から追放され『黄泉の国(外野)』へ送られる】
「ひぃぃぃっ!?」 「当たったら即死!? 触れただけであの世行きですか!?」
【ルール2:ただし、味方がボールを奪い取れば(キャッチ)、死者は『蘇生(復活)』し、現世へ戻ることができる】
「そ、蘇生……!?」
「つまり……『仲間の命を救いたければ、殺人球を素手で掴め』と言うのか!?」
「なんという悪魔の遊戯……!」 「他人の命を天秤にかけ、魂の等価交換を行わせるとは!」
【ルール3:最後の1人になるまで、相手チームを殲滅せよ】
「殺し合いだ……! 我々に、隣人を殺せと仰っているのだ!」
里に戦慄が走る。 だが、神の命令は絶対。彼らは震えながら二つのチームに分かれた。
「や、やりたくない……」 「でも……やらなきゃ村が滅ぼされる……!」
「いくぞ……。恨まないでくれよ、隣人(とも)よ……!」
一人の青年が、涙を流しながらボールを構えた。 精霊魔法で強化された腕。 彼らの「事なかれ主義」が、「生き残るための狂気」へと反転する。
「うおおおおお! 死ねぇぇぇぇ!!(訳:当たってください)」
ヒュゴォォォォォッ!!
風の精霊を纏ったボールが、音速を超えて放たれる。
「ああっ!? よ、避け──ぐべぁっ!!」
ドゴォォォォン!!
直撃を受けた村人が、ボールの威力で数メートル吹き飛び、地面にめり込んだ。
「ギ、ギリアムゥゥゥ!!」 「死んだ! ギリアムが『黄泉(外野)』へ送られたぞ!」
「次は俺の番だ! 仇討ちだぁぁぁ!」
敵チームがボールを拾う。 土の精霊で重量を増し、岩石の如き質量兵器と化したボールを投げ返す。
ズドォォォォン!!
「避けるな! 避けたら後ろの家族に当たるぞ!」 「俺が盾になる! ぐわぁぁぁぁ!!」
「父さぁぁぁん!!」
阿鼻叫喚の地獄絵図。 アウトになった者(ただの打撲)は、よろよろと外野ラインへ移動する。 その姿はまさに、三途の川を渡る亡者の列。
「くそっ……! まだだ! まだ終わらん!」
生き残った若者が叫ぶ。 飛来する殺人ボールに対し、彼は避けることを拒否した。
「俺が……俺がこれを掴めば、父さんは生き返るんだな!?」
「やめろロラン! 腕が千切れるぞ!」
「うおおおお! 魂の捕獲(キャッチ)!!」
バシィィィィン!!
掌から煙が上がる。 骨が軋む音。 だが、若者はボールを胸に抱きしめ、耐え抜いた。
「と、捕った……! 因果をねじ伏せたぞ!」
「おおお! 奇跡だ!」 「父さんが! 父さんが外野から帰ってくる!」
「生き返ったぁぁぁ! 地獄から生還したぞぉぉぉ!」
抱き合う親子。涙する観衆。 しかし、ボールは無慈悲に次の生贄を求めている。
「感動している暇はない! 殺せ! 殺さねば殺される!」
「次はあいつだ! 顔面を狙え!」(※顔面セーフというルールは無視された)
かつて静寂に包まれていた霧の谷は、今や「殺せ!」「蘇生しろ!」の怒号と、ボールが肉を打つ鈍い音が響き渡る、修羅のコロシアムと化していた。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「……あわ、あわわわ……」
ミオちゃんは泡を吹いて倒れかけていた。 タブレットを持つ手がガクガクと震えている。
「セ、センパイ……。私、見ちゃいました……」
「ロラン君のお父さんが……ボール食らって、壁ごと吹き飛んでいくのを……」
「あれ……スポーツですよね……? 戦争じゃなくて……?」
わたしはポテチをボリボリ食べながら、画面を指差した。
「何言ってんの! 見てよあの熱量!」
「今まであんな大声出したことあった? ないでしょ?」
「『死ねぇぇ!』とか叫んでるけど、あれは気合いの現れだから!」
「キャッチした時のあの一体感! あれぞチームワークよ!」
「は、はぁ……。そ、そうなんですか……?」
「(吹き飛んだ人、ピクリとも動いてないけど……外野の人たち、血だらけで這いつくばってるけど……)」
ミオちゃんは涙目でメモを取った。
【ドッジボール:魂を賭けた蘇生儀式。精霊使いたちをバーサーカーに変える禁断の遊戯】
「よしっ! ミオちゃんの世界も活気づいたし!」
「この調子でガンガン教育していくわよ~!」
「次は……もっと頭脳戦がいいかな?」
「数字を使って、冷徹に相手を追い詰める知的なゲーム……」
「そう、次は『トランプ(大富豪)』しかないわね!」
「階級社会の厳しさ、カードゲームで教えてやるから覚悟しなさいよーーっ!?」
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「えっ……あ、ありがとうございます……!」 「(ボール……? 丸い……怖くない……かも?)」
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──霧の谷・精霊使いの里「沈黙の広場」──
「……今日も霧が深いですね」 「ええ……静かですね……」
精霊使いたちは、今日も今日とて小声で挨拶を交わしていた。 大きな音を出せば精霊が驚く。走れば花を踏む。 彼らは極端なまでの事なかれ主義で、数百年もの間、刺激のない日々を送っていた。
その時。 広場の中心に、空から『鮮やかな青と黄色の球体』が落下した。
ボヨヨンッ!
