極悪な悪役貴族に転生したが、最弱設定の操作魔法を過剰な努力で極めて作中最強になる~俺を断罪するヒロインを助けたら、全員ヤンデレ化して離れない

青空あかな

文字の大きさ
50 / 111

第50話:原作主人公を助ける悪役②

しおりを挟む
 ――……ルカからの称号?

 きっと、というかそうに違いない。
 原作主人公から師匠呼ばわり……というのはどうなんだ?
 少なくとも悪印象ではないと思うが、逆に好かれるとそれはそれで困りそうな……。
 断罪フラグへの影響について考えだしたとき、手の甲にある学園の紋章からアナウンスが聞こえた。

[“キタルの森”での試験が終了しました。三十秒後自動で学園まで転送されるので、そのままジッとしていてください]

 どうやら、ちょうど試験も終わったらしい。
 いつの間にか、生徒の順位は確認できなくなっていた。
 ルカたちの手前か、カレンが耳元でこっそりと話す。

「師匠になってほしいだなんてすごいじゃない。私たちトップだといいわね」
「あ、ああ、そうだな」

 笑顔で答えたものの、シナリオが変な方向に動き出した気がしてならない。
 ルカのキラキラした眼差しを残し、俺たちは学園へと帰還した。

 □□□

「……さて、成績を発表する。トップはギルベルトとカレンのペアだ。よくやった」
「「ありがとうございます」」

 ライラ先生からオリーブの形をした小さなバッジを貰う。
 これは“学園勲章”。
 実地試験や座学、課外活動などで稀有な成績を納めた者に授与される。
 たくさん持つほど学園内で上位の生徒という証となり、上級生にも一目置かれる。
 “学園勲章”の数は卒後の進路にも影響するので、生徒たちは必死に努力する……という設定もあった。
 ちなみに、ネリーのチームは2位だ。
 肉薄されていたが、森林タイガーの魔石が決め手だったな。
 ライラ先生はいつもの怖い顔になると、一人の生徒を睨んだ。

「さて、最下位の男子生徒はお前だな」
「ええ、そうですけど。何スか?」

 視線の先にいるのは、クラスの中でもガタイが良さげな茶髪に茶色目の男子。
 あいつはクレマン。
 サヴォイア伯爵家の嫡男だ。
 原作では特に害はなかったが、イキッたヤンキーっぽい感じが鼻についたのがよく覚えている。
 ライラ先生の嫌いそうなタイプだな。
 我らが師匠はクレマンの前に歩くと、有無を言わさぬ声音で言った。

「立て」

 クレマンは面倒そうにのろのろと立ち上がる。
 お、おいっ、もっと迅速に行動しろよ!
 それだけで死亡フラグなのに、あろうことかとんでもない発言をした。

「へいへい。先生ぃ、そんなおっかない顔してたらせっかくの美人が台無しッスよぉ~。なんなら、この後デートでも……」
「死ね」

 キンッ! という甲高い音が聞こえ、クレマンは床に崩れ落ちた。
 ガタイのいい男が微動だにすらしない様子を見て、男子ズは局部をそっと抑える。
 嘘でも冗談でもないことが証明され、みな(男子のみ)血の気が失せていた。
 そう……ライラ先生はマジなんだよ……。
 ちょっとばかしシナリオと違う展開はあったものの、何だかんだ初日も幕を閉じつつあって安心した。
 ……だがしかし、真の本番はこの後だった。

 □□□

「た、頼むっ、少し休ませてくれぇっ」

 外はもう暗いが、照明で明るく照らされた室内に俺の声が響く。
 息も絶え絶えで限界が近いというのに、カレンとネリーは許してくれない。
 もはや立ち上がる体力もなく、仰向けに横たわるばかりだった。
 ベッドの両脇に坐する二人の目が、猟犬のように鋭く光る。

「ギルベルト、あなたの局部も首席にしないとね」
「もっと耐えてください」
「あんっ! やめてっ……あああ~っ!」

 懇願しても二人はまったく容赦がなく、鍛え上げた局部をもってしても耐えきれず(何にとは言わないが)、部屋中に俺の嬌声が響き渡る。
 心地良い反面、試験のたびこれが続くかと思うと少々不安になるのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。 遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。 「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。 「異世界転生に興味はありますか?」 こうして遊太は異世界転生を選択する。 異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。 「最弱なんだから努力は必要だよな!」 こうして雄太は修行を開始するのだが……

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

学生学園長の悪役貴族に転生したので破滅フラグ回避がてらに好き勝手に学校を魔改造にしまくったら生徒たちから好かれまくった

竜頭蛇
ファンタジー
俺はある日、何の予兆もなくゲームの悪役貴族──マウント・ボンボンに転生した。 やがて主人公に成敗されて死ぬ破滅エンドになることを思い出した俺は破滅を避けるために自分の学園長兼学生という立場をフル活用することを決意する。 それからやりたい放題しつつ、主人公のヘイトを避けているといつ間にかヒロインと学生たちからの好感度が上がり、グレートティーチャーと化していた。

【収納】スキルでダンジョン無双 ~地味スキルと馬鹿にされた窓際サラリーマン、実はアイテム無限収納&即時出し入れ可能で最強探索者になる~

夏見ナイ
ファンタジー
佐藤健太、32歳。会社ではリストラ寸前の窓際サラリーマン。彼は人生逆転を賭け『探索者』になるも、与えられたのは戦闘に役立たない地味スキル【無限収納】だった。 「倉庫番がお似合いだ」と馬鹿にされ、初ダンジョンでは荷物持ちとして追放される始末。 だが彼は気づいてしまう。このスキルが、思考一つでアイテムや武器を無限に取り出し、敵の魔法すら『収納』できる規格外のチート能力であることに! サラリーマン時代の知恵と誰も思いつかない応用力で、地味スキルは最強スキルへと変貌する。訳ありの美少女剣士や仲間と共に、不遇だった男の痛快な成り上がり無双が今、始まる!

処理中です...