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―街角の喫茶店―
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数分歩いた先にそれは見えてきた。ダークウッド模様の外壁は若干くたびれており、小窓の縁も青くなっていて味のあるお店だった。見た目も店の周りも綺麗にされていて、観葉植物などが置かれている。
「わ、ぁ…」
「俺、こういう感じのレトロなお店も好きでさ。はるのさっきの話を聞いて好きなんじゃないかなと思って。」
「めっ…ちゃくちゃ好きです!僕もレトロなお店とか小物が好きで…。こんなお店早く知りたかった。」
しかもなんとこの喫茶店は、でかでかと存在感があると言うよりかは、隠れ家的(?)なお店だった。
僕が大好きな毛色の店だったためつい興奮してしまう。
「あははっ笑、余程好きなんだね。ほら、中に入っちゃおう。」
瀬川先輩は緊張している僕の手を取りカランカランとドアを開けた。
途端に珈琲の香ばしい匂いと砂糖の焦げたような甘い香りが鼻をくすぐった。
中はテーブル席とカウンターになっており、革張りの椅子や、キラキラと光る小さなシャンデリアが出迎えた。
僕はうっとりとその光景に見とれてしまう。
「…おや!お久しぶりだね真君。隣の子はお友達かな?珍しいね。」
「お久しぶりです。学校が忙しくなっちゃって中々来れませんでした。」
先輩はカウンターの向こうにいたおじいさんと話している。そのおじいさんは背筋が伸びていてシャキシャキと動くし喋るタイプだった。喫茶店の店主よりセバスチャンみたいな感じかな。
「…まぁ、元気で何よりだよ。ほら、今日もいつものとこ空いとるから座ると良い。後で注文は聞きに行くよ。」
そう言われ、僕は先輩の後を着いて行く。初めての場所で戸惑う僕にとって、先輩の背中というのはとても頼もしいものだった。
「ほらここ、好きなとこ座っていいよ。」
そう案内された席は角にある席で、周りにはあまり席がなく、まるで秘密基地みたいな空間だった。
「わぁ…めっちゃ理想です。よくこのお店見つけましたね。やばぁ…。」
席に座ると、色とりどりのステンドグラスから光が差し込み、空気中がキラキラとしていた。
その光は淡く、薄らと僕達を照らした。瀬川先輩の髪の毛にも反射していつもと違うような気がした。
ドキッと胸が高鳴る。自分を誤魔化せるのも時間の問題なのかもしれない。
そんな事を頭の片隅で考えつつ、瀬川先輩とメニューを見ながらあーでもない、こーでもないと言い合った。
「んー、どれも美味しいんだよな。…俺晩御飯も食って行こうかな。はるはどうする?」
「僕もそうします!そしたらこれも食べれるし…。あっ、ちょっと姉ちゃんにメール入れますね。」
今日は親も遅いので出前をとる予定だったが、ここで食べる事になったので姉ちゃんにメールを一応入れとかなければいけない。
僕は鞄からスマホを取り出し電源を入れると、一通のメールが来ていた。姉ちゃんからだった。
《出前取る予定だったけどお姉ちゃん友達と遊ぶことになったから!春樹自分で取っといてね。お金は置いとくよ。》
なんだ、姉ちゃんも外で食べてくるのか。
こちらも姉にメールをして置く。
《僕も外で食べてくるから心配しないでー。》
そう送ると僕はまた、先輩との話に戻って行った。
「わ、ぁ…」
「俺、こういう感じのレトロなお店も好きでさ。はるのさっきの話を聞いて好きなんじゃないかなと思って。」
「めっ…ちゃくちゃ好きです!僕もレトロなお店とか小物が好きで…。こんなお店早く知りたかった。」
しかもなんとこの喫茶店は、でかでかと存在感があると言うよりかは、隠れ家的(?)なお店だった。
僕が大好きな毛色の店だったためつい興奮してしまう。
「あははっ笑、余程好きなんだね。ほら、中に入っちゃおう。」
瀬川先輩は緊張している僕の手を取りカランカランとドアを開けた。
途端に珈琲の香ばしい匂いと砂糖の焦げたような甘い香りが鼻をくすぐった。
中はテーブル席とカウンターになっており、革張りの椅子や、キラキラと光る小さなシャンデリアが出迎えた。
僕はうっとりとその光景に見とれてしまう。
「…おや!お久しぶりだね真君。隣の子はお友達かな?珍しいね。」
「お久しぶりです。学校が忙しくなっちゃって中々来れませんでした。」
先輩はカウンターの向こうにいたおじいさんと話している。そのおじいさんは背筋が伸びていてシャキシャキと動くし喋るタイプだった。喫茶店の店主よりセバスチャンみたいな感じかな。
「…まぁ、元気で何よりだよ。ほら、今日もいつものとこ空いとるから座ると良い。後で注文は聞きに行くよ。」
そう言われ、僕は先輩の後を着いて行く。初めての場所で戸惑う僕にとって、先輩の背中というのはとても頼もしいものだった。
「ほらここ、好きなとこ座っていいよ。」
そう案内された席は角にある席で、周りにはあまり席がなく、まるで秘密基地みたいな空間だった。
「わぁ…めっちゃ理想です。よくこのお店見つけましたね。やばぁ…。」
席に座ると、色とりどりのステンドグラスから光が差し込み、空気中がキラキラとしていた。
その光は淡く、薄らと僕達を照らした。瀬川先輩の髪の毛にも反射していつもと違うような気がした。
ドキッと胸が高鳴る。自分を誤魔化せるのも時間の問題なのかもしれない。
そんな事を頭の片隅で考えつつ、瀬川先輩とメニューを見ながらあーでもない、こーでもないと言い合った。
「んー、どれも美味しいんだよな。…俺晩御飯も食って行こうかな。はるはどうする?」
「僕もそうします!そしたらこれも食べれるし…。あっ、ちょっと姉ちゃんにメール入れますね。」
今日は親も遅いので出前をとる予定だったが、ここで食べる事になったので姉ちゃんにメールを一応入れとかなければいけない。
僕は鞄からスマホを取り出し電源を入れると、一通のメールが来ていた。姉ちゃんからだった。
《出前取る予定だったけどお姉ちゃん友達と遊ぶことになったから!春樹自分で取っといてね。お金は置いとくよ。》
なんだ、姉ちゃんも外で食べてくるのか。
こちらも姉にメールをして置く。
《僕も外で食べてくるから心配しないでー。》
そう送ると僕はまた、先輩との話に戻って行った。
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