祝いの品

ツヨシ

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今日は待ちに待った結婚式だ。

式場にはさまざまな祝いの品が届いたが、中に一つ奇妙なものがあった。

差出人不明のユリの鉢植え。

差出人の名前がないことも変だが、メッセージカードがないというのも妙だ。

妻に聞いても心当たりはないと言う。

どちらにしても花には違いがないので受けとることにした。


一年後、結婚記念日の日に再びユリの鉢植えが届けられた。

前回と同じく差出人不明でメッセージもない。

私はふと気になり、ユリの花言葉を調べてみた。

色はオレンジ。

オレンジ色のユリの花言葉は「憎悪」だった。

――誰がこんなものを?

昔の女かと思ったが、女と酷い別れ方をした覚えはまるでない。

妻もやはり身に覚えがないと言う。

そしてオレンジ色のユリの花は、毎年欠かさず結婚記念日に届けられ続けたのだ。

それは私が死ぬまで。


       終
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