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第四章 お猫様とご主人さま
お猫様は、作戦会議に参加する【ΦωΦ】
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ΦωΦ
リオンの手はジャルよりも小さくてあったかくなかったけど、アタシに触れる手つきは優しくて悪くなかったわ。こういうのをキューダイテンっていうのかしら。
リオンはなんか風を吹かせてアタシを乾かしてくれた。ドライヤーみたいにうるさくないし、風の温度もちょうどよくて心地よかったわ。うん、やっぱり悪くないわね。
乾かしてもらったアタシはお礼も兼ねてリオンの指先をペロリと一舐めしてあげた。それからお気に入りのジャルの膝に向かって、そこで丸くなる。
ご主人さまをすぐにも助けに行きたいのは山々だけど、あのいけ好かないオスにはアタシの猫パンチが全然効いてなかったら、次に会った時にどうしてやるか考えないと。やっぱり自慢の爪で引っ掻くのがいいかしら。ご主人さまが定期的にアタシの爪を切るけど、今は引っ掻くのに十分なくらいに伸びてるからたぶんいけるわよね。
ジャルの大きな手がアタシの背中を撫でる。やっぱりジャルの手はあったかくて好き。ここでご主人さまがアタシの頭を撫でてくれたら完璧なのに。
そんなことを考えていた時、ジャルが何かを話し始めた。
「リオン、マロンちゃんからウォルフの力を感じるのですよね?」
「うん。今も強く感じるよ。これだけ強ければ、おじいさまの居場所を特定するのも難しくない」
「ほんと、自信家だよねぇ、アイツ」
「それに見合う実力があるから余計タチが悪いんだろ」
リオンの言葉を聞いて、サディとダニーも何か言ってるわ。アタシには難しいことを言っているからよく分からないけれど、たぶんあのいけ好かないオスの悪口を言ってる気がするわ。あのオスは嫌いだから、どんどん悪口を言ってほしいところね。
「たちが悪いというのは私も同意見です。マロンちゃんに居場所の痕跡を残したのも、私たちに対する……いえ、これはおそらく、私に対する挑発でしょう。アイラさんを誘拐したことからもそれが窺えます」
ジャルがアタシを撫でていない方の手をグッと握る。なんかミシミシって音が聞こえるわ。ジャルってば、すごく力を込めているみたい。歯も食いしばっているのか、ギリギリって軋む音がしている。力みすぎもよくないわ。
「ニャア」
アタシは頭を上げてジャルに声を掛けた。するとジャルも少しは落ち着いたみたいで、手の力を緩める。
「……マロンちゃんもアイラさんが連れ去られて不安でしょうに、私のことを気遣ってくれるのですね。ありがとうございます」
ジャルはそう言うと、太い指でアタシのおでこをくすぐった。ううん、気持ちいいわ。
アタシが声を掛けたことでジャルも少し落ち着いたみたい。ふうー、とゆっくりと息を吐いていた。
「さて、これからのことを協議しましょう。まず、アイラさんを連れ去ったウォルフの居場所についてですが、これはマロンちゃんに残された形跡から移動は可能でしょう」
「うん。だけど今の段階じゃぼくしかおじいさまのところに移動できないだろうから、この神力をジャルおじさんたちにも感じ取れるようにしないとね」
「そう思って、ガーデンに変換器を用意するよう連絡してるよ」
「へえ、サディにしちゃあ仕事が早いな」
「そりゃボクだってやる時はやるよ。何せアイラの無事が掛かってるんだから」
サディがふんっ、と胸を張る。なんかその姿が憎たらしいから、後で練習がてら引っ掻いてやりましょ。でも、ご主人さまのことを心配しているのはなんとなく分かるから、引っ掻いた後は甘噛みしてあげるわ。
