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本編~2ヶ月目~
第21話~穴の監視者~
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~新宿・歌舞伎町~
~新宿区役所 2階~
翌日。僕はレミを伴って新宿区役所を訪れていた。
区役所の2階に位置する「転移課」は、異世界から転移してきた人、物の受け入れや対処などを行う部署だ。
それ故、ここに用があるのは異世界からの来訪者本人か、異世界人に用がある人に限られる。
この日も僕達の他に、猫とウサギを合成させたような外見をした異世界人が、受付で何やらやり取りをしていた。
「ここが、新宿区役所の「転移課」。ここで入植の手続きをしたり、住まいや就職の紹介をして貰ったりするんだ」
「入植……つまり、定住するための手続きということか?」
そわそわと所在無さげに辺りを見回しながら、不安そうに僕を見つめてくるレミに、僕はにこりと笑みを返すほかなかった。
昨夜にも色々と話をしたが、やはりレミは一刻も早く元の世界に帰りたいようだった。転移した時の状況が状況だし、周囲に知人がいない状況では、無理もない話だ。
僕達は転移してすぐに「そうそうすぐに帰れるものではない」という事実を客観的に突き付けられたから、まだいい意味で諦めることも出来たのだが。
「長期的に定住するのでも、短期間だけ居させてもらうのでも、入植は入植さ。
それに、昨日も話をしたけれど、この国では生活するのに何かと金が必要だし、金を稼ぐために冒険に出ることも叶わない。
働き口を見つけるためには、入植して身元をハッキリさせないといけないのさ」
僕の発言に、レミは俯いて寂しげな表情を浮かべた。
何とか慰めたいが、どう声をかけたものか逡巡していた時に。
「受付番号14番の方、3番窓口にお越しください」
レミの手にしたカードの番号が呼ばれた。
僕はレミの背中を軽く叩くと、彼を伴って受付へと足を向けるのだった。
「おはようございます……あ、カマンサックさん。珍しいですね、今日はどうされました?」
「おはようございます、今日は僕じゃなくて、こっちの彼の用事で来まして。
入植の手続きをお願いしに来ました」
受付に座るエルフの女性が挨拶ついでに僕に声をかけてくる。
そういえば僕自身、三か月ほど前の入植手続きの際から、転移課にお世話になることが無かった。五人で一度に入植にやってきて、住居や職業の斡旋を受けずに定住している僕達のことは、職員も印象に残っていたらしい。
僕が傍らに立つレミの方に目を向けると、緊張しているのか表情が強張っている様子だった。
ぎこちない表情のレミを見て苦笑しつつ、受付の女性が一枚の用紙を取り出してくる。
「入植ですね、かしこまりました。
それではこちらの用紙に、お名前と生年月日、性別、年齢、所持技能をご記入ください」
目の前に出された用紙に目を何度か瞬かせたレミが、恐る恐るといった様子でボールペンを手に取る。
入植にあたって記入する用紙は、自らの世界の文字で記入することになっている。耳で聞く言葉、口から発する言葉が日本の人々のそれと通じ合うものであっても、書く文字については同一でないケースが殆どだからだ。
僕達の場合も会話は全く問題が無かったものの、文字の読み書きについては文字体系が大きく異なるせいで非常に苦労した。
リンクス株式会社に入社してから一か月間、みっちりと日本語の読み書きを習ったので、ひらがなカタカナはマスターしたものの、漢字は未だに扱い切れていない。
ちなみに技能とは、自身で所持する技能の総称だ。この世界で使えるか使えないかは、また別の問題になるので置いておくとして、その技能の内容で斡旋される職業が変わってくる。
例えば僕の場合だと、料理、工芸(石)、自然魔法(大地)となる。多分、社長から直々にスカウトされなくても居酒屋やレストランの求人を回されたんだろうな、と思う。
「書けたぞ、これで問題はないか?」
