可哀想な君に

未知 道

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白井 真 13

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「奏多、んんっ、気持ちい、そこ気持ちいいっ!」
「本当、真くんここ好きだね?」

 何度も、何度も、いいところを突かれる。
 ビリビリと背筋が痺れ、何度目か分からない熱を吐き出し、お腹周りがどろどろになっている。
 俺の後ろの蕾も、奏多の出した大量な精で濡れそぼり。出し入れする度に、コポコポと溢れ出てくる。

 荒く息を吐く俺の口を、塞がれ。すぐに侵入してきた舌に、自分の舌を絡めた。

 口に入っているヌルリとする舌も、身体を貫いている硬い杭も。全てが、気持ちいい。

 けど、口の中にあった舌が出ていってしまう。

「ん~、まだ行かないで……」
「ふふっ、すごく可愛い」

 再び、口を合わせられ。お互いの口が、ペチャリペチャリと濡れた音を鳴らす。

 気持ちよくて、気持ちよくて、もっとその気持ちいいが欲しいと、対面にある腰に脚を絡めて腰を揺らしたら。
 奏多は、口を重ねながらも、笑ったような息を漏らし。俺の腰を掴み、肌を叩くような乾いた音を立たせて、深く突き上げてくる。
 揺れる身体を安定するため、硬い背を引っ掻くようにして抱き寄せ。上と下から与えられる快楽に身体が喜び、貪欲に迎え入れる。

 抜ける寸前まで引いてから、グチュンッ! と、奏多のモノを奥深く埋め込まれ、熱い迸りを注ぎ込まれていく――。

 その熱が全て、中に収められた途端。急に力が抜け、手足が乱れたシーツの上にストンと落ちた。

 奏多の舌が、俺の口内をグルリと円を描くようにしてから、ゆっくりと舌を抜かれ――「真くん、気持ち良かった?」と笑顔で問いかけられる。

「……ぅん、よかった……」

 本当に気持ち良かったと、満足する。
 ずっと耐えていたから、余計に。充足感を得たのかもしれない。



 ♢◆♢


「ああ……くそっ! あの、最悪最低クソ野郎……!」

 意識が落ちる前の、記憶全て。はっきりと覚えている。
 せめて、忘れていてくれと羞恥に悶えた。

「ってか……。たかが名前を呼ばせるだけで、やり過ぎだろ! クソがっ!」

 あの時は、色々と周りが見えずに錯乱していたが……。よくよく考えたら、あれは『奏多って呼ばなきゃ、許してあげないから! ぷんぷん(激怒)』ってことだったのだろう。

(あいつ、なんだか……ガキっぽいんだよな)

 見た目や、雰囲気は洗練された男性だが。行動と言動が、幼い。
 でも……これは俺に限ってなのかもしれない。
 それが何故かは――篠崎家の【影】が付いたり、当主に認められるくらいの器ならば、幼かったら目に留まることすらないからだ。

 はぁあ~! と、大きくため息をつく。

「落ち着いたら、話してみよう……」

 奏多が次に来て、機嫌が直っていたら。小南が言っていた通りに、奏多に今ある権力を放棄させて……。俺と一緒に、何処か遠くへ――。
 すると、ちょうどガチャンと部屋の扉が開く。

「あっ、奏……――え?」

 扉の近くには、美少女といわれるくらい容姿の整った女の子が立っていた。

「えっと、誰だ?」
「私よ、小南 奈央子。鍵、出来たよ」

 そう言って小南が、銀色の鍵を手に持ち近付いて来た。

 この部屋には三葉も訪れていたし、小南がスペアキーを作っていたのだろうと、驚きはしなかったが……。

「あんた、何歳?」

 小南は、見た感じだと……15、16歳くらいに見える。

 初め、声だけで判断した時は、20歳半ばに感じた。話しているうちに、確かに少女らしいと思ったが……。でも、達観した話しぶりに、大人だと考えていたのだ。

「そんなの、どうだっていいでしょ。ちょっと、屈んで」

 小南は、鍵をこちらに向けているから、今すぐに解錠するつもりのようだった。

「え、ちょっと、待ってくれ。奏多に、お願いしてみるから……」
「……ああ、アレはもういいの」

(もういい? なんだ、この前はあんなにも必死に……)

 言っているけとが180度変わっていて、疑問に思う。

「この鍵、俺が奏多を殺してから解錠するとか言っていたのに……。なんでだ?」
「だから、もういいのよ。ペチャクチャうるさいわね……。解放されるんだから、喜べばいいでしょ!」

 グイと鎖を引かれてバランスを崩し、床に転がる。
 そして、あっという間に。首輪を解錠された。

「はい、おめでとう。これで、貴方は自由の身ね」
「……」

 首を触ると、硬い首輪の感触が消え。自分の柔らかい肌の感触になっている。

 ずっと首を締め付けていた存在がなくなり、スッキリするはずなのに……何だか気分が晴れない。

「じゃあ、行くわよ」
「え? どこに……?」

 小南は表情の無い冷たい顔で、俺を見下ろす。

「――三葉の元に」

 抑揚のない声で、そう伝えられた。


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