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第88話:地下室②
「よくやった、ギルベルト君! さすがは学園最強の一年生だ!」
「お見事です、ギル師匠! あの魔導デュラハンに剣術で勝つなんて……!」
「二人が控えてくれていたので、安心して戦いに挑めました」
三人と手を取り合って勝利を喜ぶと、いよいよ地下室に入る瞬間が来た。
みんなで顔を見合わせると、ニコラ先輩が静かに扉を開ける。
中央にテーブルが一つあるだけの、5m四方くらいの小部屋が広がった。
そして、テーブルの上には……。
「これが父上の言っていた書物だね」
五冊の本が積み重ねられている。
エトマン侯爵のいう“呪われた書物”とやらだ。
ニコラ先輩が一冊ずつテーブルに並べてみる。
表紙はどれも濃紺のべた塗りで、題名や著者名などは書かれていなかった。
あとは屋敷に持ち帰って終わりかな、と思っていたら、ニコラ先輩がニヤリとして言った。
「ねえ、二人とも……中身が気にならないかい?」
「「えっ……!」」
驚く俺たちに対し、ニコラ先輩は落ち着いた様子で話す。
「父上は見るな、と言っていたけど、せっかくここまで来たんだ。少し見るくらいなら許してくれるさ」
「「で、でも、呪いが……!」」
その手はすでに本の端っこを摘んでいる。
少しばかり気が引ける俺たちに対し、我らが先輩は爽やかな笑顔で俺を見て言った。
「呪われたとしても……君が何とかしてくれるだろ?」
「ニコラ先輩……」
ここまで俺を信頼してくれているんだ……。
嬉しさがじわじわと胸にこみ上げ、俺も自分の指先をニコラ先輩に乗せた。
「ギルベルト君……?」
「どうせなら一緒に開きましょう。もし呪いが発動しても、即座に操作魔法でどうにかしますので」
俺がそう言うと、ニコラ先輩はフッ……と小さく笑った。
ルカもまた、見守るように俺たちを見ている。
俺とニコラ先輩は息を合わせ……本をめくる!
「「せーのっ!」」
バッ! と勢いよく開いたら、目に飛び込んできた。
肌も露な女性たちが……。
要するに、“呪われた書物”とやらはこの世界の”叡智な本”だった。
「「おおお~!」」
地下室に俺とニコラ先輩の歓喜の声が響く。
正直なところ、前世でもネットやら何やらで、こういう画像や絵は何度も見てきた。
だけど、なんだろうな。
紙で見ると特別な気がするんだ。
まさか、“叡智な本”だったとは……。
思いがけない宝物を見つけた気分だった。
しかも、一冊だけじゃない。
机の上には何冊も置かれている。
「ニ、ニコラ先輩、他の書物も確認してみましょうっ」
「そ、そうだね、しっかり確認しなければっ」
嬉々として二人で本をめくり出す。
……ん? 二人で?
