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幼児編

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「…はぁ」
…僕の最近の記憶がない理由が分かった。
お風呂場の棚の高いところに隠されていた花びら入りの入浴剤。
樹くんは僕が嫌だって言ったものは近くに置かない。
だから多分これは樹くんに指示できる父さん、母さん、兄さん達の誰かの仕業。
…僕はこれのせいでおかしくなってた…んだと思う。
どんなことしてたのかはわかんないけど。
だから僕は翔兄さんの部屋へ忍び込んでいた。
頭が痛いと言って学校は休んだ。
…日中しか兄さんの部屋にこっそり入れる時ないもん。
それに翔兄さんはスマホを学校に持っていかないから…部屋にあるはず。
「あった」
でも…パスワードが…。
試しにホームボタンを押してみると簡単に開いた。
あ…そういや僕…前に翔兄さんがどんな本を読んでるのか知りたくてスマホ見せてってねだってたら指紋登録させてくれたんだった。
「…えっと…しゃしん…」
開いた途端に固まった。


ー削除しますか?
ーOK。

ポチッ。
よし…。
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