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恋は通り雨1
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「本当にいいんですか?」
「…はい」
激しい雨が、車の窓に当たりどんどん、と音を立てる。それとは真反対に、車内は静寂に包まれている。
そこで彼が口を開いた。
「…僕、彼女いるんですけどいいんですか…?」
「…それは…お互い様っていうか、なんというか」
お互い様、とは言えあたしには戸籍上家族となった夫がいる。彼には長年付き合った彼女がいるけれど、籍を入れているかいないかは大きな差がある…と思う。
「っていうか、先にキスしといて本当にいいんですかって…おかしいじゃないですか…」
「…ですね。すみません」
彼は夫とあたしが共同経営をしている会社の取引先の社員で、彼と出会ったのは2年前。
初めて顔合わせをした時に慣れない手つきで名刺を渡す彼を見て微笑ましい、可愛らしいな…と思ったのが第一印象。
商談に入ると一生懸命話してくれて、その上彼はあたしの目をちゃんと見てくれて、あたしの話を聞いてくれた。
夫と共同経営するとは言え、所詮女。今まで商談してきた誰もが社長である夫の顔を見ながら話して、隣にいるあたしは透明人間の様に扱われていた。
形式上、笑顔で挨拶して名刺交換はしても意味は無い。
…あたし来た意味あるのかな。誰もあたしの意見なんて聞き入れようとしない…いや、聞こうともしていないじゃない…
そんな風に感じるのは日常茶飯事だ。
仕方ない。実際に夫ほどの知識や実力があるかと言うとそうではないのだから。
そう思い日々を過ごしていたあたしの目を見て話してくれる彼がとても魅力的だった。
この人は、あたしのことをちゃんと認識してくれている。あたしの言葉にちゃんと耳を傾けてくれる。
それが何だかすごく嬉しくて。
だからといって、数ある業者の中の1人だからとさほど気に留めていなかった。
…はずだった。
業務上、彼は毎週うちの会社に現れた。
明るくて爽やかな笑顔がとても魅力的で…いつの間にか彼が来る日を楽しみにしている自分がいた。
顔を合わせる時間はほんの少しだけれど彼の顔を見るだけで元気になれた。夫と共同経営を始めて以来、それまで見たことの無い夫の厳しい部分や嫌な部分が目立つ様になってきてケンカばかりしていたから、ぎすぎすしたあたし達の空気感は彼が来ることで中和されていたのだ。
彼と連絡を取り合うようになったのはここ半年くらいの話。
取り合うとは言っても、起業当初より忙しくなった夫に代わりあたしが彼とやり取りをすることになっただけで、決してプライベートの話はしていない。
夫から、彼には長年付き合っている彼女がいると聞いたことがあるだけで直接聞いたわけでもないし。
…でもそれを聞いた時に、胸の奥が締め付けられる感覚があたしを襲った。
なんだろう。このモヤモヤした気持ち。何でなのかな?…まさかあたし、彼のことを好きになっちゃった?
頭の中にそんな感情が渦巻きつつ知らないフリをしていた。
でも、今日はそれが出来ない。
数時間前のこと。
他の取引先との用事の後に彼の職場に寄った際、突然大雨が降り始めて。
夫が社用車を使っていたせいであたしは今日電車を使っていたから足もなく、当然ながら電車で帰ろうとしたのだけれどあまりの強風と大雨で電車が止まってしまい、どうにも出来なかった。
今日は半休でこれから帰るので送りますよ。通り道だから。
そのお言葉に甘えてあたしは彼の車に乗って、会社への帰路に着いた。
彼はどう思っているのかわからないけれど、あたしはすごく緊張していた。
車という密室で二人きりになるのは初めてだ。何も無いけど、何かあればいいのになんて思ってしまう自分が恥ずかしくて顔が熱くなった。何かあるわけなんてありえないのに。
「うわ…これ前見えないや…」
彼は土砂降りので中車を走らせようとしてくれたけれど、視界があまりに悪すぎて運転が危ないと判断した彼がコンビニの駐車場に車を停めた。
「すみません。時間大丈夫ですか?」
「あたしは大丈夫です…あたしも今日はこの用事が終わったら帰るだけなので。霜村さんは大丈夫ですか?」
「あぁ、僕は全然。暇だし」
「そうなんですか…彼女さんとデートの約束とかされてないんですか?」
「え?…あー。無いです無いです。遠距離なんで」
「そうなんですか。ごめんなさい、霜村さんには素敵な彼女がいらっしゃるって夫からお聞きしたもので」
「いやいや、謝ることないじゃないですか。気にしないでください」
「いえ、なんかすみません…」