ボールペンを置いたレミが、僕に用紙を見せてくる。レミの世界の文字と僕の知る文字は全く異なるため、何が書いてあるのかはさっぱり理解できないが、情報の抜けはなさそうだ。
「大丈夫じゃないかな?それじゃ、この用紙を受付のお姉さんに」
「失礼しますね……はい、大丈夫ですね。それでは、お名前をフルネームで仰っていただけますか?」
少し身を乗り出し、カウンターに置かれた用紙を受付の女性が手に取る。
内容を確認すると女性はペンを取って、レミに問いかけた。名前のフリガナを振るためだ。
レミは一瞬目を閉じて息を整えると、前をまっすぐ見据えて口を開いた。
「レミ・ヴァルモン」
「……ありがとうございます。それでは次に、こちらのプレートに右手を置いていただけますか?」
レミの名前の読みを用紙に記入すると、女性がカウンターの上に、薄い金属製のプレートを取り出してきた。
僕も入植の際にこのプレートに手を置いた。ここに手を置くと、そこから身体の中の何かしらの情報を読み取り、元いた世界がどこなのかを判定することが出来るのだそうだ。
恐る恐るレミが右手をプレートの上に置くと、プレートに接続されたコンピュータの画面が明滅を開始する。そして数十秒後、判定が終わったようでプレートから手を離すよう指示された。
「ワールドコード388C……「サヴァラント」ですね。新宿区では初めてですが、過去に穴が出現したケースはあります」
「何故……分かるんだ?」
首をかしげるレミに、受付の女性はゆるりと微笑みを見せた。
「異世界からいらした皆さんの来歴は、日本国内全体で情報を共有されているのですよ。
それでは、次に入植者カードの作成と、住居の斡旋を――」
「カマンサックさぁぁぁぁん!!」
次の工程に移ろうかというところで、2階フロアに僕を呼ぶ大声が響いた。
何事かと声のした方を向くと、青い鱗を持った小型のドラゴンが、僕目掛けて飛んでくるではないか。
ドラゴンは僕の目の前でブレーキをかけて停止すると、わたわたと両手をばたつかせて声を張り上げた。
「久しぶりに転移課にいらしたと聞いたので……ちょうどよかった!お話したいことがあるのでついてきてください!」
「何事ですか、一体……?レミさん、ごめん。後はそちらのお姉さんに付いて説明を受けていてくれ」
「??……あ、あぁ」
目をぱちくりさせるレミに頭を下げて、僕は先導して宙を飛ぶドラゴンの後をついていった。
ちょうどレミの入植手続きは、別室に移動しての写真撮影や住居の斡旋になる。ここで席を外しても問題ないだろう。
~新宿区役所 3階~
~転移課 情報集積室~
案内された部屋は、転移課のエリア内にある一つの部屋だった。
壁一面に巨大なコンピュータが並び、正面の液晶画面には新宿区の地図が大きく表示されている。
地図上には何やらマークがいくつも灯っては消え、マークの下に数字とアルファベットも見える。
「ご足労頂きありがとうございます、カマンサックさん」
目的の部屋に僕を案内したドラゴンは、改めて僕に頭を下げた。その小さな体躯はマスコット的で愛らしい。実際、転移課のマスコットとして扱われていた記憶がある。
「一体何がどうしたんですか、クズマーノさん。転移課課長ともあろう方が直々になんて」
僕は立ち入った部屋の設備を見回しながら、目の前で頭を下げるドラゴンに訝し気な視線を向けた。
そう、目の前のマスコットチックなドラゴンは、新宿区役所の転移課課長、マルチェッロ・クズマーノ。ちなみにこれでも52歳らしい。
何度か陽羽南にも来店している常連客だ。
ドラゴン――マルチェッロは首をこてんと傾けると、眼前の液晶画面に表示された新宿区の地図を指し示す。
「いや、ね。貴方達五人が転移してきた、ワールドコード1E7「チェルパ」なんですけれど、ここ一ヶ月の間に随分穴が開いていまして。
その世界の住人であったカマンサックさんに、情報を提供しなくてはと思ったのです」
マルチェッロがコンピュータの前に立つ係員に指示を出すと、液晶画面に表示された新宿区の地図に変化が起きた。
