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2話
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『悪役令嬢』
それすなわち、最高の貴族令嬢の資格。
最高の貴族令嬢であるがゆえに、取得難易度もはるかに高く、10年に1人取得できるかどうか。
貴族令嬢であることは絶対条件。
それ以外にも、貴族マナー、言語、筆記試験等における高レベルの教養を始め、私生活の一つ一つの振る舞いを常に審査されている。
それは就寝中の寝方一つも審査の対象となっているともいわれている。
ちなみに王国で『悪役令嬢』の資格を取得したのは、20年前にエリザベートの母である公爵夫人が最後。
「――エリザベート・ショワユーズ公爵令嬢。先ほど審査会から余のもとに知らせが届いた。おってショワユーズ家の方に合格通知が届くであろう」
「かしこまりました」
一瞬の静寂の後に歓喜に包まれる会場。
ただ一人を除いて皆一堂に拍手をしてエリザベートを祝福している。
「おめでとうございます!」
「ありがとう。ソフィア、ルイーズ、貴方達のおかげよ」
エリザベートは自身の取り巻きに任命していた、ソフィア・オルリアーノ伯爵令嬢、ルイーズ・ポワリエ侯爵令嬢から祝われて少し照れくさそうにしている。
そのただ一人。レオンには何が起きているのか理解できていない。
「エリザベート様! おめでとうございます!」
「ありがとう。ジュリア」
その歓喜の輪の中に、先ほどまでレオンのそばにいたジュリア・ブルボン男爵令嬢もいた。
「え、あ、ジュリア……?」
もはや空気と化しているレオン。
「あなたも、協力してくれてありがとう」
「協力なんて、私いつもエリザベート様の足を引っ張ってるんじゃないかって……気が気じゃなくて……」
「そんなことないわ。今の貴方は立派なレディよ。今日のドレスもよく似合ってるわ」
「あ、ありがとうございます……」
「――ジュリア・ブルボン男爵令嬢」
歓喜の中で少し申し訳なさそうに国王陛下がジュリアの名を呼んだ。
「は、はい……」
それに少しぎこちなく返事を返すジュリア。
「『ヒロイン』審査会の方からも知らせが届いておる。其方も合格とな」
「ほ、本当ですか……」
今度はジュリアに対して会場から拍手が巻き起こる。
『ヒロイン』
その資格も『悪役令嬢』と対になる、取得が難しいとされている資格。
逆に平民の血が入ってることが絶対条件となっていて、貴族の令嬢ではまず受ける資格すら与えられない。
『悪役令嬢』と同様に貴族マナー、言語資格、筆記試験等の教養、私生活での『ヒロイン』らしい振る舞いを常に審査されている。
『悪役令嬢』は最も気高き女性の資格とするなら、『ヒロイン』は最も愛される女性の資格といわれている。
「おめでとう。ジュリア」
「エリザベート様……ありがとうございます!」
と勢いそのままにエリザベートに抱き着いてしまうジュリア。
「あらあら。はしたないわよ」
「あ、申し訳ありません……」
と呆れながらもジュリアをしっかりと抱きしめているエリザベート。
「エリザベート様!?」
「今日だけ。特別よ」
「は、はい……」
二人だけの空間が出来上がってしまい何とも言えない空気となっていた。
二人の一番近くにいた取り巻き令嬢たちは、羨ましいと思いながらも二人のことを温かい目で見守っていた。
それすなわち、最高の貴族令嬢の資格。
最高の貴族令嬢であるがゆえに、取得難易度もはるかに高く、10年に1人取得できるかどうか。
貴族令嬢であることは絶対条件。
それ以外にも、貴族マナー、言語、筆記試験等における高レベルの教養を始め、私生活の一つ一つの振る舞いを常に審査されている。
それは就寝中の寝方一つも審査の対象となっているともいわれている。
ちなみに王国で『悪役令嬢』の資格を取得したのは、20年前にエリザベートの母である公爵夫人が最後。
「――エリザベート・ショワユーズ公爵令嬢。先ほど審査会から余のもとに知らせが届いた。おってショワユーズ家の方に合格通知が届くであろう」
「かしこまりました」
一瞬の静寂の後に歓喜に包まれる会場。
ただ一人を除いて皆一堂に拍手をしてエリザベートを祝福している。
「おめでとうございます!」
「ありがとう。ソフィア、ルイーズ、貴方達のおかげよ」
エリザベートは自身の取り巻きに任命していた、ソフィア・オルリアーノ伯爵令嬢、ルイーズ・ポワリエ侯爵令嬢から祝われて少し照れくさそうにしている。
そのただ一人。レオンには何が起きているのか理解できていない。
「エリザベート様! おめでとうございます!」
「ありがとう。ジュリア」
その歓喜の輪の中に、先ほどまでレオンのそばにいたジュリア・ブルボン男爵令嬢もいた。
「え、あ、ジュリア……?」
もはや空気と化しているレオン。
「あなたも、協力してくれてありがとう」
「協力なんて、私いつもエリザベート様の足を引っ張ってるんじゃないかって……気が気じゃなくて……」
「そんなことないわ。今の貴方は立派なレディよ。今日のドレスもよく似合ってるわ」
「あ、ありがとうございます……」
「――ジュリア・ブルボン男爵令嬢」
歓喜の中で少し申し訳なさそうに国王陛下がジュリアの名を呼んだ。
「は、はい……」
それに少しぎこちなく返事を返すジュリア。
「『ヒロイン』審査会の方からも知らせが届いておる。其方も合格とな」
「ほ、本当ですか……」
今度はジュリアに対して会場から拍手が巻き起こる。
『ヒロイン』
その資格も『悪役令嬢』と対になる、取得が難しいとされている資格。
逆に平民の血が入ってることが絶対条件となっていて、貴族の令嬢ではまず受ける資格すら与えられない。
『悪役令嬢』と同様に貴族マナー、言語資格、筆記試験等の教養、私生活での『ヒロイン』らしい振る舞いを常に審査されている。
『悪役令嬢』は最も気高き女性の資格とするなら、『ヒロイン』は最も愛される女性の資格といわれている。
「おめでとう。ジュリア」
「エリザベート様……ありがとうございます!」
と勢いそのままにエリザベートに抱き着いてしまうジュリア。
「あらあら。はしたないわよ」
「あ、申し訳ありません……」
と呆れながらもジュリアをしっかりと抱きしめているエリザベート。
「エリザベート様!?」
「今日だけ。特別よ」
「は、はい……」
二人だけの空間が出来上がってしまい何とも言えない空気となっていた。
二人の一番近くにいた取り巻き令嬢たちは、羨ましいと思いながらも二人のことを温かい目で見守っていた。
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