『出来損ない』と蔑まれてた私ですが、私の魔法は意外と使えそうです

Ryo-k

文字の大きさ
8 / 19

8話

しおりを挟む
お父様が謎の腹痛を発症してから、数日が経ちました。

お父様はあれから激しい腹痛に苛まれ、日々に執務を行うことも難しくなってきておりました。
腹痛のせいで、満足に睡眠をとることもできないそうです。
もっともお父様がまともに執務を行ってるところ見たことはありませんでしたが……
あら?じゃあ何も問題ないわね。

勿論妹の『傷を治す魔法』や、他の治癒師と呼ばれる『治す魔法』を持つ人を頼ったそうですが、上手くいかなかったそうです。

妹の『傷を治す魔法』の方は全く効かなかったそうです。
傷なんてどこにもできてないから当然なんですけどね……

他の治癒師たちの魔法でも、一時的に痛みをとることはできるみたいですが、すぐに再発するのだとか。
根本的な原因が分かってないから魔法の効きが良くないんですね、きっと……

そういえば私魔法は解除したけど、石そのものは除去したっけ?
……まあ、どっちでもいいわね

お父様としばらく顔を合わせなくてよさそうね……と安心出来たらよかったんですけどね。




「ふん! いい気味だわ! 愛人に毒でも盛られたんでしょ。きっと」

屋敷の中でも、「いかにも高級です」を主張するギラギラした品のないドレスを身にまとい、手にはゴテゴテとして指輪が両手の指すべてに着けられている女性。
そうです、私のお母様です。

お母様はいつも新しい宝石やドレスを買うと、こうして私に見せびらかしてきます。
見栄っ張りで散在することがやめられないのです。
領地の収入はお母様と妹の浪費、お父様の酒とギャンブル代でほとんど消えています。

「……それで、私の部屋に一体何の御用でしょうか?」

「『出来損ない』の貴方にいつもの施しよ」

と言うとお母様の専属侍女が宝石箱の蓋を開けて、中身を私の部屋にぶちまけていった。

「『出来損ない』の貴方に、ふさわしい宝石よ。感謝しなさい」

床に散らばっている指輪などの宝石は、そのどれもが輝きを失って色あせた状態になってしまっている。
私に与えられる宝石類の殆どは、こうして母が『施し』と称して捨てていくものです。

私の部屋をゴミ箱かなんかと勘違いしているのでしょう。この人は。
まあ、お母様にとって私はゴミ同然なんでしょうね。
お母様から愛情を注いでもらった記憶は、魔法が判明して以降はありませんでした。

最も、お母様が捨てた宝石たちは、今後の貴重な収入源になるのでありがたく利用させていただきますが……
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

我々はモブである。名前は出てない。

ふくふく堂
ファンタジー
世の中、やたらめったらと王子や高位貴族が婚約破棄を突き付けるのが流行っている。それも大概卒業パーティーでだ。親の目を盗んで事を起こすのに最適な場なのかもしれないが、卒業パーティーの主役は卒業生のはずだ。そう、我々卒業生のはずなのだ。 我々は、今こそ、鬱憤を、晴らす!

【完結】勇者PTから追放された空手家の俺、可愛い弟子たちと空手無双する。俺が抜けたあとの勇者たちが暴走? じゃあ、最後に俺が息の根をとめる

岡崎 剛柔
ファンタジー
「ケンシン、てめえは今日限りでクビだ! このパーティーから出て行け!」  ある日、サポーターのケンシンは勇者のキースにそう言われて勇者パーティーをクビになってしまう。  そんなケンシンをクビにした理由は魔力が0の魔抜けだったことと、パーティーに何の恩恵も与えない意味不明なスキル持ちだったこと。  そしてケンシンが戦闘をしない空手家で無能だったからという理由だった。  ケンシンは理不尽だと思いながらも、勇者パーティーになってから人格が変わってしまったメンバーのことを哀れに思い、余計な言い訳をせずに大人しく追放された。  しかし、勇者であるキースたちは知らなかった。  自分たちがSランクの冒険者となり、国王から勇者パーティーとして認定された裏には、人知れずメンバーたちのために尽力していたケンシンの努力があったことに。  それだけではなく、実は縁の下の力持ち的存在だったケンシンを強引に追放したことで、キースたち勇者パーティーはこれまで味わったことのない屈辱と挫折、そして没落どころか究極の破滅にいたる。  一方のケンシンは勇者パーティーから追放されたことで自由の身になり、国の歴史を変えるほどの戦いで真の実力を発揮することにより英雄として成り上がっていく。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~

アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」  突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!  魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。 「これから大災厄が来るのにね~」 「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」  妖精の声が聞こえる私は、知っています。  この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。  もう国のことなんて知りません。  追放したのはそっちです!  故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね! ※ 他の小説サイト様にも投稿しています

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

仕返しに参りました~追放した私が有名になってくやしいようですね~

みらく
ファンタジー
 カラリの仕返し物語です

【完結】婚約破棄された令嬢が冒険者になったら超レア職業:聖女でした!勧誘されまくって困っています

如月ぐるぐる
ファンタジー
公爵令嬢フランチェスカは、誕生日に婚約破棄された。 「王太子様、理由をお聞かせくださいませ」 理由はフランチェスカの先見(さきみ)の力だった。 どうやら王太子は先見の力を『魔の物』と契約したからだと思っている。 何とか信用を取り戻そうとするも、なんと王太子はフランチェスカの処刑を決定する。 両親にその報を受け、その日のうちに国を脱出する事になってしまった。 しかし当てもなく国を出たため、何をするかも決まっていない。 「丁度いいですわね、冒険者になる事としましょう」

処理中です...