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31.計画と実践(実戦)は違う、だが始まれば後戻りはできない、できるのは全力を振り絞ることのみ!
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得意げに囮を買って出たのはいいけれど、存外兵士の数が多い。
いや、それはあくまで体感だろう。
きちんと数えて見れば、予想していた数と大差はないはずだ。
……暢気に数えている余裕はないけれど。
そんなことを考えながら、僕、ライナスは走り続ける。
ーー
計画立案時と実践との違い。
兵士たちの足音、
僕の心音、
隣り合うの痛みと死の恐怖、
タクミさんと妹さんの生死への不安。
それぞれが複雑に、ごちゃ混ぜに絡み合うことによって生じる感覚。
装備ーーフルプレートは同じだが、手にする武器は槍、剣、弓と様々だ。
相手は近距離、中距離に対応できる。
数は圧倒的不利。
僕に攻撃手段は最早ない。
アルベイスに作ってもらった爆弾は先の騒ぎで使い切った。
攻撃魔術は所有していないし、
武器も僕の非力な筋力では役に立たない。
それ故の逃げの一手。
時々、フェイントにダミーの石を投げつけて牽制する程度がせいぜい。
だが、それでいい。
時間を稼げれば、
タクミさんが救出劇を終えるだけの時間を稼げれば、それでいい。
僕の役割は生きて帰ることではないのだから。
ーー
相手の兵士は重装備。
鎧を纏い、武器を所持している。
装備があるということは、それだけ鈍重ということだ。
鍛えていても、限界がある。
僕単独の移動でも十分逃げ切れる可能性にある。
ポックルを使えば、確実に逃げ切れる。
だが、これはあくまで囮。
逃げ切ってしまっては意味がない。
彼らが僕の追跡を諦めてしまっては意味がない。
タクミさんが妹さんを助け出すまでは、僕はこいつらの相手をしなくてはならない。
程よい距離を保ちつつ、生き残らねければならない。
僕が塔を脱出してからまだ数分。
当然、パナップを通じての連絡はない。
まだ、タクミさんが塔に突入したばかりだ。中には多少なり兵士は残っているだろう。妹さんが囚われているのは、たぶん上層階。階段を登る時間もかかるし、牢獄を破壊する手間もいる。
まだ、頑張らないと。
まだまだ、頑張らないと。
追われている時間、というのは心なしか長く感じる。
時間稼ぎって、初めてやったけど大変なんだな。
「あの反逆者を追え!」
「生死は問わん!」
「街の平和を守れ!」
背後から兵士たちの怒号と、矢が放たれる。
怒号に関しては当たってもどうということはない。そもそも回避不能だ。
だが、矢は別である。
当たれば痛いし、場所が悪ければ行動不能になる。
けれど、僕に戦闘経験はほとんどないし、そもそも矢を狙って避けるなんて芸当はできない。
ただ、当たらないように祈るだけ。
ただ、前を向き、
時々敵の数を確認しつつ振り返り、
走り続けるだけだ。
しゅんしゅんと、矢が僕の近くを通る音がする。
なかなかに怖い。
いや、かなり怖い。
あぁ、嫌だな。
痛いのは、嫌だ。
けれど、僕のせいでタクミさんの救出劇が失敗するのはもっと嫌だ。
頑張らないと。
いや、それはあくまで体感だろう。
きちんと数えて見れば、予想していた数と大差はないはずだ。
……暢気に数えている余裕はないけれど。
そんなことを考えながら、僕、ライナスは走り続ける。
ーー
計画立案時と実践との違い。
兵士たちの足音、
僕の心音、
隣り合うの痛みと死の恐怖、
タクミさんと妹さんの生死への不安。
それぞれが複雑に、ごちゃ混ぜに絡み合うことによって生じる感覚。
装備ーーフルプレートは同じだが、手にする武器は槍、剣、弓と様々だ。
相手は近距離、中距離に対応できる。
数は圧倒的不利。
僕に攻撃手段は最早ない。
アルベイスに作ってもらった爆弾は先の騒ぎで使い切った。
攻撃魔術は所有していないし、
武器も僕の非力な筋力では役に立たない。
それ故の逃げの一手。
時々、フェイントにダミーの石を投げつけて牽制する程度がせいぜい。
だが、それでいい。
時間を稼げれば、
タクミさんが救出劇を終えるだけの時間を稼げれば、それでいい。
僕の役割は生きて帰ることではないのだから。
ーー
相手の兵士は重装備。
鎧を纏い、武器を所持している。
装備があるということは、それだけ鈍重ということだ。
鍛えていても、限界がある。
僕単独の移動でも十分逃げ切れる可能性にある。
ポックルを使えば、確実に逃げ切れる。
だが、これはあくまで囮。
逃げ切ってしまっては意味がない。
彼らが僕の追跡を諦めてしまっては意味がない。
タクミさんが妹さんを助け出すまでは、僕はこいつらの相手をしなくてはならない。
程よい距離を保ちつつ、生き残らねければならない。
僕が塔を脱出してからまだ数分。
当然、パナップを通じての連絡はない。
まだ、タクミさんが塔に突入したばかりだ。中には多少なり兵士は残っているだろう。妹さんが囚われているのは、たぶん上層階。階段を登る時間もかかるし、牢獄を破壊する手間もいる。
まだ、頑張らないと。
まだまだ、頑張らないと。
追われている時間、というのは心なしか長く感じる。
時間稼ぎって、初めてやったけど大変なんだな。
「あの反逆者を追え!」
「生死は問わん!」
「街の平和を守れ!」
背後から兵士たちの怒号と、矢が放たれる。
怒号に関しては当たってもどうということはない。そもそも回避不能だ。
だが、矢は別である。
当たれば痛いし、場所が悪ければ行動不能になる。
けれど、僕に戦闘経験はほとんどないし、そもそも矢を狙って避けるなんて芸当はできない。
ただ、当たらないように祈るだけ。
ただ、前を向き、
時々敵の数を確認しつつ振り返り、
走り続けるだけだ。
しゅんしゅんと、矢が僕の近くを通る音がする。
なかなかに怖い。
いや、かなり怖い。
あぁ、嫌だな。
痛いのは、嫌だ。
けれど、僕のせいでタクミさんの救出劇が失敗するのはもっと嫌だ。
頑張らないと。
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