アタシがこの後サディに何をしてやろうかと考えていると、ダニーがううん、と小さく唸ってこんなことを言い出した。
「魔族でも神力を感じ取ることができれば楽なんだがなぁ」
「こればかりは仕方ありません。遥か昔、我々の祖先がこの地に現れた時からの名残なのですから」
「大昔から敵対関係だったから、互いの力を悟られないように進化したんだっけ?」
「戦争中はそれで良かったかもしれんが、今となっては面倒なことだな」
「あと二、三ほど代を重ねれば私たちもお互いの力を感じ取ることができるようになるでしょう。ですがそのことは今話し合っても仕方がありません」
サディたちが何か話していたけれどジャルが終わらせる。その声にはいつもの穏やかさが戻ってきたみたい。アタシを撫でる手つきもさっきより優しくなってるから、うっかり喉を鳴らしてしまったわ。
「ふふ、マロンちゃんも落ち着いたみたいですね。さて……それでは、今後の方針を固めましょう」
ジャルは真面目な声で話し始めた。
「まず、ゲパルドに戻ります。ウォルフを相手にすることになるので、サディ、ダニー、二人とも戦闘準備は整えておくように」
「ボクはどっちかというと頭脳労働担当なんだけどなぁ。まあ、こればかりは仕方ないね」
「了解だ。テーラの管理も、まあ部下に任せときゃ問題ないだろ」
サディとダニーが頷いているところに、リオンがおずおずと口を挟む。
「あの、ぼくも一緒に」
だけどその言葉は、ジャルが首を振ることで遮られた。
「リオンは神王国へ戻ってください。リオンには何も罪はありませんが、先々代の神王が魔王国の要人を誘拐したのです。国として、神王国には責任を取ってもらわないといけませんから、きっとこれから忙しくなります」
ジャルの言葉を受けてリオンはなんだか気落ちしたようだ。そんなリオンに対し、ジャルはいつもみたいな優しい表情を浮かべて、穏やかに声を掛けた。
「心配しないでください。魔王国として神王国に対する声明は送りますが、責任はもちろんウォルフに取らせます」
「……うん、わかった。ぼくも神王として、おじいさま……ウォルフを厳しく罰するよ。ひとまず逃げ出さないように神力を封じなきゃいけないけど……」
「あの無尽蔵の神力を封じるって、どうするつもりだ?」
ダニーのこの言葉で、みんなの体が硬直する。ジャルもどうしてか頭を抱えた。
「そうなんですよね……ひとまず物理的に動きを封じるのは私でも可能なのですが」
「サラッとこわいこと言うよね、ジャルって」
「物理的に動きを封じるって、それってつまりボコボコにするってことだからな」
「おじいさまと対等に渡り合えるジャルおじさんって本当にすごいな……」
サディ、ダニー、リオンの三人は何か言いながら顔を青くしている。いったいどうしたのかしら? まあいいわ。サディが言ってたけど、あのオスをボコボコにするのはアタシは大賛成。
これってなんて言えばいいのかしら? ええと、クビヲアラッテマッテナサイだっけ?
ちょっと興奮してきちゃったわ、ふすふすしちゃう。
アタシがふんふん鼻を鳴らしているのを見て、ジャルが小さく笑いながら頭を撫でてくれた。
「マロンちゃんもやる気十分なんですね。でも危険ですから、ウォルフの相手は私たちがやりますよ」
「でもマロンは小さいしすばしっこいから、ボクたちがウォルフの足止めをしている間にアイラを探してもらおうか」
「ああ。ウォルフの性格上、人質を隠すことはあっても盾にするなんてことはないだろうしな」
ジャルたちがアタシにあのオスと戦うなって言ってくる。まったく、冗談じゃないわ! あのオスの顔をいっぱい引っ掻かないと気が済まないのよ!