「…っていうか、そんなにうまくいってないですし」
「え…そうなんですか?」
「一応、年内に結婚する予定なんですけど…マリッジブルーなのかな、彼女がちょっと気持ち不安定で。ケンカ多いんですよ最近」
「そっか…」
「女の子は何考えてんのかわかんないなってずーっと考えてます」
そう言って彼はため息をついた。
…彼女の話題なんて出さなきゃ良かったかな。何だか表情が暗い。フォローしないと…
「…あ、でもきっと、結婚して一緒に住むようになったら落ち着きますよ。あたしもそうでしたから」
「へぇ、奥さんすごく温厚そうなのに。そんな時もあったんですね」
「まぁ、結婚して5年経ちますし…感情の起伏がなくなって来ただけです」
「でも、仲良さそうだし羨ましいです」
「そうですか?」
「奥さんいつも優しいし、会社行かせてもらう時僕何気に癒されてるんですよ。きっつい社長とか沢山いますからね」
そう言って彼は苦笑いをした。
…そんなこと思ってくれてるんだ…。
お世辞かもしれないけど。でも嬉しい…
「こんな奥さんいたらいいのにとか思っちゃいます…ってあ、変な意味に捉えないでくださいね!」
「大丈夫ですよ、お世辞でも嬉しいです」
「お世辞じゃないですよ」
「あたしも霜村さんみたいな人が旦那さんだったらいいのにって思う時ありますよ」
…あれ。何言ってるんだろうあたし。こんなこと言ったら彼が戸惑っちゃうかもしれないのに。
「本当ですか?」
彼は笑顔を見せることなく、真剣な眼差しであたしを見た。…そんな目で見られると、冗談に出来なくなる…。
「えっと、あのっ、…っ」
何か言わなきゃ、変な意味に思われる。何か言わなきゃ。
あたしも彼みたいに変な意味に捉えないで下さいねって言わなきゃ…
そう思ったすぐ後に、あたしの唇は彼の唇で言葉を封じ込まれた。
本当なら突き放さなきゃだめなのに。あたしは目を閉じて、彼の腕を掴んでそれを受け入れた。
「…はい」
激しい雨が、車の窓に当たりどんどん、と音を立てる。それとは真反対に、車内は静寂に包まれている。
そこで彼が口を開いた。
「…僕、彼女いるんですけどいいんですか…?」
「…それは…お互い様っていうか、なんというか」
お互い様、とは言えあたしには戸籍上家族となった夫がいる。彼には長年付き合った彼女がいるけれど、籍を入れているかいないかは大きな差がある…と思う。
「っていうか、先にキスしといて本当にいいんですかって…おかしいじゃないですか…」
「…ですね。すみません」
彼は夫とあたしが共同経営をしている会社の取引先の社員で、彼と出会ったのは2年前。
初めて顔合わせをした時に慣れない手つきで名刺を渡す彼を見て微笑ましい、可愛らしいな…と思ったのが第一印象。
商談に入ると一生懸命話してくれて、その上彼はあたしの目をちゃんと見てくれて、あたしの話を聞いてくれた。
夫と共同経営するとは言え、所詮女。今まで商談してきた誰もが社長である夫の顔を見ながら話して、隣にいるあたしは透明人間の様に扱われていた。
形式上、笑顔で挨拶して名刺交換はしても意味は無い。
…あたし来た意味あるのかな。誰もあたしの意見なんて聞き入れようとしない…いや、聞こうともしていないじゃない…
そんな風に感じるのは日常茶飯事だ。
仕方ない。実際に夫ほどの知識や実力があるかと言うとそうではないのだから。
そう思い日々を過ごしていたあたしの目を見て話してくれる彼がとても魅力的だった。
この人は、あたしのことをちゃんと認識してくれている。あたしの言葉にちゃんと耳を傾けてくれる。
それが何だかすごく嬉しくて。
だからといって、数ある業者の中の1人だからとさほど気に留めていなかった。
…はずだった。
業務上、彼は毎週うちの会社に現れた。
明るくて爽やかな笑顔がとても魅力的で…いつの間にか彼が来る日を楽しみにしている自分がいた。
顔を合わせる時間はほんの少しだけれど彼の顔を見るだけで元気になれた。夫と共同経営を始めて以来、それまで見たことの無い夫の厳しい部分や嫌な部分が目立つ様になってきてケンカばかりしていたから、ぎすぎすしたあたし達の空気感は彼が来ることで中和されていたのだ。
彼と連絡を取り合うようになったのはここ半年くらいの話。
取り合うとは言っても、起業当初より忙しくなった夫に代わりあたしが彼とやり取りをすることになっただけで、決してプライベートの話はしていない。
夫から、彼には長年付き合っている彼女がいると聞いたことがあるだけで直接聞いたわけでもないし。
…でもそれを聞いた時に、胸の奥が締め付けられる感覚があたしを襲った。
なんだろう。このモヤモヤした気持ち。何でなのかな?…まさかあたし、彼のことを好きになっちゃった?
