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第50話:原作主人公を助ける悪役②
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――……ルカからの称号?
きっと、というかそうに違いない。
原作主人公から師匠呼ばわり……というのはどうなんだ?
少なくとも悪印象ではないと思うが、逆に好かれるとそれはそれで困りそうな……。
断罪フラグへの影響について考えだしたとき、手の甲にある学園の紋章からアナウンスが聞こえた。
[“キタルの森”での試験が終了しました。三十秒後自動で学園まで転送されるので、そのままジッとしていてください]
どうやら、ちょうど試験も終わったらしい。
いつの間にか、生徒の順位は確認できなくなっていた。
ルカたちの手前か、カレンが耳元でこっそりと話す。
「師匠になってほしいだなんてすごいじゃない。私たちトップだといいわね」
「あ、ああ、そうだな」
笑顔で答えたものの、シナリオが変な方向に動き出した気がしてならない。
ルカのキラキラした眼差しを残し、俺たちは学園へと帰還した。
□□□
「……さて、成績を発表する。トップはギルベルトとカレンのペアだ。よくやった」
「「ありがとうございます」」
ライラ先生からオリーブの形をした小さなバッジを貰う。
これは“学園勲章”。
実地試験や座学、課外活動などで稀有な成績を納めた者に授与される。
たくさん持つほど学園内で上位の生徒という証となり、上級生にも一目置かれる。
“学園勲章”の数は卒後の進路にも影響するので、生徒たちは必死に努力する……という設定もあった。
ちなみに、ネリーのチームは2位だ。
肉薄されていたが、森林タイガーの魔石が決め手だったな。
ライラ先生はいつもの怖い顔になると、一人の生徒を睨んだ。
「さて、最下位の男子生徒はお前だな」
「ええ、そうですけど。何スか?」
視線の先にいるのは、クラスの中でもガタイが良さげな茶髪に茶色目の男子。
あいつはクレマン。
サヴォイア伯爵家の嫡男だ。
原作では特に害はなかったが、イキッたヤンキーっぽい感じが鼻についたのがよく覚えている。
ライラ先生の嫌いそうなタイプだな。
我らが師匠はクレマンの前に歩くと、有無を言わさぬ声音で言った。
「立て」
クレマンは面倒そうにのろのろと立ち上がる。
お、おいっ、もっと迅速に行動しろよ!
それだけで死亡フラグなのに、あろうことかとんでもない発言をした。
「へいへい。先生ぃ、そんなおっかない顔してたらせっかくの美人が台無しッスよぉ~。なんなら、この後デートでも……」
「死ね」
キンッ! という甲高い音が聞こえ、クレマンは床に崩れ落ちた。
ガタイのいい男が微動だにすらしない様子を見て、男子ズは局部をそっと抑える。
嘘でも冗談でもないことが証明され、みな(男子のみ)血の気が失せていた。
そう……ライラ先生はマジなんだよ……。
ちょっとばかしシナリオと違う展開はあったものの、何だかんだ初日も幕を閉じつつあって安心した。
……だがしかし、真の本番はこの後だった。
□□□
「た、頼むっ、少し休ませてくれぇっ」
外はもう暗いが、照明で明るく照らされた室内に俺の声が響く。
息も絶え絶えで限界が近いというのに、カレンとネリーは許してくれない。
もはや立ち上がる体力もなく、仰向けに横たわるばかりだった。
ベッドの両脇に坐する二人の目が、猟犬のように鋭く光る。
「ギルベルト、あなたの局部も首席にしないとね」
「もっと耐えてください」
「あんっ! やめてっ……あああ~っ!」
懇願しても二人はまったく容赦がなく、鍛え上げた局部をもってしても耐えきれず(何にとは言わないが)、部屋中に俺の嬌声が響き渡る。
心地良い反面、試験のたびこれが続くかと思うと少々不安になるのであった。
きっと、というかそうに違いない。
原作主人公から師匠呼ばわり……というのはどうなんだ?
少なくとも悪印象ではないと思うが、逆に好かれるとそれはそれで困りそうな……。
断罪フラグへの影響について考えだしたとき、手の甲にある学園の紋章からアナウンスが聞こえた。
[“キタルの森”での試験が終了しました。三十秒後自動で学園まで転送されるので、そのままジッとしていてください]
どうやら、ちょうど試験も終わったらしい。
いつの間にか、生徒の順位は確認できなくなっていた。
ルカたちの手前か、カレンが耳元でこっそりと話す。
「師匠になってほしいだなんてすごいじゃない。私たちトップだといいわね」
「あ、ああ、そうだな」
笑顔で答えたものの、シナリオが変な方向に動き出した気がしてならない。
ルカのキラキラした眼差しを残し、俺たちは学園へと帰還した。
□□□
「……さて、成績を発表する。トップはギルベルトとカレンのペアだ。よくやった」
「「ありがとうございます」」
ライラ先生からオリーブの形をした小さなバッジを貰う。
これは“学園勲章”。
実地試験や座学、課外活動などで稀有な成績を納めた者に授与される。
たくさん持つほど学園内で上位の生徒という証となり、上級生にも一目置かれる。
“学園勲章”の数は卒後の進路にも影響するので、生徒たちは必死に努力する……という設定もあった。
ちなみに、ネリーのチームは2位だ。
肉薄されていたが、森林タイガーの魔石が決め手だったな。
ライラ先生はいつもの怖い顔になると、一人の生徒を睨んだ。
「さて、最下位の男子生徒はお前だな」
「ええ、そうですけど。何スか?」
視線の先にいるのは、クラスの中でもガタイが良さげな茶髪に茶色目の男子。
あいつはクレマン。
サヴォイア伯爵家の嫡男だ。
原作では特に害はなかったが、イキッたヤンキーっぽい感じが鼻についたのがよく覚えている。
ライラ先生の嫌いそうなタイプだな。
我らが師匠はクレマンの前に歩くと、有無を言わさぬ声音で言った。
「立て」
クレマンは面倒そうにのろのろと立ち上がる。
お、おいっ、もっと迅速に行動しろよ!
それだけで死亡フラグなのに、あろうことかとんでもない発言をした。
「へいへい。先生ぃ、そんなおっかない顔してたらせっかくの美人が台無しッスよぉ~。なんなら、この後デートでも……」
「死ね」
キンッ! という甲高い音が聞こえ、クレマンは床に崩れ落ちた。
ガタイのいい男が微動だにすらしない様子を見て、男子ズは局部をそっと抑える。
嘘でも冗談でもないことが証明され、みな(男子のみ)血の気が失せていた。
そう……ライラ先生はマジなんだよ……。
ちょっとばかしシナリオと違う展開はあったものの、何だかんだ初日も幕を閉じつつあって安心した。
……だがしかし、真の本番はこの後だった。
□□□
「た、頼むっ、少し休ませてくれぇっ」
外はもう暗いが、照明で明るく照らされた室内に俺の声が響く。
息も絶え絶えで限界が近いというのに、カレンとネリーは許してくれない。
もはや立ち上がる体力もなく、仰向けに横たわるばかりだった。
ベッドの両脇に坐する二人の目が、猟犬のように鋭く光る。
「ギルベルト、あなたの局部も首席にしないとね」
「もっと耐えてください」
「あんっ! やめてっ……あああ~っ!」
懇願しても二人はまったく容赦がなく、鍛え上げた局部をもってしても耐えきれず(何にとは言わないが)、部屋中に俺の嬌声が響き渡る。
心地良い反面、試験のたびこれが続くかと思うと少々不安になるのであった。
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