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15の春に

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今から思えば、かなり前から兆候はあった。
中学2年の夏休みに入ると直ぐに、親に無理やり高校受験用の塾に入れられた。
中二病をちょっぴり発症中のおれだったが、それが必要だと言うことは薄々感じていた。

だから親のいいなりになるのはしゃくに障ったが、それでも塾に通いはじめた。
そこには学校の友達も沢山いて、それなりに楽しくやっていた。

しかしその頃から、慣れない塾生活へのストレスがやはりあったのだろうか、腹を下すことが増えてきた。
受験期の中三の冬には下血を伴うようになった。
初めて下着に付いた鮮血を見たとき、これは座りっぱなしで痔になったと思った。

その時、痔になったなどと、親に言い出すことは出来なかった。
受験の追い込み時期だったこともあるし、もちろんはずかしかったせいもあった。

やがてそれも収まり安心したところで、そのまま試験本番に突入。
無事に第一志望の地元の中堅の公立高校に合格した。

手続きをして、制服やら準備する合間に卒業式を終えて。
後はのんびりと入学式を待つばかりになった。

すると。ほっとしたせいか、またもや下血が再開した。
家のリビングで母親と二人だけになったタイミングで俺は意を決して言った。

「母ちゃん、病院に連れて行ってくれ。俺、痔かもしんない。」
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