それまでは様々な色の、様々な形のマークが現れたり消えたりしていたのが、単一の色の一種類のマークが、ぽつりぽつりと表示されるようになったのだ。
マークの下に記された文字は、いずれも「1E7」。
「これがつまり、僕達の世界に繋がる穴の出現記録、というわけですか」
「そういうことです。この一か月間の間に、新宿区内だけでも実に15回。それでいて他の地域ではほとんど接続が見られない。異常という他ありません。」
マルチェッロの言葉に、僕はうーんと唸るしかなかった。
新宿区に集中して開く、僕達の世界の穴。その頻度は明らかに、他の穴と一線を画している。これは確かにおかしい。
「これ、こちらから人が転移していったとか、逆にあちらから人が転移してきたとか、その辺の記録はないんですか?」
「あちらから、鳥のような小動物が一体転移してきただけですね。いずれの穴もサイズが小さく、接続時間もごく短時間でした」
穴が開くといっても、大きさも繋がる時間も様々だというのは、僕達が転移してきた当日に説明を受けたとおりだ。
僕達五人が一度に転移できるような大きさの穴が開くことは、マルチェッロの話によるとだいぶ稀な事例らしい。
大概は人が一人なんとか通れるくらいのサイズが多く、開いている時間もごく短い期間であることが殆どだそうだ。
「ともかく、「チェルパ」の穴については今後も注視していく予定でいます。
タイミングを見て陽羽南の他の皆さんにもご説明しますので、お時間のある時に新宿区役所にお越しいただけるよう、調整しておいてください。
何か大きな異変がありましたら、私からもカマンサックさんやお店の方に連絡を入れますので」
「……わかりました、お手数をおかけします」
そうして、僕とマルチェッロは互いにお辞儀をした。調査に時間を割いてもらう以上、こちらも協力はしないとならない。
連絡先を交換し、情報集積室から出た僕は、職員に連れられたレミが近くの部屋から出てくるのを見かけた。
僕の姿を認めると、ぱぁっと明るい表情になったレミが近寄ってくる。その手には真新しい入植者カードが握られていた。
~第22話へ~
~新宿区役所 2階~
翌日。僕はレミを伴って新宿区役所を訪れていた。
区役所の2階に位置する「転移課」は、異世界から転移してきた人、物の受け入れや対処などを行う部署だ。
それ故、ここに用があるのは異世界からの来訪者本人か、異世界人に用がある人に限られる。
この日も僕達の他に、猫とウサギを合成させたような外見をした異世界人が、受付で何やらやり取りをしていた。
「ここが、新宿区役所の「転移課」。ここで入植の手続きをしたり、住まいや就職の紹介をして貰ったりするんだ」
「入植……つまり、定住するための手続きということか?」
そわそわと所在無さげに辺りを見回しながら、不安そうに僕を見つめてくるレミに、僕はにこりと笑みを返すほかなかった。
昨夜にも色々と話をしたが、やはりレミは一刻も早く元の世界に帰りたいようだった。転移した時の状況が状況だし、周囲に知人がいない状況では、無理もない話だ。
僕達は転移してすぐに「そうそうすぐに帰れるものではない」という事実を客観的に突き付けられたから、まだいい意味で諦めることも出来たのだが。
「長期的に定住するのでも、短期間だけ居させてもらうのでも、入植は入植さ。
それに、昨日も話をしたけれど、この国では生活するのに何かと金が必要だし、金を稼ぐために冒険に出ることも叶わない。
働き口を見つけるためには、入植して身元をハッキリさせないといけないのさ」
僕の発言に、レミは俯いて寂しげな表情を浮かべた。
何とか慰めたいが、どう声をかけたものか逡巡していた時に。
「受付番号14番の方、3番窓口にお越しください」
レミの手にしたカードの番号が呼ばれた。
僕はレミの背中を軽く叩くと、彼を伴って受付へと足を向けるのだった。
「おはようございます……あ、カマンサックさん。珍しいですね、今日はどうされました?」
「おはようございます、今日は僕じゃなくて、こっちの彼の用事で来まして。
