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第三章 日本近海超決戦

第四十話 マラッカの悲劇前篇

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1944年1月12日、真珠湾超海戦が勃発したころ、マラッカ海峡である事件が起きる。


第十二特務艦隊 哨戒艦第120号
「はぁ。やっと飛行場に航空機が配備されるのか」
マレーシアに飛行場が建設されてから、もう半年近く。未だに、配備されていなかった航空機がやっと配備されるというのだ。これは、第十二特務艦隊には、とてもうれしいことであった。しかし、この歓喜もすぐに、しずまる。

「艦長」
レーダー員が珍しく、艦橋に声をかける。
「どうした?」

「レーダに、20機近くの航空機が映っているんです!」
哨戒艦120号艦長は、安堵する。
やっと、配備する航空機が来たのだから。しかし、それもつかの間、追加に40機。そして、西からも60機が来た時には。

「まさか」

哨戒艦120号はすぐに、旗艦八島へ、打電。

『敵飛行連隊接近セリ。対空警戒厳トセリ』

その打電のまもなく、哨戒艦120号との、連絡は、途絶えた。


第十二特務艦隊 旗艦 一万九千トン級重巡洋艦『八島』

哨戒艦からの連絡が途絶えたか....
最後の、120号からの打電では、サンダーがきたと聞いた。足が長いストライクなら、まだしも、足の短いサンダーがなぜここに..?
ここで、八島艦長は、一つの答えを導き出す。

「空母艦載機.....」
思わず声が漏れた。
「本土に打電!『敵空母艦載機ニヨリ、哨戒艦120号ナド、諸々ノ艦撃沈サレル。マラッカヘノ援軍求ム』」

「まだ、この艦含め、本隊は撃沈されていませんが...?」
「よい。そのうち、撃沈される。この戦力では」
「そうですか....」

サンダーは、イギリスの攻撃機である。雷撃に加え、急降下爆撃機もできる、優れモノであったが、航続距離が短めという弱点があった。
「真珠湾沖にて、敵艦隊と我が聯合艦隊が、交戦を開始しました」
「そうか!」
艦内が歓喜にあふれるなか、レーダー指揮所では
「あれは、日本機...ではないな。艦橋に連絡!」


「西16海里にて、敵機補足!」
「何⁉....総員戦闘配置!今、一番近い空母『龍驤』に援軍打電!」

空母龍驤
「第十二特務艦隊より入電!.......」
「わかった!今搭載したばかりの奴を使う時だ!」
「まさか、天籟(てんらい)のことですか...?」
「他に何がある」
天籟は、1944年から、各に搭載されている、であり、戦闘機、急降下爆撃機、雷撃機の三つの役割を果たせる、航空機であり、搭載機数の少ない龍驤でも、40機近く搭載できるものである。しかも、最大80番も、搭載可能である。
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