『出来損ない』と蔑まれてた私ですが、私の魔法は意外と使えそうです

Ryo-k

文字の大きさ
9 / 19

9話

しおりを挟む
お母様もいつにも増して饒舌になっている。
よほどお父様の姿が見ていてスカッとしたのかしら。

とは言えお母様の愚痴を聞くのもうんざりしてきたわね。ちょっと嫌がらせをしてみようかしら……

「(宝石に元の輝きを取り戻せるんだから、もしかしたらその逆もいけるんじゃないかしら……)」

とお母様が指に着けている指輪の宝石に魔法をかける。
床に散らばっている宝石と同じくらい劣化するイメージ……

「大体あの男は昔から……へっ?」

お母様は最初理解ができていない様子。
何故なら、さっきまでキラキラと輝いていた宝石すべてが、その輝きを失いただの石ころと化しているのだから。

「い、いやああああああ!!!!!」

お母様は現実を直視できないのか、指輪を外していろいろな角度から見ているけど、どの宝石もその様子が変わることはなく、色あせたまま。

「だ、誰!? 誰のしわざ!?」

とお母様は使用人に当たり散らしているも、使用人も戸惑っている。
とついには怒りの矛先が私に向いてきた。

「貴方ね!?」

「何のことでしょうか?」

私の魔法が原因だけど、当然のように知らないふりをします。

「貴方が魔法で、私の宝石を駄目にしたのでしょう!?」

「私の魔法は『石を浮かせる程度の魔法』ですよ? そんなこと出来るわけないじゃないですか」

「そ、それは……でも貴方が何かしたんでしょ!?」

とお母様は私につかみかかってきました。

「奥様!?」

使用人は慌ててお母様を止める。
お母様は、使用人数人に引きずられるようにして部屋を出ていった。
使用人もお母様に暴れられて、所々擦り傷ができている。
いい気味だわ。

「離しなさい!? あれがきっと何か――」

段々と遠ざかっていくお母様の声を聞いていると、胸がスーッとしてきました。
あれだけ自慢していた宝石が、一瞬で石ころに変わったときにお母様の絶望した顔。
思い出しただけで、笑いだしそうになる……

「どうせならお母様の部屋のコレクション全部、同じにならないかしら……」

お母様だから身に着けてるもの以外にも、部屋にたくさん宝石をコレクションしてるはずだわ。
それらも同じように、ただの石ころ同然の状態にならないかなー、と私は思っていると……

「嫌ァァァァーーーーーーー!!!!!!」

とお母様の悲鳴が聞こえてきました。
あら?私が把握できてない宝石にも魔法が効いたわ。

これは新しい発見ね。



発見にご協力いただき、ありがとうございます……お母様。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。

重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。 あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。 よくある聖女追放ものです。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

妹はわたくしの物を何でも欲しがる。何でも、わたくしの全てを……そうして妹の元に残るモノはさて、なんでしょう?

ラララキヲ
ファンタジー
 姉と下に2歳離れた妹が居る侯爵家。  両親は可愛く生まれた妹だけを愛し、可愛い妹の為に何でもした。  妹が嫌がることを排除し、妹の好きなものだけを周りに置いた。  その為に『お城のような別邸』を作り、妹はその中でお姫様となった。  姉はそのお城には入れない。  本邸で使用人たちに育てられた姉は『次期侯爵家当主』として恥ずかしくないように育った。  しかしそれをお城の窓から妹は見ていて不満を抱く。  妹は騒いだ。 「お姉さまズルい!!」  そう言って姉の着ていたドレスや宝石を奪う。  しかし…………  末娘のお願いがこのままでは叶えられないと気付いた母親はやっと重い腰を上げた。愛する末娘の為に母親は無い頭を振り絞って素晴らしい方法を見つけた。  それは『悪魔召喚』  悪魔に願い、  妹は『姉の全てを手に入れる』……── ※作中は[姉視点]です。 ※一話が短くブツブツ進みます ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げました。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

弟が悪役令嬢に怪我をさせられたのに、こっちが罰金を払うだなんて、そんなおかしな話があるの? このまま泣き寝入りなんてしないから……!

冬吹せいら
恋愛
キリア・モルバレスが、令嬢のセレノー・ブレッザに、顔面をナイフで切り付けられ、傷を負った。 しかし、セレノーは謝るどころか、自分も怪我をしたので、モルバレス家に罰金を科すと言い始める。 話を聞いた、キリアの姉のスズカは、この件を、親友のネイトルに相談した。 スズカとネイトルは、お互いの身分を知らず、会話する仲だったが、この件を聞いたネイトルが、ついに自分の身分を明かすことに。 そこから、話しは急展開を迎える……。

ある平民生徒のお話

よもぎ
ファンタジー
とある国立学園のサロンにて、王族と平民生徒は相対していた。 伝えられたのはとある平民生徒が死んだということ。その顛末。 それを黙って聞いていた平民生徒は訥々と語りだす――

結界師、パーティ追放されたら五秒でざまぁ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「こっちは上を目指してんだよ! 遊びじゃねえんだ!」 「ってわけでな、おまえとはここでお別れだ。ついてくんなよ、邪魔だから」 「ま、まってくださ……!」 「誰が待つかよバーーーーーカ!」 「そっちは危な……っあ」

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...