入植の手続きをお願いしに来ました」
受付に座るエルフの女性が挨拶ついでに僕に声をかけてくる。
そういえば僕自身、三か月ほど前の入植手続きの際から、転移課にお世話になることが無かった。五人で一度に入植にやってきて、住居や職業の斡旋を受けずに定住している僕達のことは、職員も印象に残っていたらしい。
僕が傍らに立つレミの方に目を向けると、緊張しているのか表情が強張っている様子だった。
ぎこちない表情のレミを見て苦笑しつつ、受付の女性が一枚の用紙を取り出してくる。
「入植ですね、かしこまりました。
それではこちらの用紙に、お名前と生年月日、性別、年齢、所持技能をご記入ください」
目の前に出された用紙に目を何度か瞬かせたレミが、恐る恐るといった様子でボールペンを手に取る。
入植にあたって記入する用紙は、自らの世界の文字で記入することになっている。耳で聞く言葉、口から発する言葉が日本の人々のそれと通じ合うものであっても、書く文字については同一でないケースが殆どだからだ。
僕達の場合も会話は全く問題が無かったものの、文字の読み書きについては文字体系が大きく異なるせいで非常に苦労した。
リンクス株式会社に入社してから一か月間、みっちりと日本語の読み書きを習ったので、ひらがなカタカナはマスターしたものの、漢字は未だに扱い切れていない。
ちなみに技能とは、自身で所持する技能の総称だ。この世界で使えるか使えないかは、また別の問題になるので置いておくとして、その技能の内容で斡旋される職業が変わってくる。
例えば僕の場合だと、料理、工芸(石)、自然魔法(大地)となる。多分、社長から直々にスカウトされなくても居酒屋やレストランの求人を回されたんだろうな、と思う。
「書けたぞ、これで問題はないか?」
ボールペンを置いたレミが、僕に用紙を見せてくる。レミの世界の文字と僕の知る文字は全く異なるため、何が書いてあるのかはさっぱり理解できないが、情報の抜けはなさそうだ。
「大丈夫じゃないかな?それじゃ、この用紙を受付のお姉さんに」
「失礼しますね……はい、大丈夫ですね。それでは、お名前をフルネームで仰っていただけますか?」
少し身を乗り出し、カウンターに置かれた用紙を受付の女性が手に取る。
内容を確認すると女性はペンを取って、レミに問いかけた。名前のフリガナを振るためだ。
レミは一瞬目を閉じて息を整えると、前をまっすぐ見据えて口を開いた。
「レミ・ヴァルモン」
「……ありがとうございます。それでは次に、こちらのプレートに右手を置いていただけますか?」
レミの名前の読みを用紙に記入すると、女性がカウンターの上に、薄い金属製のプレートを取り出してきた。
僕も入植の際にこのプレートに手を置いた。ここに手を置くと、そこから身体の中の何かしらの情報を読み取り、元いた世界がどこなのかを判定することが出来るのだそうだ。
恐る恐るレミが右手をプレートの上に置くと、プレートに接続されたコンピュータの画面が明滅を開始する。そして数十秒後、判定が終わったようでプレートから手を離すよう指示された。
「ワールドコード388C……「サヴァラント」ですね。新宿区では初めてですが、過去に穴が出現したケースはあります」
「何故……分かるんだ?」
首をかしげるレミに、受付の女性はゆるりと微笑みを見せた。
「異世界からいらした皆さんの来歴は、日本国内全体で情報を共有されているのですよ。
それでは、次に入植者カードの作成と、住居の斡旋を――」
「カマンサックさぁぁぁぁん!!」
次の工程に移ろうかというところで、2階フロアに僕を呼ぶ大声が響いた。
何事かと声のした方を向くと、青い鱗を持った小型のドラゴンが、僕目掛けて飛んでくるではないか。
ドラゴンは僕の目の前でブレーキをかけて停止すると、わたわたと両手をばたつかせて声を張り上げた。
「久しぶりに転移課にいらしたと聞いたので……ちょうどよかった!お話したいことがあるのでついてきてください!」
「何事ですか、一体……?レミさん、ごめん。後はそちらのお姉さんに付いて説明を受けていてくれ」
