セイカツホゴ〜新卒公務員は無敵の人に犯される〜

クロセ

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2 舐られる咥内

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 季節は初夏に差し掛かっていて、この時間でも歩いていると、やや汗ばんでしまう。ブルーのシャツブラウスの中でじんわりとした汗を感じる。前回のことを考えると装いは極めてカジュアルにした。リネンライクの少しワイドなパンツを履いて、女性らしさを少しでも抑えるようにした。

 目的地に向かう足取りは重く、歩くペースは普段よりも遅かったように思う。それでも、指示された時間の数分前に到着する自分に呆れてしまう。

 頭の中で何度も苦く、飲み込めない感情が反芻していた。ここまで来たが、帰ってしまおうかと考える。それでも、今よりも状況が悪くなる不安から、立ち去ることはできなかった。最後に1度、深呼吸をしてチャイムを押した。
 このまま男が出てこなければ、私は何も約束を破ることなく、少しだけ穏やかに過ごせるのに。そんな考えもむなしく、部屋の中で音がした後に扉が開き、あの忌々しい男が扉の隙間から顔を出した。

「ちゃんと来たね。入って」

 短い言葉で家の中に招こうとする。これからの時間で良いことが起こるとは考えられない。
 入室を躊躇して、男にお願いをしていた。

「もう……やめてもらえませんか?」

 自分でもびっくりするほど小さい声しか出せなかった。

「こういうこと嫌で……もう昨日みたいなことは、やめてほしいです……」

 喉の奥が苦しくなる。言葉を出そうとするたびに、声は上ずっていく。これだけのことを伝えるだけなのに。当たり前のことを言っているだけなのに。

「はぁ、そっか。そういうこと言うの」

 目の前の男は白々しい落胆の声色で、ポケットからスマートフォンを取り出して操作をはじめた。
 次第に音声が流れ、男の指で操作されたそれからは、昨夜の一部始終が大きな音で流れた。

「僕は別にいいけどね」

 その音声を聞いて、立ち尽くしてしまう。男の態度が何を言わんとしているのか嫌でも理解してしまう。
 無神経なことを平気でする、この人に伝わることは何もないのだと。

「それで、どうする?」

 選べる選択肢など無い状況で、私は観念して家の中に入った。満足そうな笑みを浮かべている男は何も言わず居間に進んでいく。ここに来いという意思を強く感じた。

 先日のように、どっしりと座る男から

「病院はどうだった?薬もらいに行ったんでしょ」

「はい。薬をもらえて、すぐに飲みました」

「そう。それなら良かった」

(簡単に言わないで……あなたにとって、何がよかったの……)

(どんな気持ちで薬をもらいにいったか、その時間だけで……あんな……すごく嫌な想いを……)

 男からの質問はすぐに終わる。
 素知らぬように、「そっか」と呟いている。どうしても許せない気持ちから、私は反抗した。

「お医者さんからは、同じようなことをしては駄目だと言われています。なので、昨日の今日であんなことは続けられないです」

 具体的な行為への言及は口にするのも嫌だった。それでも、なにを指しているかは明確に伝えた。
 男と目線が合う

「そうだね。今日は少し違ったことをするよ」

 違うことがなにを指しているのか分からず、少しのあいだ反応できないでいると、立ち上がった男は下半身の衣服を降ろして性器を露出させた。

「ぁっ……ち、ちがうことって……」

「口が使えるでしょ。今日は美咲の口を使う日にしよう」

(使うってなに……私の身体を性欲のためだけのものみたいに言わないで……)

 そんな私の戸惑いに意味はないようで、にたにたとした笑みは、私の口元に向けられていた。少しずつ、性器が近づいてくる。独特の臭いが感じられるくらいの距離になってきた。顔を背けようとしても、頭を掴まれてしまう。
 唇を閉じて逃れようとするが、また鼻をつままれた私は、空気を求めた瞬間に硬く隆起した熱いものが咥内に押し込まれた。

「ゔっおッ、じゅ……ぐッ……」

 侵入してきたモノは無神経に私の舌の上に鎮座している。臭いと、形容しづらい味が鼻に主張してくる。鼻と口のどちらで呼吸しようとしても、不快な感覚からは逃れられそうにない。