頭の中にそんな感情が渦巻きつつ知らないフリをしていた。
でも、今日はそれが出来ない。
数時間前のこと。
他の取引先との用事の後に彼の職場に寄った際、突然大雨が降り始めて。
夫が社用車を使っていたせいであたしは今日電車を使っていたから足もなく、当然ながら電車で帰ろうとしたのだけれどあまりの強風と大雨で電車が止まってしまい、どうにも出来なかった。
今日は半休でこれから帰るので送りますよ。通り道だから。
そのお言葉に甘えてあたしは彼の車に乗って、会社への帰路に着いた。
彼はどう思っているのかわからないけれど、あたしはすごく緊張していた。
車という密室で二人きりになるのは初めてだ。何も無いけど、何かあればいいのになんて思ってしまう自分が恥ずかしくて顔が熱くなった。何かあるわけなんてありえないのに。
「うわ…これ前見えないや…」
彼は土砂降りので中車を走らせようとしてくれたけれど、視界があまりに悪すぎて運転が危ないと判断した彼がコンビニの駐車場に車を停めた。
「すみません。時間大丈夫ですか?」
「あたしは大丈夫です…あたしも今日はこの用事が終わったら帰るだけなので。霜村さんは大丈夫ですか?」
「あぁ、僕は全然。暇だし」
「そうなんですか…彼女さんとデートの約束とかされてないんですか?」
「え?…あー。無いです無いです。遠距離なんで」
「そうなんですか。ごめんなさい、霜村さんには素敵な彼女がいらっしゃるって夫からお聞きしたもので」
「いやいや、謝ることないじゃないですか。気にしないでください」
「いえ、なんかすみません…」
「…っていうか、そんなにうまくいってないですし」
「え…そうなんですか?」
「一応、年内に結婚する予定なんですけど…マリッジブルーなのかな、彼女がちょっと気持ち不安定で。ケンカ多いんですよ最近」
「そっか…」
「女の子は何考えてんのかわかんないなってずーっと考えてます」
そう言って彼はため息をついた。
…彼女の話題なんて出さなきゃ良かったかな。何だか表情が暗い。フォローしないと…
「…あ、でもきっと、結婚して一緒に住むようになったら落ち着きますよ。あたしもそうでしたから」
「へぇ、奥さんすごく温厚そうなのに。そんな時もあったんですね」
「まぁ、結婚して5年経ちますし…感情の起伏がなくなって来ただけです」
「でも、仲良さそうだし羨ましいです」
「そうですか?」
「奥さんいつも優しいし、会社行かせてもらう時僕何気に癒されてるんですよ。きっつい社長とか沢山いますからね」
そう言って彼は苦笑いをした。
…そんなこと思ってくれてるんだ…。
お世辞かもしれないけど。でも嬉しい…
「こんな奥さんいたらいいのにとか思っちゃいます…ってあ、変な意味に捉えないでくださいね!」
「大丈夫ですよ、お世辞でも嬉しいです」
「お世辞じゃないですよ」
「あたしも霜村さんみたいな人が旦那さんだったらいいのにって思う時ありますよ」
…あれ。何言ってるんだろうあたし。こんなこと言ったら彼が戸惑っちゃうかもしれないのに。
「本当ですか?」
彼は笑顔を見せることなく、真剣な眼差しであたしを見た。…そんな目で見られると、冗談に出来なくなる…。
「えっと、あのっ、…っ」
何か言わなきゃ、変な意味に思われる。何か言わなきゃ。
あたしも彼みたいに変な意味に捉えないで下さいねって言わなきゃ…
そう思ったすぐ後に、あたしの唇は彼の唇で言葉を封じ込まれた。
本当なら突き放さなきゃだめなのに。あたしは目を閉じて、彼の腕を掴んでそれを受け入れた。
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