セイカツホゴ〜新卒公務員は無敵の人に犯される〜

クロセ

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3章 プロローグ

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 とある週末、指示された服装で指示された建物の近くまで来た。

 都内の主要路線が複数乗り入れ、ビジネス街と繁華街が混ざる大きな街の一角を訪れていた。

 最近は、あの人の命令で自分の身銭を切って何かを購入することが増えていた。生活するための日用品や嗜好品であることが多かったが、今回がいつもと違うことだけは、事前に伝えられていたので少しだけ心の準備はできていた。


 怪しい雑居ビルの入り口から三十メートルほど離れた距離で建物をゆっくりと下から上まで眺める。幸いにも人通りは少なくないので目立ってはいないと思う。

(こういう建物に入ることがあるなんて)

 さらに用心深く、スマートフォンを顔の近くで操作するふりをして周囲に目を配る。知り合いと思しきシルエットは確認できなかった。


(たぶん大丈夫だと思うけど、それに、さすがにそろそろ入らないとね)


 ふーっと息を吐いた後、口元を覆っている不織布のマスクを上に上げて建物に入った。


 中に入ると冷房の機械的な風が暑さでまとわりついていた汗を冷やしていく。
 
 三階建ての雑居ビルの最上階に目当てのものがあることは調べていた。階段しか設置されていないようだったので、階段を上がろうとする。

 その時、念のため背後に人の気配がないことを確認した。今日は自分の趣向では選ばない、丈が短くて太ももが大胆に露出するワンピースを着させられていた。それに加えて普段は意識しない腰の下に感じる風に心細い気持ちになっていたようだ。



 最上階に来ると、そこには強い色合いをした樹脂製の棒や丸みのある玩具が並んでいた。その奥には露出の少ないコスチューム、拘束具のようなものも並んでいた。
 それらが何を目的にして、どのように使われるのか光景が容易に想像できてしまうほどに、蠱惑的な主張が四方八方の棚から感じられた。


 今回はこの中であの人が所望したものを買わないといけない。何に使われるか、それは理解している。
 こういった過激なものはネット通販で買ってほしいと強く思うが、あの人は私に特殊な体験をさせることに執着していることは、これまでの時間で分かっていた。


  改めて店内を見渡す。


(はじめて入ったけど、こうやって売っているのね。それに種類もこんなに……)


(あ、あれ。すごく大きい。あんなのはさすがに入れられない……あっちのなら、まだマシかもしれない)


 興味本位で棚に並べられたものを見つめていると、下腹部に疼くような感覚が思い出された。


 そんな時間を過ごしているとスマートフォンにあの人からメッセージが届いた。

 その内容を見て、買うべき目当てのものも意外であったが、なにより単純に買えば終わりではないことを唐突に知らされた。
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