「あぁ、いいねぇ。まだ動かしていないのに、あったかくて包まれているよ」

 そう、私は極力、咥内を動かさないようにしていた。男の性器から味と臭いを感じるのは最低限にしたかったし、悦ばせるなんて死んでも嫌だった。
 男の太ももを押し返そうと腕に力を入れるが、ワザと熱くなった亀頭を跳ねさせてくる。

「んッ、んッ、ゔぉえ……はぁッ、ゔっ……」

(うっ……こ、これ、つらい。くるし、息ができなくなりそう……)

 少しずつ、ぼんやりとした火照りを顔に感じる。それに加えて目元からは時折、涙が零れていった。
 上を見上げて男の様子を見ようとする。目が合うと嬉しそうに、性器を大胆に動かしてきた。

 口の中のまんなか、右に寄せたり、左に寄せたり。そんなことをされていると、えずきそうになるたびに私の喉奥から粘度のある液体が出るのを感じる。

「おぉ!いいね、美咲の口マンコは素直になってきたね!」

(い、いやだ、気持ち悪い……な、なんで無神経に、んっ、よろこべるのっ……)

 性器の動きは早く、大きくなっていく。亀頭が舌先を掠める時に、苦みのある液体がにじみ出ているのを感じる。男の興奮でつくられた情欲の欠片が、私の口に溜まっていくのを意識してしまう。

 こぼさないようしていても、液体が唇から漏れ、デニム調のシャツに透明の液体が滴る。

(は、はやく!も、もう、おわって……)

 次第に男の腰までもが動かされる。

「んゔっぉ、え、えぇ、じゅッ、じゅッ……は、はぁ、ゔぉっ……」

 熱い。息苦しさの火照りだけではなかった。膨張したモノが通るつど、熱気を感じる。
 昨晩とは少し異なる、咥内を征服しようとする執拗な行為に思えてしまう。
 上目遣いに男を見上げる。優越感に浸った表情から、最低の言葉が投げかけられる。

「美咲ぃ、もう逆らわないで従順になるって約束して」

 理解が追い付かない。男を見つめ、目線が合うと喉奥を突かれ、えずいてしまう。ここで逆らわないと言ってしまえば、このような行為が繰り返されるのは容易に想像できた。だけど、どうすれば今、この瞬間の苦しさが終わるのか。すぐに出てくる答えはなかった。

 その間にも、性器は露骨に咥内を舐っていく。私が答えを躊躇していると、理不尽に喉奥を突かれ、性器の先端を押し付けられる。徐々に考えることに疲弊し、この時間を少しでも穏便に終わらせたいと、私の中で保っていた糸がたわんできた。

「約束できるの?できないの?」

 最後通告に似た声色だった。私は男の眼を見つめたまま、首を縦にふった。まるで、理不尽な行為を迫る本人を肯定するだけでなく、媚びるような仕草だと思う。

「はは、やっぱり美咲はお利口だ。これからも言われたとおりにしてね」

 もうすぐ、男の興奮が頂上に達するのが窺えた。頭を捕まえられたまま無遠慮に性器を動かされる。

「じゅッ、ぉえッ、ぐ・・・・・ぉ、じゅぷ、じゅ、じゅッ……」

「いくっ、いくっ、いくよ美咲。お口に出すからねっ!」

 その瞬間、舌腹のずっと奥に生臭さを感じた。そのすぐ後に、どろどろとした液体が満たしていく。

 最初の喉をめがけた液体でむせてしまうが、頭を掴んでいる武骨な手には異様に力が入っていて、されるがまま、私は出された液体を処理するために、小さくこくっ、こくっ、と喉を鳴らして飲んでしまう。

(うっ、うわ……こ、濃い、臭いも、前よりすごい……)

 ようやく落ち着いたのか、性器が抜かれる。
 男は立ったまま、私は見下ろされながら

「約束は守るよね?」

 何を言おうか迷ったが、ふと視界に入った男のスマートフォンは不自然な置かれ方をしていることに気が付いた。
 私の上目遣いや男との約束も撮られているのだろう。

「……はい……わ、わかっています」

 短く答えた後、強引に抱き寄せられる。シャツブラウスのボタンがひとつ外された。もう片方の手では、リネンの手触りを楽しむように、太ももの内側とお尻を撫でられている。

 たぶん、恋人同士がするときの体勢と距離感。触れることと、触れられることを許し合った人たちが何かを満たすための行為を、私は経験することなく今に至っている。

 緊張で少しこわばる私の身体は、そのまま好き放題にまさぐられていった。
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