『番』という存在

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新婚旅行

新婚旅行②

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***

結局、隣国で1週間くらい滞在してから領地に移動して1週間くらい滞在することになった。移動時間がかかるから3週間くらいの日程になった。

隣国では王都で観光やショッピングをして3日間くらいしてから公爵領で残りの日を温泉を満喫することになった。その後は領地をカインに案内しながらゆっくりとした時間を過ごすことになった。カインが「久しぶりの領地なんだからゆっくり散策しとかしようね。思い出も聞かせてほしいな…リアリーの小さいころも可愛いかったんだろうねー…」と言ってくれたのでとっても楽しみになった。



「リアリー、ドレス買いに行こう!」

次の日の朝、朝食の後いきなりカインがそう言ってきた。

「…?なんでドレス買いに行くの?」

私は首を傾げた。本当にわからない。

「だって、新婚旅行でしょ?リアリーと2人きりの旅行だよね?毎日がデートでしょ?だったら、旅行中は俺が選んだ服を着てほしいから、今から買いに行こう!」

「?でも、結婚式の時にたくさん仕立ててくれたじゃない。そのドレスではだめなの?」

「だってそのドレスは結婚式の時用のもので夜会とかにはきていけるかもしれないけれど街歩きだと歩きにくいでしょ?

確かに…だけどそれなら結婚してから普段着用に仕立ててもらったものでいいんじゃないかしら?時間もあまりないし。 

「それなら、普段着ているものでいいんじゃないかしら?まだ着ていないものもあるし。」

「いや、だめだ。俺は、新婚旅行のために俺が選んだ服を着たリアリーと一緒に歩きたい。」

「それは…とても嬉しいけど、わざわざ買うのはもったいない気がするのだけど。」

「そんなことはない!俺が選んだ服を着たこの世で1番可愛いリアリーと一緒に一度しかない新婚旅行を楽しみたいんだ。」

「わかったわ。じゃあ、行きましょうか。」

「よしっ!たくさん買おうね!」

「ダメよ。この前仕立ててもらった動きやすいドレスも着るからたくさんあっても受け取らないからね。」

「えー。」

「無駄遣いはダメよ。…それとも行くのやめる?」

「…!それなら我慢する。」

カインがしょぼんとしていて、尻尾と耳がヘニョんてなってる。とっても可愛い、けどちょっと言いすぎたかな…

「私も旅行はとても楽しみ、ドレスも嬉しいわ。でもカインに無理してほしくないの…」

「無理なんてしてないよ。俺はリアリーの喜ぶ顔が大好きだし、リアリーのために俺がしたいんだ。」

優しく抱きしめながら耳元で優しい口調で言ってくれた、なんて素敵な旦那様なんだろ。

「ありがとう、カイン。」

結局ドレスは5着仕立てることになった。カインが譲らなかったから装飾を控えめにしてもらって大商会の娘が着るくらいの質にしてもらった。





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