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ずっとそばにいる
ペーじ37
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この話の内容は、この日だけで終わらなかった。秀男伯父さんや雅美伯母さんも次の日にあたしの家にやってきて、話に加わった。テレビを見ていたら、『国会中継』というものが映っていた。議論中。今の家の状態はまさしくこれに似ている。
ゆいは一人でなんて暮らせないから……たしかにあたし一人ではこの家で暮らせない。じゃあどこに行くっていうんだろう。どこにも行きたくないけれど、連れて行かれちゃうのだろうか。
「私たちが引き取ってあげたいけど、私らの家は田舎にあるからねえ。小学校とかも遠くなるし、ゆいにとってはずいぶん不便だよ。それに、おじいちゃんしか車の運転はできないんだから……」おばあちゃんは言いにくそうにこう言っている。おじいちゃんも「うーん」とうなりながらうなずいていた。
「とはいえ私たちの家はとても遠いですよ。車で十二時間かかります。なんせ本州じゃありませんから……」というのは、お母さん側のおばあちゃん。
秀男伯父さんが口を開く。
「ゆいちゃんはかわいそうだけど……うちには三人の息子がいてね。上の子が受験で、経済的に今苦しい状態なんだ」
「ゆいちゃんの名字は田中さんのものですし、真広は嫁いだ身です。引き取ってはあげたいけど、田中さん家の方が育ててあげるのがいいと思います。もちろん私たち家族も、なんでもお力をお貸ししますけども」と雅美伯母さん。
だれからもはっきりとした答えはなかったように、あたしには聞こえた。「引き取りたい」けどそれは難しいと言うばかりだった。そういえば、由香叔母さんは何も言わずにみんなの意見をただぼんやり聴いているだけだった。
「みなさんの意見はわかりました」
長くてどんよりした沈黙が流れた後で、ついに由香叔母さんが口を開いた。そこから放たれた声は、ちょっとだけピリリとした痛みを含んでいた。
「私だって家は遠いですし、星川市のような都会とはいえません。でも、このままではゆいがかわいそう。ゆいだって不安だし、学校だって変わらなくちゃ。真広さんと秀太お兄ちゃんに代わるような深い愛情がなきゃ、ゆいは立ち直れないのに……」
あたしの左肩に丸いものが当たった。マシューだ。マシューはいつもそばにいてくれているみたいだけど、いつかはいなくなっちゃうんでしょ。そう思うとあたしの目は勝手にマシューから背いていた。マシューもなんだかあの日以来、気まずそうな顔をしていた。
結局、大人たちの話し合いに答えは出なかった。なかなか答えが出せないのかもしれない。ちょっと聞こえてきた言葉は「ゆい自身に聞いてみよう」ということ。とはいえ、今日あたしに直接聞いてはこなかった。とりあえず今日はお父さん側のおばあちゃんおじいちゃんと由香叔母さんが家に泊まることになって、他の人たちは星川市のホテルに泊まるということになった。明日も話し合いが続くんだろう。
あたしは何もしていないのになんだか疲れてしまって、ベッドに入るとすぐねむってしまった。
ゆいは一人でなんて暮らせないから……たしかにあたし一人ではこの家で暮らせない。じゃあどこに行くっていうんだろう。どこにも行きたくないけれど、連れて行かれちゃうのだろうか。
「私たちが引き取ってあげたいけど、私らの家は田舎にあるからねえ。小学校とかも遠くなるし、ゆいにとってはずいぶん不便だよ。それに、おじいちゃんしか車の運転はできないんだから……」おばあちゃんは言いにくそうにこう言っている。おじいちゃんも「うーん」とうなりながらうなずいていた。
「とはいえ私たちの家はとても遠いですよ。車で十二時間かかります。なんせ本州じゃありませんから……」というのは、お母さん側のおばあちゃん。
秀男伯父さんが口を開く。
「ゆいちゃんはかわいそうだけど……うちには三人の息子がいてね。上の子が受験で、経済的に今苦しい状態なんだ」
「ゆいちゃんの名字は田中さんのものですし、真広は嫁いだ身です。引き取ってはあげたいけど、田中さん家の方が育ててあげるのがいいと思います。もちろん私たち家族も、なんでもお力をお貸ししますけども」と雅美伯母さん。
だれからもはっきりとした答えはなかったように、あたしには聞こえた。「引き取りたい」けどそれは難しいと言うばかりだった。そういえば、由香叔母さんは何も言わずにみんなの意見をただぼんやり聴いているだけだった。
「みなさんの意見はわかりました」
長くてどんよりした沈黙が流れた後で、ついに由香叔母さんが口を開いた。そこから放たれた声は、ちょっとだけピリリとした痛みを含んでいた。
「私だって家は遠いですし、星川市のような都会とはいえません。でも、このままではゆいがかわいそう。ゆいだって不安だし、学校だって変わらなくちゃ。真広さんと秀太お兄ちゃんに代わるような深い愛情がなきゃ、ゆいは立ち直れないのに……」
あたしの左肩に丸いものが当たった。マシューだ。マシューはいつもそばにいてくれているみたいだけど、いつかはいなくなっちゃうんでしょ。そう思うとあたしの目は勝手にマシューから背いていた。マシューもなんだかあの日以来、気まずそうな顔をしていた。
結局、大人たちの話し合いに答えは出なかった。なかなか答えが出せないのかもしれない。ちょっと聞こえてきた言葉は「ゆい自身に聞いてみよう」ということ。とはいえ、今日あたしに直接聞いてはこなかった。とりあえず今日はお父さん側のおばあちゃんおじいちゃんと由香叔母さんが家に泊まることになって、他の人たちは星川市のホテルに泊まるということになった。明日も話し合いが続くんだろう。
あたしは何もしていないのになんだか疲れてしまって、ベッドに入るとすぐねむってしまった。
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