セイカツホゴ〜新卒公務員は無敵の人に犯される〜

クロセ

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1 呼び出され

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 夕刻を告げる音楽が住宅街に鳴り響く。その音が届いた美咲もゆっくりと瞼を開けようとする。何度か枕元を探り、スマートフォンを手に取り、時刻を確認する。

(お昼前から、こんな時間まで眠ってしまうなんて……)

 美咲に降りかかった不慣れな時間が、心身に疲労を蓄積させていたことは明らかだった。ゆっくりと頭が覚醒に向かう途中、スマートフォンの画面に映し出された通知を見て、美咲の瞳孔が大きくなった。

 あの男からメッセージが届いていた。画面を見つめながら徐々に鼓動が早くなり、指先はメッセージを開封することをためらった。その間にも、ぼんやりとした頭の中では昨日からの光景が思い出された。あの男にされたことと、人格を考えた時に、メッセージを見ないという選択を美咲は選べなかった。メッセージには

「今日の✕✕時、家にきて。」


 有無を言わせない、誰に主導権があるのかが明確な簡潔な内容だった。


(やっぱり……まだ終わっていないの……)


 余白が多い、端的な内容であるが故に、美咲の頭の中では悪い想像が交差する。胸を上下させ、深く息を吐き出す。考えを整理しようとしている最中に、次のメッセージが届く。

「ようやく見たね。昨日の動画、最高だよ」


 命令と脅しが混ざり合った内容だった。やり場のない感情が募っていく。男の要求を無視することも考えるが、何をされるか分からないことでの不気味さが、不安を強くさせた。指示された時間を考えると、あまり猶予はなかった。

 頭を掻きむしり、目をぎゅっと閉じる。手にしていたスマートフォンに苛立ちをぶつけるように、ベッドに強く叩きつけた。

(あの日、言われたことは全部したのに……)

 疲労で重たくなった身体を引きずりながら、目的もなく、部屋の中を何度か行ったり来たりする。美咲は準備に取り掛かるまで、かなりの時間を要した。
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