アタシが違う意味でふんふんしていると、リオンが立ち上がってアタシの元にやってくる。そしてアタシの頭を一回撫でてから、顔を上げた。アタシと同じ黄色い目は、真っ直ぐにジャルを見ている。
「ジャルおじさん……いえ、魔王殿。私、神王は、此度の神族の引き起こした問題について解決に尽力すると共に、首謀者であるウォルフに代わり誠心誠意謝罪いたします」
リオンはそう言って頭を下げた。一瞬辺りが静かになったけれど、すぐに音が生まれる。リオンが笑ったの。
「ジャルおじさんにこういうことを言うのはやっぱり慣れないな。……うん、とりあえず、ぼくは城に戻っておじいさまの残している書物や手記を洗ってみる。おじいさまの力を封じる、もしくは抑え込むことのできる方法がないか探ってみるよ」
「リオン、お願いします」
「あの問題児はボクたちに任せて、坊ちゃんは坊ちゃんにしかできないことを頑張ってよ」
「坊ちゃんって言うな!」
サディの発言にリオンが顔を真っ赤にして怒る。だけど次の瞬間にはみんな笑い声を上げた。
「ふふ、気分が解れました。ありがとうございます、リオン。それはそれとして……サディの今の発言は給与査定に響いてきますからね」
「えっ、それはあんまりじゃないかい!?」
ぎゃあぎゃあと言うサディの悲鳴が耳障りだったから、さっき考えていた通りサディの顔を引っ掻いてやったわ。
リオンの手はジャルよりも小さくてあったかくなかったけど、アタシに触れる手つきは優しくて悪くなかったわ。こういうのをキューダイテンっていうのかしら。
リオンはなんか風を吹かせてアタシを乾かしてくれた。ドライヤーみたいにうるさくないし、風の温度もちょうどよくて心地よかったわ。うん、やっぱり悪くないわね。
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ジャルの大きな手がアタシの背中を撫でる。やっぱりジャルの手はあったかくて好き。ここでご主人さまがアタシの頭を撫でてくれたら完璧なのに。
そんなことを考えていた時、ジャルが何かを話し始めた。
「リオン、マロンちゃんからウォルフの力を感じるのですよね?」
「うん。今も強く感じるよ。これだけ強ければ、おじいさまの居場所を特定するのも難しくない」
「ほんと、自信家だよねぇ、アイツ」
「それに見合う実力があるから余計タチが悪いんだろ」
リオンの言葉を聞いて、サディとダニーも何か言ってるわ。アタシには難しいことを言っているからよく分からないけれど、たぶんあのいけ好かないオスの悪口を言ってる気がするわ。あのオスは嫌いだから、どんどん悪口を言ってほしいところね。
「たちが悪いというのは私も同意見です。マロンちゃんに居場所の痕跡を残したのも、私たちに対する……いえ、これはおそらく、私に対する挑発でしょう。アイラさんを誘拐したことからもそれが窺えます」
ジャルがアタシを撫でていない方の手をグッと握る。なんかミシミシって音が聞こえるわ。ジャルってば、すごく力を込めているみたい。歯も食いしばっているのか、ギリギリって軋む音がしている。力みすぎもよくないわ。
「ニャア」
アタシは頭を上げてジャルに声を掛けた。するとジャルも少しは落ち着いたみたいで、手の力を緩める。
「……マロンちゃんもアイラさんが連れ去られて不安でしょうに、私のことを気遣ってくれるのですね。ありがとうございます」
ジャルはそう言うと、太い指でアタシのおでこをくすぐった。ううん、気持ちいいわ。
アタシが声を掛けたことでジャルも少し落ち着いたみたい。ふうー、とゆっくりと息を吐いていた。
「さて、これからのことを協議しましょう。まず、アイラさんを連れ去ったウォルフの居場所についてですが、これはマロンちゃんに残された形跡から移動は可能でしょう」
「うん。だけど今の段階じゃぼくしかおじいさまのところに移動できないだろうから、この神力をジャルおじさんたちにも感じ取れるようにしないとね」
「そう思って、ガーデンに変換器を用意するよう連絡してるよ」
「へえ、サディにしちゃあ仕事が早いな」
「そりゃボクだってやる時はやるよ。何せアイラの無事が掛かってるんだから」
サディがふんっ、と胸を張る。なんかその姿が憎たらしいから、後で練習がてら引っ掻いてやりましょ。でも、ご主人さまのことを心配しているのはなんとなく分かるから、引っ掻いた後は甘噛みしてあげるわ。
アタシがこの後サディに何をしてやろうかと考えていると、ダニーがううん、と小さく唸ってこんなことを言い出した。
「魔族でも神力を感じ取ることができれば楽なんだがなぁ」
「こればかりは仕方ありません。遥か昔、我々の祖先がこの地に現れた時からの名残なのですから」