「??……あ、あぁ」
目をぱちくりさせるレミに頭を下げて、僕は先導して宙を飛ぶドラゴンの後をついていった。
ちょうどレミの入植手続きは、別室に移動しての写真撮影や住居の斡旋になる。ここで席を外しても問題ないだろう。
~新宿区役所 3階~
~転移課 情報集積室~
案内された部屋は、転移課のエリア内にある一つの部屋だった。
壁一面に巨大なコンピュータが並び、正面の液晶画面には新宿区の地図が大きく表示されている。
地図上には何やらマークがいくつも灯っては消え、マークの下に数字とアルファベットも見える。
「ご足労頂きありがとうございます、カマンサックさん」
目的の部屋に僕を案内したドラゴンは、改めて僕に頭を下げた。その小さな体躯はマスコット的で愛らしい。実際、転移課のマスコットとして扱われていた記憶がある。
「一体何がどうしたんですか、クズマーノさん。転移課課長ともあろう方が直々になんて」
僕は立ち入った部屋の設備を見回しながら、目の前で頭を下げるドラゴンに訝し気な視線を向けた。
そう、目の前のマスコットチックなドラゴンは、新宿区役所の転移課課長、マルチェッロ・クズマーノ。ちなみにこれでも52歳らしい。
何度か陽羽南にも来店している常連客だ。
ドラゴン――マルチェッロは首をこてんと傾けると、眼前の液晶画面に表示された新宿区の地図を指し示す。
「いや、ね。貴方達五人が転移してきた、ワールドコード1E7「チェルパ」なんですけれど、ここ一ヶ月の間に随分穴が開いていまして。
その世界の住人であったカマンサックさんに、情報を提供しなくてはと思ったのです」
マルチェッロがコンピュータの前に立つ係員に指示を出すと、液晶画面に表示された新宿区の地図に変化が起きた。
それまでは様々な色の、様々な形のマークが現れたり消えたりしていたのが、単一の色の一種類のマークが、ぽつりぽつりと表示されるようになったのだ。
マークの下に記された文字は、いずれも「1E7」。
「これがつまり、僕達の世界に繋がる穴の出現記録、というわけですか」
「そういうことです。この一か月間の間に、新宿区内だけでも実に15回。それでいて他の地域ではほとんど接続が見られない。異常という他ありません。」
マルチェッロの言葉に、僕はうーんと唸るしかなかった。
新宿区に集中して開く、僕達の世界の穴。その頻度は明らかに、他の穴と一線を画している。これは確かにおかしい。
「これ、こちらから人が転移していったとか、逆にあちらから人が転移してきたとか、その辺の記録はないんですか?」
「あちらから、鳥のような小動物が一体転移してきただけですね。いずれの穴もサイズが小さく、接続時間もごく短時間でした」
穴が開くといっても、大きさも繋がる時間も様々だというのは、僕達が転移してきた当日に説明を受けたとおりだ。
僕達五人が一度に転移できるような大きさの穴が開くことは、マルチェッロの話によるとだいぶ稀な事例らしい。
大概は人が一人なんとか通れるくらいのサイズが多く、開いている時間もごく短い期間であることが殆どだそうだ。
「ともかく、「チェルパ」の穴については今後も注視していく予定でいます。
タイミングを見て陽羽南の他の皆さんにもご説明しますので、お時間のある時に新宿区役所にお越しいただけるよう、調整しておいてください。
何か大きな異変がありましたら、私からもカマンサックさんやお店の方に連絡を入れますので」
「……わかりました、お手数をおかけします」
そうして、僕とマルチェッロは互いにお辞儀をした。調査に時間を割いてもらう以上、こちらも協力はしないとならない。
連絡先を交換し、情報集積室から出た僕は、職員に連れられたレミが近くの部屋から出てくるのを見かけた。
僕の姿を認めると、ぱぁっと明るい表情になったレミが近寄ってくる。その手には真新しい入植者カードが握られていた。
~第22話へ~
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