無能テイマーと追放されたが、無生物をテイムしたら擬人化した世界最強のヒロインたちに愛されてるので幸せです

青空あかな

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第17話:ギルドマスターからの頼み

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〔「た、ただいま帰りました」〕
〔ただいまぁ〕

 “火柱の迷宮”を攻略(全破壊)してからまた小一時間ほど歩き、俺たちはギルドに戻ってきた。
 ギルドに入るや否や、ケビンさんが心配そうな顔をして、さらに大慌てで飛んできた。

「え? アイトじゃないか。ずいぶん早いな、どうした。もしかして……何かあったのか!? ケガでもしたか!?」
「い、いえ、俺たちは無事です。クエストが終わったので帰ってきたんです」
「……終わった? だって、さっき出て行ったばかりだろ?」

 クエストに向かってから、まだ半日も経っていない。
 ギルドから近い場所にあったとはいえ、Aランクダンジョンを1日もかけずにクリアするなど前例がないことだ。
 とはいえ、実際にクリアしてしまったのだからしょうがない。

「え、ええ、でも、もう攻略しちゃったんです」
「そうなのか……。まぁ、でもアイトなら当然かもしれないな。俺はもう大したことじゃ驚かなくなったよ」
「秘薬も入手してきました。これです」
〔お受け取り下さい〕
〔わざわざ傷つけないように、気をつけたんだからね〕

 鞄から例の秘薬を取り出し、ケビンさんに渡した。

「お、おお、ありがとう。……ん? アイトはずいぶんと、たくさんの魔石と素材を持っているな」

 ケビンさんは興味深そうに俺の鞄を見る。
 ダンジョンでゲットした魔石と素材はとにかく大量だ。
 俺の鞄から零れ落ちそうなくらい。
 さすがに素材は全部持って来られなかったので、また後で取りに行くつもりだった。

「実は、モンスター全部をエイメスが倒してくれちゃったんです」
〔それも一撃だったのですよ〕
「一撃? でも、結構強い奴らもいただろ? BランクもAランクモンスターもいるはずだが……」
「彼女の稲妻攻撃がめちゃくちゃ強かったんです」
〔エイメスさんの稲妻に触れた瞬間、モンスターは魔石と素材になりました〕

 俺たちはダンジョンであったことを簡単に説明する。
 ケビンさんは真剣な表情で聞いてくれた。

「……そうだったのか。さすがは元Sランクダンジョンだな」
〔別に、すごくも何ともないよ〕

 エイメスはどうでもいいようで、魔石を転がして遊んでいた。
 俺たちが話していると、ギルドの冒険者たちも集まってきた。

「お疲れ、アイト! もうクエストクリアしたんだって? お前、ホントすげえな!」
「すっかり追い抜かれちまったぜ!」
「さすがはギルドのエースだな!」

 今まではこんなに注目を浴びることはなかった。
 これも全部、コシーやエイメスのおかげだな。

「「なぁ、俺たちにも魔石と素材を見せてくれよ!」」
「ええ、いいですよ」

 俺は机の上に魔石と素材を広げた。
 改めて見ると、本当にたくさんの種類があった。

「おお! 全部でどれくらいあるんだろうな!」
「こんなにたくさんの魔石と素材、オレは初めて見たよ!」
「オーガナイト、ゴーレム、ガーゴイル……Aランクモンスターの魔石と素材ばっかじゃねえか! しかも、激レアのメタルゴブリンの魔石と素材まであるぞ!」
「アイトは大金持ちになれるな!」

 ギルドのみんなは、魔石と素材を囲んでワイワイ楽しそうにしている。
 微笑ましい気持ちで見ていると、ケビンさんが俺たちをそっと手招きするのが見えた。

「どうしたんですか? ケビンさん」
「なぁ、アイト。俺から頼みがあるんだがな」
「はい、なんでしょう」
「まだ、正式なクエストではないんだがな。……モンスターの討伐をお願いしたいのだ。疲れてるところ悪い」

 ケビンさんは申し訳なさそうな表情で言う。
 無論、断るつもりなんてなかった。

「モンスターの討伐ですか? いいですよ。それに、全く疲れてませんから」
〔マスター、私も大丈夫です〕
〔私も全然いいよ〕

 エイメスが一撃で全てを葬り去ったので、実質行って帰ってきただけだ。

「ありがとう、助かるよ。少し離れたカズシナ村から、モンスター討伐の依頼が入ったのだ。何でもグリズリーが人里に出てきて、村人たちが危険にさらされているようなんだ」
「それは早く助けないといけませんね」
〔大変です〕
〔かわいそう〕

 グリズリーはAランクモンスターだ。
 基本的に山奥で暮らすが大変に凶暴な性格で、人間なんて見るだけで襲うほどだ。

「ウワサだとグリズリーの巣の近くに、ゴールデンドラゴンがやってきたらしくてな。そのせいで棲み処を追われて村に出てくるようなんだ」
「ゴールデンドラゴン……ですか」

 俺はその名を聞いて、恐れるよりかは驚いた。
 まさか、その名前を聞くことになるなんて。

〔立派な名前のドラゴンだね〕
〔マスター。ゴールデンドラゴンとは、どのようなモンスターですか?〕
「全身が黄金で覆われている、Sランクのドラゴンだよ。鱗から爪の先まで、全て金なんだ。その姿を見た者は一生幸せになるって聞いたことがある。金の汗をかくから、ゴールデンドラゴン探しを専門にする冒険者もいるみたい」

 Sランクモンスターなんて、そうそうお目にかかれない。
 一度も出会うことなく冒険者生活を終える人もいるくらいだ。

「アイト。ゴールデンドラゴンは危険な相手だから、倒そうとしなくて大丈夫だ。こちらから危害を加えなければ、攻撃してこないはずだからな。グリズリーたちを倒すことに、専念してくれ。まぁ、それでも十分危ないのだが。どうだ? やってくれるか?」

 他ならぬ、ケビンさんからの頼みだ。
 断る理由などない。

「ええ、もちろん行きますよ!」
「ありがとう、アイト! お前は本当に頼りになるよ!」

 ケビンさんはとても喜ぶ。
 直接引き受けた仕事なのだ。
 しっかりやり遂げよう。

「じゃあ、準備が出来次第、向かいます」
〔マスターならどんな相手でも敵ではありません〕
〔アイトとデートだ〕
「デ、デートって、そんな……」

 ――俺の力が誰かの人助けになるんだ。

 エイメスの言うことは別として、俺は人の役に立てると思うと嬉しくなった。
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