可哀想な君に

未知 道

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番外編

篠崎 奏多『許せること、許せないこと』

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「鮭、好きじゃないから……あげる」

 僕のお皿に、鮭が乗せられる。

「ふふ、ありがとう。僕が、好きなものだからくれたんだよね?」
「……っ、ち、違う! 骨あって、食べづらいからだよ!」

 真くんは顔を真っ赤に染め、パクパクとご飯をかきこむ。すごく可愛い。

 素直じゃない真くん、許せちゃう。


 ♢◆♢


「これさ~、たまたま間違えて、2枚購入しちゃって……。余分にあるから、一緒に行かない? ほ、ほらっ! 捨てるの勿体無いし!」

 差し出されたチケットを見る。
 イルカやペンギンがプリントされていて、【水族館】と書かれている。
 その下には【ペアチケット】とも書かれていた。

「水族館? ペアチケットみたいだけど。これを、間違えて購入しちゃったの?」
「だ、だからっ、間違えたんだよ! もう、行きたくないならいいっ!」

 真くんは慌てたように言った後、真っ赤になっていじける。

 恥ずかしがって、デートにちゃんと誘えない真くんも、許せちゃう。



 ♢◆♢


「奏多。これからは、普通の人間らしく生きるんだからな?」
「……? 普通の? まぁ、そのつもりだけど……」
「よし! 俺が嫌だって言ったら、すぐに止めるんだぞ? 普通の人間はそういうものなんだ。分かったか?」
「真くんが、そうして欲しいなら……」

 意味の分からないことを言って、ガッツポーズをする真くんも、許せちゃう。



 ♢◆♢



「奏多~! 今日、ちょっと出てくるな」
「ん? どこに?」
「蒼井……えっと、おばあちゃんの手紙くれたダチに、会ってくる。夕飯も食べて帰るから、遅くなると思う。だから、今日は飯、別々な」
「…………」

 ――それは、許せない。



 ♢◆♢


「奏多、やめっ……! ぁああっ! 止めてって、言ったら……止め……っ、んぁあっ!」

 腕を一纏ひとまとめにされ、バンザイした真くんは、僕の動きでガクガクと揺らされている。

「止める? うん、僕が許せる範疇はんちゅうならね? 真くんが悪いんだよ。僕の、広い許しを飛び越えることをするから……」
「広くな……っ、ひぁあ! 奏多、激しっ、……まっ、またイっちゃ……っ!」

 ナカを強く突き上げる――。
 真くんは身体を震わせ、ぴゅくぴゅくと少量の精を吐き出した。

「真くん。まだまだ、たくさん気持ち良くなろうね?」
「か、奏多……! もぅ、許し……ふぁああっ!」

 胸の粒を、ちゅぅと吸うと。真くんは、気持ち良さそうに甘い声を出す。
 舌で粒をクニクニと潰し、甘噛みし、チュパチュパと刺激する。
 勿論。腰も忘れず、打ちつける。

 最奥に、精を注ぎ入れた時――プシュッと、真くんのモノが潮を吹いた。

「ふふ、真くんの元気だね?」

 僕のお腹や、顔も。真くんの潮で濡れ、それがポタポタと滴り落ちている。

「か、奏多、ひどいっ……! 奏多なんて……大嫌いだっ!」
「……ふ~ん、そんなこと言うんだ? それじゃあ、仕方ないね」

 真くんから、身を離し。扉の方に足を向ける。

「え、奏多……。ちょっ、ちょっと、待って……! 嘘、嘘だから! 待てよ、奏多っ!」

 僕を止めようと、真くんが必死に叫ぶ声が、可愛らしくて。口元が上がってしまう。

 ――扉の近くにある棚の引き出しを開け、小瓶を手に持つ。

「久しぶりに、これ使ってあげるね?」

 真くんに視線を戻すと。ホッとしたような、絶望したような、面白い表情をしていた。



 ♢◆♢


「次したら、マジで許さないからなっ! こっちは、身体が辛いんだ。少しは、気を遣えよ!」

 起きた真くんは、ベッドの上でグッタリした様子だが。非常に怒り顔で、僕を責める。

「真くんが、気を付ければ大丈夫だよ」
「それ! そういう、自己中全開がヤバいんだよ、お前! 直せよ、マジでっ!」

 ぷんぷんと怒った真くん、可愛い。
 スッキリしたし、許せちゃう。


「これが僕だから、無理。この、僕の全てで、真くんを愛してるからね」
「……ぅっ、ずりぃ!」

 真くんの顔が、今までで一番なくらいに、ボボボッと真っ赤になる。

 少し間を置いて、真くんが――。

「……俺も、奏多を愛してるからな」

 最高に可愛く、はにかむ。

 堪らなく身体が熱くなり。我慢できず、再び襲ってしまった。


 ――それから二週間、真くんは口をきいてくれなかった。


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