「大昔から敵対関係だったから、互いの力を悟られないように進化したんだっけ?」
「戦争中はそれで良かったかもしれんが、今となっては面倒なことだな」
「あと二、三ほど代を重ねれば私たちもお互いの力を感じ取ることができるようになるでしょう。ですがそのことは今話し合っても仕方がありません」
サディたちが何か話していたけれどジャルが終わらせる。その声にはいつもの穏やかさが戻ってきたみたい。アタシを撫でる手つきもさっきより優しくなってるから、うっかり喉を鳴らしてしまったわ。
「ふふ、マロンちゃんも落ち着いたみたいですね。さて……それでは、今後の方針を固めましょう」
ジャルは真面目な声で話し始めた。
「まず、ゲパルドに戻ります。ウォルフを相手にすることになるので、サディ、ダニー、二人とも戦闘準備は整えておくように」
「ボクはどっちかというと頭脳労働担当なんだけどなぁ。まあ、こればかりは仕方ないね」
「了解だ。テーラの管理も、まあ部下に任せときゃ問題ないだろ」
サディとダニーが頷いているところに、リオンがおずおずと口を挟む。
「あの、ぼくも一緒に」
だけどその言葉は、ジャルが首を振ることで遮られた。
「リオンは神王国へ戻ってください。リオンには何も罪はありませんが、先々代の神王が魔王国の要人を誘拐したのです。国として、神王国には責任を取ってもらわないといけませんから、きっとこれから忙しくなります」
ジャルの言葉を受けてリオンはなんだか気落ちしたようだ。そんなリオンに対し、ジャルはいつもみたいな優しい表情を浮かべて、穏やかに声を掛けた。
「心配しないでください。魔王国として神王国に対する声明は送りますが、責任はもちろんウォルフに取らせます」
「……うん、わかった。ぼくも神王として、おじいさま……ウォルフを厳しく罰するよ。ひとまず逃げ出さないように神力を封じなきゃいけないけど……」
「あの無尽蔵の神力を封じるって、どうするつもりだ?」
ダニーのこの言葉で、みんなの体が硬直する。ジャルもどうしてか頭を抱えた。
「そうなんですよね……ひとまず物理的に動きを封じるのは私でも可能なのですが」
「サラッとこわいこと言うよね、ジャルって」
「物理的に動きを封じるって、それってつまりボコボコにするってことだからな」
「おじいさまと対等に渡り合えるジャルおじさんって本当にすごいな……」
サディ、ダニー、リオンの三人は何か言いながら顔を青くしている。いったいどうしたのかしら? まあいいわ。サディが言ってたけど、あのオスをボコボコにするのはアタシは大賛成。
これってなんて言えばいいのかしら? ええと、クビヲアラッテマッテナサイだっけ?
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アタシがふんふん鼻を鳴らしているのを見て、ジャルが小さく笑いながら頭を撫でてくれた。
「マロンちゃんもやる気十分なんですね。でも危険ですから、ウォルフの相手は私たちがやりますよ」
「でもマロンは小さいしすばしっこいから、ボクたちがウォルフの足止めをしている間にアイラを探してもらおうか」
「ああ。ウォルフの性格上、人質を隠すことはあっても盾にするなんてことはないだろうしな」
ジャルたちがアタシにあのオスと戦うなって言ってくる。まったく、冗談じゃないわ! あのオスの顔をいっぱい引っ掻かないと気が済まないのよ!
アタシが違う意味でふんふんしていると、リオンが立ち上がってアタシの元にやってくる。そしてアタシの頭を一回撫でてから、顔を上げた。アタシと同じ黄色い目は、真っ直ぐにジャルを見ている。
「ジャルおじさん……いえ、魔王殿。私、神王は、此度の神族の引き起こした問題について解決に尽力すると共に、首謀者であるウォルフに代わり誠心誠意謝罪いたします」
リオンはそう言って頭を下げた。一瞬辺りが静かになったけれど、すぐに音が生まれる。リオンが笑ったの。
「ジャルおじさんにこういうことを言うのはやっぱり慣れないな。……うん、とりあえず、ぼくは城に戻っておじいさまの残している書物や手記を洗ってみる。おじいさまの力を封じる、もしくは抑え込むことのできる方法がないか探ってみるよ」
「リオン、お願いします」
「あの問題児はボクたちに任せて、坊ちゃんは坊ちゃんにしかできないことを頑張ってよ」
「坊ちゃんって言うな!」
サディの発言にリオンが顔を真っ赤にして怒る。だけど次の瞬間にはみんな笑い声を上げた。
「ふふ、気分が解れました。ありがとうございます、リオン。それはそれとして……サディの今の発言は給与査定に響いてきますからね」
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