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ずっとそばにいる
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──ゆい──
温かくて、安心するお母さんの声。あたしの名前を呼ぶときは、いつもこの声で呼んでくれる。ふかふかのベッドより心地いい……。
──ずっと、そばにいる──
はっとして目を覚ましたとき、あたしの目の前には薄黄色い光が射しこんだ天井が広がっていた。オレンジ色の豆電球の灯る部屋の照明が、天井にくっついている。
カーテンからの光に照らされていろいろなものが浮かび上がってくる。タンスに勉強机、クローゼットにおもちゃなど……縦長のベッドとまっすぐ伸びるあたしの足。
ベッドに寝ていた? さっきの白い空間は?
パタリと、体をまたベッドに預けた。
「夢か……」
会えなかったけど、声は聞こえた。なんていい夢だったんだろう。
両手がほんのりあたたかい。肩も、何かがあたっている感覚がまだ残っている。……もしかして夢じゃなかったのかな。
トントン
「ゆい? 起きてる?」
一瞬、お母さんの声かと思って、また跳ね起きそうになる。でもちょっとまてよ、よーく聞くと、それは叔母さんの声だ。
あたしはもぞもぞとふとんを引き寄せた。
正直、もう一度さっきの夢に戻りたい。戻るんだ。そのためにはもう一度寝なくっちゃ。しかし、叔母さんはそうさせてくれないようだ。
ガチャッと音がした。
「おはよー、ゆいー……あれぇ寝てると思ったら、起きてるじゃん」
ふとんを頭までかぶりながら足をもぞもぞ動かすと、叔母さんのくすくす笑う声がした。
「まるでいもむしみたいねぇ」
カーテンが、音を立てて大きく開かれた。部屋全体が朝日を浴びた。ふとんから顔をだしてみて、ちらりと窓を見ると、青い空。雲ひとつなかった。窓から見えるベランダの柵からは、鳥が二羽飛んでいった。
叔母さんは窓のカギを開けて、全部開ける。すると、水色をしているような涼しい風が、カーテンをふくらませて入ってきた。あたしの顔にも、風がなでるように吹いた。
「こんないいお天気よ、ゆい。ちょっと外に出てみて、お散歩しない?」
ふとんに顔を埋める。まだ寝たい。
「一日中動かずにいたら、体も心もなまっちゃうよ。ちょっとくらい動かなきゃ、ゆい」
お散歩というより、叔母さんは今にも元気良く走り出しそうだ。ジョギングになりそう。
「ええーまだ寝たい」
時計を見てみた。壁にかかっている掛け時計。六時三〇分をさしている。
「まだこんな時間じゃん」
「早起きは三文の徳よ。朝の散歩なんて、気持ちいいよ」
半ば無理やりではあったけどあたしはベッドから起き上がることになった。すぐそこを散歩するだけだと叔母さんはいうので、Tシャツに半ズボンという、全くお出かけモードではない格好に着替えた。適当に顔を水で洗うと、さすがに冷たくって目が覚めてしまった。散歩は時間かからないから……と朝食のパンも食べない。リビングをのぞいてみると、おばあちゃんとおじいちゃんはまだぐっすりとすやすやと眠っているじゃないか。
温かくて、安心するお母さんの声。あたしの名前を呼ぶときは、いつもこの声で呼んでくれる。ふかふかのベッドより心地いい……。
──ずっと、そばにいる──
はっとして目を覚ましたとき、あたしの目の前には薄黄色い光が射しこんだ天井が広がっていた。オレンジ色の豆電球の灯る部屋の照明が、天井にくっついている。
カーテンからの光に照らされていろいろなものが浮かび上がってくる。タンスに勉強机、クローゼットにおもちゃなど……縦長のベッドとまっすぐ伸びるあたしの足。
ベッドに寝ていた? さっきの白い空間は?
パタリと、体をまたベッドに預けた。
「夢か……」
会えなかったけど、声は聞こえた。なんていい夢だったんだろう。
両手がほんのりあたたかい。肩も、何かがあたっている感覚がまだ残っている。……もしかして夢じゃなかったのかな。
トントン
「ゆい? 起きてる?」
一瞬、お母さんの声かと思って、また跳ね起きそうになる。でもちょっとまてよ、よーく聞くと、それは叔母さんの声だ。
あたしはもぞもぞとふとんを引き寄せた。
正直、もう一度さっきの夢に戻りたい。戻るんだ。そのためにはもう一度寝なくっちゃ。しかし、叔母さんはそうさせてくれないようだ。
ガチャッと音がした。
「おはよー、ゆいー……あれぇ寝てると思ったら、起きてるじゃん」
ふとんを頭までかぶりながら足をもぞもぞ動かすと、叔母さんのくすくす笑う声がした。
「まるでいもむしみたいねぇ」
カーテンが、音を立てて大きく開かれた。部屋全体が朝日を浴びた。ふとんから顔をだしてみて、ちらりと窓を見ると、青い空。雲ひとつなかった。窓から見えるベランダの柵からは、鳥が二羽飛んでいった。
叔母さんは窓のカギを開けて、全部開ける。すると、水色をしているような涼しい風が、カーテンをふくらませて入ってきた。あたしの顔にも、風がなでるように吹いた。
「こんないいお天気よ、ゆい。ちょっと外に出てみて、お散歩しない?」
ふとんに顔を埋める。まだ寝たい。
「一日中動かずにいたら、体も心もなまっちゃうよ。ちょっとくらい動かなきゃ、ゆい」
お散歩というより、叔母さんは今にも元気良く走り出しそうだ。ジョギングになりそう。
「ええーまだ寝たい」
時計を見てみた。壁にかかっている掛け時計。六時三〇分をさしている。
「まだこんな時間じゃん」
「早起きは三文の徳よ。朝の散歩なんて、気持ちいいよ」
半ば無理やりではあったけどあたしはベッドから起き上がることになった。すぐそこを散歩するだけだと叔母さんはいうので、Tシャツに半ズボンという、全くお出かけモードではない格好に着替えた。適当に顔を水で洗うと、さすがに冷たくって目が覚めてしまった。散歩は時間かからないから……と朝食のパンも食べない。リビングをのぞいてみると、おばあちゃんとおじいちゃんはまだぐっすりとすやすやと眠っているじゃないか。
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