「……男の人って本当にこういうのが好きですね」
「「ル、ルカ(さん)!」」
振り返ると、ジト……という音が聞こえるほどのジト目をしたルカがいた。
それはもう、淡々と俺とニコラ先輩を見る。
「い、いや、違うんだ、ルカ! 本を開こうって言ったのはニコラ先輩で……!」
「こ、こら、ギルベルト君! 僕のせいにしないでくれたまえ! 君だって喜んで見ていたじゃないか!」
「カレンさんとネリーさんにも報告します」
「ル、ルカ、それだけはやめてくれー!」
あの二人にバレたら……たぶん俺は死ぬ。
今回みたいな事案は初めてだが、よくわかるんだ。
結局、必死にルカを宥め、どうにか秘密にしてもらうことにした。
「じゃ、じゃあ、帰りましょうか、ニコラ先輩。あまり遅くなるとみんなも心配するでしょうし」
「そ、そうだね、それがいい。さあ、帰ろうか、ハハハハハッ」
本は布に包んで硬く縛り、俺たちは“ヨフリ城”を後にする。
「お見事です、ギル師匠! あの魔導デュラハンに剣術で勝つなんて……!」
「二人が控えてくれていたので、安心して戦いに挑めました」
三人と手を取り合って勝利を喜ぶと、いよいよ地下室に入る瞬間が来た。
みんなで顔を見合わせると、ニコラ先輩が静かに扉を開ける。
中央にテーブルが一つあるだけの、5m四方くらいの小部屋が広がった。
そして、テーブルの上には……。
「これが父上の言っていた書物だね」
五冊の本が積み重ねられている。
エトマン侯爵のいう“呪われた書物”とやらだ。
ニコラ先輩が一冊ずつテーブルに並べてみる。
表紙はどれも濃紺のべた塗りで、題名や著者名などは書かれていなかった。
あとは屋敷に持ち帰って終わりかな、と思っていたら、ニコラ先輩がニヤリとして言った。
「ねえ、二人とも……中身が気にならないかい?」
「「えっ……!」」
驚く俺たちに対し、ニコラ先輩は落ち着いた様子で話す。
「父上は見るな、と言っていたけど、せっかくここまで来たんだ。少し見るくらいなら許してくれるさ」
「「で、でも、呪いが……!」」
その手はすでに本の端っこを摘んでいる。
少しばかり気が引ける俺たちに対し、我らが先輩は爽やかな笑顔で俺を見て言った。
「呪われたとしても……君が何とかしてくれるだろ?」
「ニコラ先輩……」
ここまで俺を信頼してくれているんだ……。
嬉しさがじわじわと胸にこみ上げ、俺も自分の指先をニコラ先輩に乗せた。
「ギルベルト君……?」
「どうせなら一緒に開きましょう。もし呪いが発動しても、即座に操作魔法でどうにかしますので」
俺がそう言うと、ニコラ先輩はフッ……と小さく笑った。
ルカもまた、見守るように俺たちを見ている。
俺とニコラ先輩は息を合わせ……本をめくる!
「「せーのっ!」」
バッ! と勢いよく開いたら、目に飛び込んできた。
肌も露な女性たちが……。
要するに、“呪われた書物”とやらはこの世界の”叡智な本”だった。
「「おおお~!」」
地下室に俺とニコラ先輩の歓喜の声が響く。
正直なところ、前世でもネットやら何やらで、こういう画像や絵は何度も見てきた。
だけど、なんだろうな。
紙で見ると特別な気がするんだ。
まさか、“叡智な本”だったとは……。
思いがけない宝物を見つけた気分だった。
しかも、一冊だけじゃない。
机の上には何冊も置かれている。
「ニ、ニコラ先輩、他の書物も確認してみましょうっ」
「そ、そうだね、しっかり確認しなければっ」
嬉々として二人で本をめくり出す。
……ん? 二人で?
「……男の人って本当にこういうのが好きですね」
「「ル、ルカ(さん)!」」
振り返ると、ジト……という音が聞こえるほどのジト目をしたルカがいた。
それはもう、淡々と俺とニコラ先輩を見る。
「い、いや、違うんだ、ルカ! 本を開こうって言ったのはニコラ先輩で……!」
「こ、こら、ギルベルト君! 僕のせいにしないでくれたまえ! 君だって喜んで見ていたじゃないか!」
「カレンさんとネリーさんにも報告します」
「ル、ルカ、それだけはやめてくれー!」
あの二人にバレたら……たぶん俺は死ぬ。
今回みたいな事案は初めてだが、よくわかるんだ。
結局、必死にルカを宥め、どうにか秘密にしてもらうことにした。
「じゃ、じゃあ、帰りましょうか、ニコラ先輩。あまり遅くなるとみんなも心配するでしょうし」
「そ、そうだね、それがいい。さあ、帰ろうか、ハハハハハッ」
本は布に包んで硬く縛り、俺たちは“ヨフリ城”を後にする。
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