「ひぃっ!?」 「な、なんだ!? 派手な色が落ちてきたぞ!」
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「……柔らかい。だが、弾力がある」 「そして、箱に記されたこの『掟(ルールブック)』……」
長老は付属の説明書(自動翻訳済み)を読み上げ、顔面蒼白になった。
「な、なんという……残酷な儀式だ……!」
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「聞け、皆の者。これは神が我らに与えた『生存競争の試練』だ」
長老は震える声で解読する。
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「ひぃぃぃっ!?」 「当たったら即死!? 触れただけであの世行きですか!?」
【ルール2:ただし、味方がボールを奪い取れば(キャッチ)、死者は『蘇生(復活)』し、現世へ戻ることができる】
「そ、蘇生……!?」
「つまり……『仲間の命を救いたければ、殺人球を素手で掴め』と言うのか!?」
「なんという悪魔の遊戯……!」 「他人の命を天秤にかけ、魂の等価交換を行わせるとは!」
【ルール3:最後の1人になるまで、相手チームを殲滅せよ】
「殺し合いだ……! 我々に、隣人を殺せと仰っているのだ!」
里に戦慄が走る。 だが、神の命令は絶対。彼らは震えながら二つのチームに分かれた。
「や、やりたくない……」 「でも……やらなきゃ村が滅ぼされる……!」
「いくぞ……。恨まないでくれよ、隣人(とも)よ……!」
一人の青年が、涙を流しながらボールを構えた。 精霊魔法で強化された腕。 彼らの「事なかれ主義」が、「生き残るための狂気」へと反転する。
「うおおおおお! 死ねぇぇぇぇ!!(訳:当たってください)」
ヒュゴォォォォォッ!!
風の精霊を纏ったボールが、音速を超えて放たれる。
「ああっ!? よ、避け──ぐべぁっ!!」
ドゴォォォォン!!
直撃を受けた村人が、ボールの威力で数メートル吹き飛び、地面にめり込んだ。
「ギ、ギリアムゥゥゥ!!」 「死んだ! ギリアムが『黄泉(外野)』へ送られたぞ!」
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敵チームがボールを拾う。 土の精霊で重量を増し、岩石の如き質量兵器と化したボールを投げ返す。
ズドォォォォン!!
「避けるな! 避けたら後ろの家族に当たるぞ!」 「俺が盾になる! ぐわぁぁぁぁ!!」
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「くそっ……! まだだ! まだ終わらん!」
生き残った若者が叫ぶ。 飛来する殺人ボールに対し、彼は避けることを拒否した。
「俺が……俺がこれを掴めば、父さんは生き返るんだな!?」
「やめろロラン! 腕が千切れるぞ!」
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バシィィィィン!!
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「と、捕った……! 因果をねじ伏せたぞ!」
「おおお! 奇跡だ!」 「父さんが! 父さんが外野から帰ってくる!」
「生き返ったぁぁぁ! 地獄から生還したぞぉぉぉ!」
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「感動している暇はない! 殺せ! 殺さねば殺される!」
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★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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ミオちゃんは泡を吹いて倒れかけていた。 タブレットを持つ手がガクガクと震えている。
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「今まであんな大声出したことあった? ないでしょ?」
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「キャッチした時のあの一体感! あれぞチームワークよ!」
「は、はぁ……。そ、そうなんですか……?」
「(吹き飛んだ人、ピクリとも動いてないけど……外野の人たち、血だらけで這いつくばってるけど……)」
ミオちゃんは涙目でメモを取った。
【ドッジボール:魂を賭けた蘇生儀式。精霊使いたちをバーサーカーに変える禁断の遊戯】
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